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プロローグ・廃都・アンヴァに見る陰は~残る遺跡に隠された~

【本編の裏側、解禁。】


本作は単独でも問題なくお楽しみいただけますが、現在連載中の本編


姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~

【第2部・レッド・フレイムの残照】

(https://ncode.syosetu.com/n5488lq/)


で語られている「廃離宮での調査隊撤退騒動」の真実を描いています。


ジャンヌたちが噂としてしか知らない「戦慄の真相」とは?


本編とあわせて読むと、より深く物語をお楽しみいただけます!

序 章 プロローグ



廃都・アンヴァに見る陰は~残る遺跡に隠された~



 皇都・アンシェの西方。



 そこは、聖皇国建国期に使われていた旧都で「アンヴァ」と呼ばれる地。



 かつては聖皇国の首都として栄えていたが、時代と共に手狭になったことで、新たに皇都が整備された。



 その後、徐々に訪れる者もなくなり、今ではほぼ廃棄されている。



 そんな旧都にも当時使われていた宮殿群があり、その最西部に残された仮宮殿……建都の際、一時的に使われていた仮の宮殿……が、廃離宮として残っていた。



 先日、皇宮内神殿の医務室から姿を消した皇宮呪師こうぐうじゅしのインス=ラントが血まみれの姿で皇孫皇女であるジャンヌ、ジニア・プローフ・ジャネット皇女殿下の部屋に現れた。



 駆けつけた専属護衛騎士団の団長・ファン卿ディアス、護衛騎士のクロードと、その時ジャンヌと一緒にいたリオンという赤髪の孤児を含む四人が出現した赤い魔法陣と共にいなくなり……


 その行先としてインスが医呪(いじゅ)神官のウスニー=メンテに伝えたのがこの皇都西方にある旧都の廃離宮。



 確実にそこにジャンヌたちがいるとは限らないが、他に手掛かりもないことから救援の部隊が送られ……インスからの事前情報の通り、無事に発見。


 合流を果たして帰還した。



 その後、ファンとクロードを中心にジャンヌやリオンからも事情聴取が行われ、その地に魔族が巣くっていたことが判明。



 まさか皇都にほど近い場所にそんな危険な存在が居たとは誰も考えておらず、情報がある程度出そろった今日。


 先発の調査隊が送られることになった。



 さて、調査隊は騎士団側の調査隊と、呪師側の調査隊が存在する。



 通常であれば広く情報を集め、異変がないかを調べるのは騎士団側の調査隊の任務。


 だが今回は、魔族が巣くっていたという事前情報が判明しているため、呪師側の調査隊が派遣されることとなった。



 呪師側の調査隊は皇宮呪師で構成されており、魔力や魔法の痕跡調査、魔物が出現していればその種類や数、規模や危険度などを調べ、実際に解決のために送り込まれる本隊の選出基準などを決めるための情報を持ち帰ることが役目。



 普段であれば調査隊所属の皇宮呪師の中から派遣することになるのだが、魔族が巣くっていた場所の痕跡調査など、並みの呪師に任せることなどできるはずもなく……



 調査隊の中でもトップクラスの呪師五名と共に、討伐隊に所属する呪師三名も加えられていた。


 それと、彼らに付いている皇宮護衛官が十人。


 少し多めに付いてきているのは、もしもの場合の連絡要員を兼ねているから。



「まったく……なぜ俺たちが調査なんて退屈な任務に同行しないといけないんだ……」



 しかし、普段討伐などで活躍している呪師は『調査』などと言うチマチマした任務を毛嫌いする傾向がある。



 命じられた時から不満を隠そうともしない討伐隊の呪師たちは今もグチグチと文句をつけていて、調査隊所属の呪師たちを顎で使うような横柄な態度を取っていた。



 当然、調査隊所属の呪師たちもこの人選には不満はあるが、万が一、魔族が残っていたり。


 ……その可能性は低いと考えられてはいる。だからなおさら双方に不満がくすぶっている……


 強力な魔物が発生していた場合、火力不足により被害が出ては話にならないので我慢している。



 旧都内は路も大分荒れ果てていて、障害物も多く馬車では進めない。



 そのため途中からは歩きとなり、それもまた討伐隊の呪師らの不満になっていた。



「大体、今更調査したところで何もないんじゃないか? あったとしても戦闘の痕跡程度で、他には何も残ってないだろ?」


「だよな。何だっけ? 『廃離宮で魔族と交戦した。確実に倒せたかどうかを確認しろ』だったか? 誰が交戦したっていうんだよ?」



 馬鹿にしたように話す討伐隊所属の呪師たちは完全に気を抜いている。


 こんな、皇都に近い場所に魔族など居るわけがないし、交戦したと言い出したのが誰かは知らないが、倒せたか確認しろと言うことは、少なくとも致命傷となるようなダメージを与えているのだろう。



 となると誰が交戦したのかもおのずと予想はつく。



「どうせあの若造……おっと、経験の浅いインスだろ? とどめを刺したか確認せずに終わらせるなんて……大口叩く割にはたいしたことないよな」



 唇を歪めていうのは三十代頃の見た目の男。



「ははは! 言ってやるなよ。あまり若いとダメだなんて、分かり切っているじゃないか!」



「だな! あの気味の悪い血の色じみた目で何を見て来たんだか……どれだけ魔力が強くても、後始末一つできないんじゃ、意味がない!!」



 同じ年頃の外見をした別の一人が嗤うと、二人より少し若い外見のもう一人も嗤って同意する。



 彼らの頭に浮かんでいるのはたったの十八歳で次期皇宮呪師長最大候補と名高い一人の青年。


 細身な上に女性的で優美な外見とは裏腹。


 その青みがかかった銀の髪の一筋さえも揺らすことなく周囲一面を地獄のような光景に変えるほどの大魔法を連発でき。


 赤みを帯びた紫の瞳は、時に感情を一切消し去った怜悧な光を宿して敵を殲滅する。



 文字通り、目の上のたん瘤ともいえる生意気な後輩だった。



「……一応言っておくが、交戦したのはラント呪師ではないぞ」


「「「は?」」」



 同行していた壮年の皇宮護衛官がお喋りに夢中な呪師らをたしなめるように告げた。



 言われて目を丸くした三人の、討伐隊から派遣されている呪師たちが思わず足を止め、その皇宮護衛官を見た。



「……え? インスじゃないのか?」


「違う。この場所を伝えたのは確かにラント呪師だが、交戦したのはジャネット皇女の護衛騎士団の者だ」


「「「……ぇ……!?」」」



 思わぬ名称に、討伐隊の呪師たちが絶句する。



「……だから確認のための調査隊の派遣ですよ……」



 ずっと黙って先に立って進んでいた調査隊の呪師の一人が重い口を開いた。



「「「……………」」」



 討伐隊の呪師たちが顔を青ざめさせる。



 ジャンヌ専属護衛騎士団は聖皇国の騎士団内でも最上位である近衛騎士団の一つ。


 その団長であるファン卿ディアスは名門侯爵家の嫡子。



 呪師の家系とは全く異なる高位貴族で身分差が明確にあるというのはもちろん。


 インスとほぼ同年代という若さではあるが、射貫くような鋭い視線の持ち主であるため、何もしていなくても震え上がるほどの怖さを相手に感じさせる。



 特に、馬鹿にするような発言をした三人は自分たちの落ち度を自覚しているのだからなおさらだ。



 対して、調査隊の呪師たちや皇宮護衛官は話を聞いていなかったのかと内心思うが、いまさら言っても後の祭り。



 押し黙ってしまった三人に歩みを再開させて、まもなく一同は廃離宮へと到着した。



お読みいただきありがとうございます。

いよいよ、聖皇国列伝秘聞・第2弾が始まります。


今作の時系列は、本編第1部クライマックスから数日後。

ジャンヌたちが廃離宮から帰還し、ようやく事態の全貌が見え始めた頃――

皇宮側から派遣された調査隊の視点で物語は動き出します。


本編では描かれなかった、呪師たちの「戦後処理」とその裏側に潜む異変。

そして第1弾のラストにも繋がる物語が幕を開けます。


若くして才能を認められたインス。

彼を快く思わない者たちの思惑と、彼らが足を踏み入れた先に待つものとは?


本編第1部でジャンヌたちが命がけで戦ったあの場所で、今、何が起ころうとしているのか。


次回もどうぞお楽しみに!!


【第1部はこちら】


姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第1部・レッド・フレイムの呪い】

(https://ncode.syosetu.com/n1170lj/)


【第2部はこちら】


姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~

【第2部・レッド・フレイムの残照】

(https://ncode.syosetu.com/n5488lq/)


【番外編・第1弾はこちら】


皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞①~悪夢の海で瞑る翳・代償と贖罪の狭間で望まれる~

(https://ncode.syosetu.com/n5697ln/)


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日12時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「面白い」「続きが気になる!」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【第2弾は完結まで執筆済みです。よければ最後までお付き合いください。】


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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