試験
僕はその後、葉蔵に教わりある程度は魔法や魔術を使えるようになった。
だが、あれからもう1ヵ月ぐらいは経ったが魔法学園の試験が行われる事はなかった。
そんな中、急遽新しい魔法学園が僕らの泊まっている場所の近くに造られた。
1日の間に急に出現した。工事の音も何もなかった。
そうして、その魔法学園は造られてすぐに有名になった。
なぜなら、その魔法学園を造った人、ゼーン・アペルピシィアが最近、特段(1番上の階級)の魔物を倒したからだ。
特段と言えばこの世界を滅ぼしかねない力を持った化け物だ。
しかも、人間より優れた脳を持っており、人間じゃ想像がつかないような戦略を使ってくるらしい。
今までに特段を倒した生物はさっき話した人を含め3人だけだそうだ。
なので僕たちはその魔法学園に入学することに決めた。
試験内容は面接と戦闘。実際にゼーンに面接され、ゼーンと戦うらしい。
普通なら、世界を滅ぼせる力を持ったやつとは絶対に戦いたくないだろうが、魔法学園の試験を受ける人は10000人を超えているらしい。
試験は三日後なので、それまでに魔法の練習をしなければならない。
2
そうして時は経ち、試験当日となった。僕たちは列に並んで自分たちの番を待っていた。
「少し緊張するなー」
葉蔵はとてもリラックスしながらそう言った。
「やっぱやさすがのイカシスでも緊張する?」
「僕は正直何も感じていない」
「やっぱそっか」
「それにしてもどうやって1日で10000人全員の面接するんだろうね」
「確かにそれは分からないな」
列に並んでいる人数は100人以下だ。
つまり他の場所でも同じ試験が行われている可能性が高い。
そんなことを考えていると葉蔵が呼ばれた。
「やっと俺の番か」
「じゃあな、頑張ってこいよ」
「うん」
3
ーーその後、葉蔵が戻ってきた。
「葉蔵、どうだった?」
「…」
葉蔵はポカーンとして動かない。
「葉蔵、どうした?」
「いや、なんか、とても刺激的な試験だったから…」
「どういうことだ?」
その時、僕の名前が呼ばれた。
「じゃあな、葉蔵」
「ああ、頑張ってこいよ」