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ここ掘れワンワン

おじいさんのありがた~い おはなし。

 又八とさくらは、なかよく、お杉がーちゃんのいる家に帰りついた。

 

「かあちゃん、ただいまー。」

「おう、よくお願いしてきたかい。」

「わんちゃん見つけた。これが、さくらだよ。」

 又八のから、さくらが顔を出した。

「はじめまして、さくらです。」

「おお、なかなかよさそうな娘だねぇ。又八、どこでこんな娘を?」

「観音様が夢に出て、わんちゃんと、えんむすびだと」

「わんちゃんと?」

「わたし、前はポチっていってたんです。それを又八さんがさくらってつけてくれました。」

 さくらはうれしそうにしっぽをふっている。

「ん?しっぽがあるじゃないか?」

「ああ、おらがつかまえたんだ。」

「しっぽを?」

「観音様が、大切にしろって。」

 

 それから、3人(?)は一緒に暮らすことになったそうな。さくらはいつもうれしそうにしっぽをふって、又八だけでなく、お杉の言うこともよく聞くので、

「となりの鳥娘より、はるかにできた、嫁がきたもんだ。」

と、喜んでかわいがっていたそうな。



「よひょう、ごはん」

「おいしいもの食べに行くから、それまでこれ。」

 よひょうは、つうと外に出かけるために、あめ玉やチョコレートをカバンに詰めて歩いていたそうな。これで、3歩で忘れることもなくなったそうな。


 ーおっ!隣の又八じゃないか。長谷寺にお参りにいったと聞いたが……。ー

 そこに畑に出かけようと、いつものように、手伝いについてくるさくらを連れて、又八がやってきたそうな。

「おーい、又八!帰ったんか?」

「おお、よひょう! おらにも わんちゃん、嫁ができただ。」

「ほう。それはよかったなぁ。ん? なんか見覚えが……。」

さくらは、よひょうをにらんで、「ううう」と、うなっている。

「さくら、どうしただ。いつもはいい娘なのに。」

「又八、その娘、どうやって知り合ったんだ?」

「観音様が、わんちゃん、縁結びで 最初に触ったものを大切にしろって」

「で、その娘にさわったのか?」

さくらは、今にも、よひょうにとびかかりそうにしている。

「門のところで、しっぽにぎった。」

「しっぽ?」

見ると、さくらのおしりには、りっぱなしっぽが……。

「あっ!まさかあの時の?」

「又八さんにへんなことしたら、またかむわよ。」

「あっ、やっぱり。」

よひょうは、たけぞうとして修行したときに 何度も野良犬と戦ってきたので、犬のなかでは評判が悪かったのだそうな。

「あのときは、悪かった。でもこうして、又八と幸せそうでよかったな。」

「うん、おら、幸せだ。」

「又八さんに ひどいことしたら許さないから」

さくらは、とりあえずおとなしくなった。


「それで、よひょうは、そんな恰好で、どこ行くだ?」

「つうが、涼しくなるまでは、北に行きたいっていうから、しばらく出かけるだ。」

「それは、気をつけてな。」

といって、よひょうたちを見送って、又八とさくらは畑に向かった。


「よひょう、ごはん」



又八の畑のわきには、大きな木が一本あったそうな。

「又八、この木は枯れてるの?」

「いや、前はきれいな花をさかせてただ。んでも、ここ数年、花も咲かなきゃ、葉っぱも出ないようになっただ。」

「何の木なの?」

「この辺りでも、評判のきれいな桜の花を咲かせる大きな木だったんだ。」

「わたしと同じ名前なんだ。来年は、咲くといいね。」

「そうだな。さくらにも見せたいなぁ。」

と、又八が言うと、ふいに、さくらが大きな木の周りをまわって、何かを探しているようだった。そして、なにかにとりつかれたように

「ここ掘れ、わんわん!」

「ん?」

「ここ掘れ、わんわん!」

「どうしたんだ?さくら。」

又八が、さくらの肩を揺すると、

「私、今、何か?」

「どうしたんだ。」

「なんか、変な感じがして、ここ掘れって」

又八は、持ってきた鍬で、さくらがいったところを掘ってみたそうな。


すると……。土の中から光が……。

「竹?」

なんと、土の中には、光る竹の形をした竹筒が何本も……。

「ん?これは、なんか旅の途中で見た気がするなぁ。」

とりあえず、掘り出した又八は、その竹筒を手に取ったそうな。

「なんか、重そう。」

「うん、中に何か入ってるだ。」

そこで、又八はその竹筒を割ってみると、中身は全て、金だったそうな。



それから、又八の家は、大金持ちになったそうな。




【ごきょうくん】

おじいさんとの約束だよ。

裏の畑でポチが鳴くと、

大判小判が、さっくざっく、ざくざくじゃぞ。


裏の畑でポチが鳴く♪

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