花咲爺さん?
それからというもの日本中で「きつねだんす」が大流行、そして第2弾、「始皇帝」も2つの「中華鍋」を振り回す、画期的なダンスで大好評、ど〇きつねたちは、毎日スケジュールに追われるほどの人気者になったそうな。
そして、毎日のそばも、「天玉そば」にグレードアップしたそうな。
「なんかそばが、どんどん豪華になってるよ。」
「金ぴか将軍から、今日、えび天が届いたし。」
「でも、なんで毎日そばなんだ!」
どんマーキュリーが、ほかほかのお餅を持って戻ってきた。
「みんな、がんばっているから、お給料アップですって。」
「やった~!」
「これで売掛けが……。」
「でも、いつもらえるのよ!」
「あっ!」
「そうか。」
「で、そこのとこどうなのよ!」
マーキュリーは慌てて通信機にもどった。
ぱん、ぱん、ぱぱん?
……ぺったん、ぺったん、ぺ……!
「『……え、送ったよ、あっ……』ですって、まさか?」
ぺったん、ぺったん、ぺぺぺぺぺ。
「修正してなかったですって。」
「何よ、バグうさぎ!!!」
「ってことは、また『しっぽ長者』?また面倒なことになりそう。」
「大丈夫、今度は金ぴか将軍は味方よ。」
というわけで、ど〇きつねたちは、又八のところにむかったそうな。
とんとんと、ど〇きつねたちが又八の家の戸をたたくと、お杉かあさんが出てきたそうな。
「また、あんたたちかい。何の用だい? わたしゃもう踊らないよ。」
「『しっぽ長者』さんいますか?」
「しっぽ長者? ああ、又八かい。又八なら畑に行っちょるわい。」
「お金持ちなのに働いているの?」
「ああ、埋蔵金って、お奉行様が預かって、調査中で、勝手に使えんのじゃ。まあ、急に金持ちになって、怠け者になるのもみっともないしの。」
「遊んでくらせるお金があるのに?」
「それ、だめ男になるパターンじゃろ。バカな遊びに手を出すようになったらしまいじゃ。」
「だめ男?」
「ばくちや酒に金使うようになって、しまいには女を働かせて、うまいこと言って遊んどる奴おるじゃろ、うちのさくらは真面目じゃから心配じゃ。又八がヒモとかいうやつになっても困るからのう。」
「なんかそのパターン、聞いたことがあるなぁ、ジュピター。」
「ぎくっ……私の推しは違うもん……売掛けあるけど……。」
「それに、金を持つと、ろくなことにならん。毎日のようにいろいろへんな人が来ての、保険とか、車とか、金融商品とか、幸運になる壺とか売りに来るんじゃ。」
「幸運になる壺?」
「霊感商法ってやつね。ムーンが前にひっかかったやつ。」
「それに『しっぽ長者』の家って、見に来るやつや、金を借りに来るやつも多くての。それにますこみってやつが、ドローンまで飛ばすんじゃ。」
「どろーん?」
「お化け?」
「お化けこわい。」
「怨霊退散!」
「あんたたちも、お金が目当てなら、やめといたほうがいいよ。」
「実は、あれ私たちのものなんです。」
「そんなウソは、何度も聞いたよ。私が昔…とか、先祖が…とか言うんだ。」
「ウソじゃありません。名前が入っていたでしょ。」
「いや、大判小判がざくざく入っておったぞ。」
「そんなぁ。」
「じゃあ、畑で又八に聞いてみな。今ごろはさくらとお弁当を食べてるだろうよ。」
枯れた桜の大木の下で、又八は、さくらの膝枕で横になっていた。さくらもしっぽをゆらゆらと振って、幸せそうな二人だったそうな。
「おら、お金がなくてもおまえとこうしていられたら、幸せだぁ。」
「わたしも又八といっしょだと幸せよ。」
その様子をみつけたど〇きつねたちは
「なんか、甘あまな感じなんですが……。」
「あの人、昔好きだった先輩に似ている。」
「あんたまた?そういって何回だまされたの?」
「きっと、悪い霊がついているのよ。」
「それより、早く行きましょう。」
「よし、行くよ。」
ど〇ぎつねたちが、又八たちに近づくと、さくらはしっぽをぴんとたてて、警戒したそうな。
「あなたたち、また来たの?」
「今日こそ、返してもらうわ!」
「返すって何をだ?」
「私たちのお給料!」
「きゅりょうて何だ?それ食えんのか?」
「お金!」
「今まで何人も、自分のものだから返せって言ってきたけど、証拠あるの?」
「名前書いてあったでしょ。」
「いや、中には大判小判がざくざくだっただ。でも名前は書いてなかったぞ。」
「ウソ、じゃあ見せてよ。」
「ここにはないんだ。お奉行様が預かってるだ。」
「もう、面倒ね。いくわよみんな。」
「めいくあっぷ!」
「愛と正義の美少女ど〇きつね戦士! どんムーン。月に代わって……。」
「愛と知の美少女ど〇きつね戦士!どんマーキュリー、水星に代わって……。」
「愛と情熱の美少女ど〇きつね戦士!どんマーズ、火星に代わって……。」
「愛と勇気の美少女ど〇ぎつね戦士!どんジュピター、木星に代わって……。」
なんかくいぎみに次々に名乗りを上げると、急に崖の上から
「待たせたわね。愛と美の美少女ど〇ぎつね戦士!どんヴィーナス、金星に代わって……。」
「あいつら、自分で美少女っていってるだ。」
「私の方が、きっときれいよ。」
「んだ、さくらのほうがきれいだ。」
「もう何言ってんのよ!そういう設定なの!」
「わたしは美少女、わたしは美少女、わたしは……。」
「全力でいくわよ。」
「くらいしす、めいくあっぷ!」
青と白のチアリーダー姿に変身したど〇きつねたちは、きつねだんすを踊りはじめた。
「又八!おれよ。」
「わかっただ。おれ、.おれ、おれ~!」
どこからか軽快なサンバのリズムが流れはじめた。
しかし、次第にそのリズムが、きつねだんすのリズムに飲みこまれていく。
金ぴかの衣装に金ぴかのきつね耳、金ぴかのしっぽをつけて、白い馬に乗った男が現れて歌いはじめた。
ふぁっ、だず ざ ふぉっくす せい? ♪
「何だ?」
「何か、将軍様まで?」
「さくら、どうしよう?からだが動いてしまうだ。」
又八は、必死にこらえていたが、もう指がきつねに……。指に何かがふれた。
「ん?」
そのとき、又八の頭のなかで「最初にさわったものを大切にするんじゃぞ。じゃぞ、じゃぞ……。」と観音様の言葉が……。
しっぽ……。
「きゃん!」
すると、不思議なことに、さくらのしっぽが光った! そして、急ににぎやかな音楽も、踊りも止まってしまったそうな。
「ここほれ、わんわん!」
さくらは急にさくらの木の裏側にまわって、根元を指した。みんな何事かと様子を見ている。
「ここほれ、わんわん!」
又八が鍬で掘ってみると、太いさくらの根っこに光る竹がささっていたそうな。
「あ、これ転送カプセルじゃん。」
「ここにあったのね。」
「これ抜ける?」
「けっこう深くささってるよね。」
というわけで、みんなで、力を合わせて根っこからカプセルをひっこぬいたそうな。
そしてその中には……。
「あった!わたしの給料!」
中には「給料袋」の束がぎっしり入っていたそうな。
ど〇ぎつねたちが、自分の3年分の給料袋を取り出し、おお喜びしていると、さくらは、今度は上をぼーっと向いている。
「ね。又八。」
「ん?」
「これ何?とてもきれい!」
又八が上を見上げると、今まで枯れ木だとおもっていた桜の大木に次々と花が咲き始めていたそうな。
「これがさくらの花だ、これをさくらにみせたかったんだ。」
みるみるうちに桜の花は満開となった。
金ぴか将軍は上機嫌で、
「あっぱれ!みごとな桜だ。おまえに「花咲かじいさん」の称号をやろう。」
「まってください。又八は『じいさん』じゃありません。それに私、殺されて灰になりたくありません。」
「んだ。それに『しっぽ長者』とか『花咲かじいさん』とかきゃらじゅうたいだ。」
「そうか。残念じゃな。まあここでみんなで花見といこう。」
そんなわけで、お杉かあさんや、柳生さんも呼んで、三日三晩、にぎやかにみんなで、お花見をしたそうな。
そして、みんなで仲良く「きつねだんす」を踊ったそうな。
「成功です。地球人と仲良くダンスを踊っています。」
ぱん、ぱん、ぱぱぱん、ぱぱぱん、ぱぱぱん
ぺぺぺぺぺぺ……。
「また昼寝みたいですね。」
「これにて、一件落着!」
お花見が終わったころに桜吹雪の遊び人が、現れた。
めでたし、めでたし。
【ごきょうくん】
おじいさんとの約束だよ。
一緒に踊れば仲良くなれるぞ!




