突然の出来事
75年前。
それは、人類史で最も最悪と言っても過言ではなかった年。
突如として得体の知れない化け物が現れ、人、街を襲い、破壊の限りを尽くした。
人類は現代兵器を用いて戦っていたが、化け物には傷1つ付かず。
そうして皆が終わりを悟り出した時、人類にとある味方が現れる。
彼女らの名前フリー。
彼女らは一部の少女にのみ姿を表した。
魔法少女と呼ばれる力を貸し、少女達と共に魔物へ立ち向かい、災害を止めた。
それからも魔物が現れ、何度も何度も被害に遭ったが、その度に魔法少女が現れ、人々の心強い救世主となった。
そんな日々が続き早数十年。
未だ魔物の出現は収まらない。
だと言うのになぜ人々は安心して暮らせるのか。
それは魔物が現れてもどこからともなく魔法少女が助けに来てくれるからだ。
人々の魔法少女による信頼は熱いものであり、憧れの的となり、魔法少女になりたいと思っている人々は多い。
そんな中私は、当時7歳を迎えていた。
今日は私の誕生日で、ルンルンと良い気分になりながら自室を出て、両親のいる1階へと降りる。
「小宵、お誕生日おめでとう!」
「ありがとうおかあさん、おとうさん!──は寝てるの?」
「うん、まだ寝てるみたい」
両親に抱きしめられ、私は幸せな気持ちになる。
お母さんとお父さんに抱きしめられるのは大好きだ。
とても幸せな気持ちになれる。
ただ妹の──が起きてなかったのは残念だった。
祝って貰おうと思ったのに
「それじゃあ、いってきます!」
「行ってらっしゃい、気をつけてね」
「はーい」
そうして、家を出て私は学校へ向かった。
私は友達が多いからきっとみんな祝ってくれる。
祝ってくれると私は嬉しい気持ちになり、幸せになれる。
私はそんな単純な人間
7歳になって、やりたいことを考えながら登校している、そんな時だった
突然後頭部をなにか硬いもので叩かれ、気を失うほどの痛みと目眩が私を襲う。
突然のことで私は言葉を発することもなく倒れ込んだ私は、そのまま意識が闇へと落ちるのだった──。
私が目を覚ますと白く、恐ろしい程に何もない部屋だった。
何が何だかわからないまま私は無意識に周囲を見渡し、ここが全く知らない場所だと理解する。
その途端恐怖で目ぼやけ、私の頬に何かが伝う。
幼い私が耐えられる事ではなく、涙が出てしまう。
そのままぼやけた目で周囲を見ていると──ガチャ、と扉が開く音がした。
私は咄嗟に音がした方を見る。
出てくるのが知ってる人⋯⋯お母さんやお父さんだと祈るように、希望に縋るように私は開いた扉を注視する。
きっと、誕生日プレゼントとして用意してくれたんだ、そうに違いない。
そう私は決めつけ心の奥底にある暗い本心を押し殺し、ようやく扉を開けた人物が現れる。
「…だ、だれ…?」
その希望が、祈りが、叫びが叶うこともなく。
知らない人に怯え、恐怖を抱きながらもなんとか声を発す。
「──っ!?」
現れた男性の目を覗いてみると、恐怖が私の身体を蝕む。
見たことないほどに恐ろしい目だ。
まるで私を人間とすら思ってないかのような⋯。
「…お前は今日から私の実験台だ」
「⋯⋯⋯ぇ?」
恐怖で過疎細い声しかでない。
淡々と男は実験台と言った。
実験台とはなんなのか、どういう意味なのか。この時の私は1ミリも理解できなかった。
わからないだらけなことに、私は身体中に寒気が来る。
「こい、…実験開始だ。」
またもや淡々と、無慈悲にそう告げた。
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カクヨムに投稿しているものを、手直ししたものになってます。
投稿頻度は不明ですが、よろしくお願いします