しっぽ長者
おじいさんのありがた~い おはなし。
「ふむ、これは……。侵略者達の資金として、送られたものに違いない。おれの左目がそういっている。」
又八が金を掘りあてた評判は、あっという間に広がり、左目に眼帯の少年が、又八を訪ねてきたそうな。
「侵略者?」
「竹林に光る竹を何本も送りこんできて」
「全部、金か?」
「いや、こちらは……侵略者だ。」
「それは、なんか嫌だな。」
「まあ、身の回りには気をつけろと、とーちゃんからのことづけだ。隣にたけぞうさんもいるから大丈夫だと思うけど。」
「たけぞう?あいつはよひょうっていうだ。涼しくなるまで北の方に行くって、言ってただ。」
「留守なのか。心配だな。とにかく侵略者には注意することだな。」
「侵略者って、どんなやつだ?」
「とりあえず、光るものには注意だな。」
そのころ、「長谷寺」では、観音様のお告げで、しっぽをつかんで、大金持ちになった又八の話が、評判になって、「しっぽ長者」伝説が大流行したそうな。
「わしは、縁結びが専門なんじゃあ!」
と、観音様が、お告げの中で言っても、みんな「しっぽ」を望むようになり、「長谷寺」までの長い参道では、「しっぽ」グッズが売られるようになったそうな。また、「しっぽ」をつけた女性が人気になると、若い女性がみな「つけしっぽ」をするようになったそうな。
「なんで、あんな品のないしっぽが、流行るのよ。」
「そうよ。私たちのしっぽのほうが、優雅で美しいし。」
「イヌのしっぽって、笑っちゃうぜ。」
この空前の「しっぽブーム」が、おもしろくないのか、3匹のど〇きつねの娘、ムーン、マーズ、ジュピターが文句を言い合っていたそうな。
「でもこっちきてから、ろくなことねえな。」
「きっと、悪霊にとりつかれてるのよ。」
「ほんと、応援も、お金も送ってこないし、まじやばい。」
「せっかく すてきなダンスを教えてあげてるのに、バズらないもんね。」
「金ぴかの将軍さまにとりつかれているみたいだし。」
「もう、そば売って、踊るの まじだるい。」
そこにマーキュリーきつねがやってきた。
「どうやら『しっぽ長者』が怪しいですわ。」
「そりゃ、あんなしっぽ流行らせたのは、あいつでしょ。」
「しっぽじゃなくって、お金のほうです!」
「えっ、わたしたちのお給料?」
「竹筒に入っていたってのが、怪しいと思いますわ。」
「竹? あれってまさか転送カプセル?」
「たぶん、そうですわ。」
「ええ?」
「まじ?」
「かえせ!わたしのお給料!」
「でもなんで『しっぽ長者』のところに行っちゃったの?」
「問い合わせているけど、多分、また昼寝してるみたいなんです。」
「ねぇ、まさかと思うけど、応援の人たちは?」
「どこかに着いてるかも。」
「きつねだんすが、流行らないのも?」
「それは、金ぴか将軍のせいでしょ。」
「まあ、連絡を待ちましょ。それより、お金。もうそば売るの限界よ。」
なんと、侵略者は実在したのか?
ど〇きつねたちは、「しっぽ長者」の様子をさぐることにしたそうな。
【ごきょうくん】
おじいさんとの約束だよ。
よく考えよ~、お金は大事だよ。
あれのパロキャラです。