事情聴取
「おはようございます」
どうやら、やっと警察が事情聴取に来たみたいだ
「昨夜の事ですが、どのような状況なのかご説明頂いてもよろしいですか?」
と尋ねてきたが、そんな事よりも「ワン子」の事が気になる
「それよりも、ワン子がいたのですが、今、どこにいますか?」
「それが、犬ですが一緒に跳ねられたみたいで、現在は市が運営する24時間体制の動物病院にいて重症らしく、いつ亡くなっても、おかしくない状況みたいです」
えっ!マジかよ!
こんなところで寝てる場合じゃないぞ、病院へ行かねば
「すみません事情聴取も必要ですが、どこの病院ですか?」
「動物医療センターです」
くそ、スマホも無ければ身体も動かないどうすりゃいいんだよ
「なにかあれば、こちらに連絡が入りますので、今は昨夜の状況をお話下さい」
仕方がないか…まずはスマホを手に入れねば
電話番号もなにも覚えて無いし、一人ぐらい友達の番号ぐらい覚えておけばよかった
「ワン子」が気になるが、先の事もあるので事情聴取に答えるか…
「散歩をしていたのですが、黄色の点滅で交差点に進入したのですが、赤の点滅で一旦停止もせず、車が突っ込んで来て跳ねられました、跳ねたのは黒いタクシーだった気がします。
「そうですか、大変でしたね、怪我は打撲がひどいようですか命に別状が無くて良かったです。事故を起こした運転手と、概ね供述もあっているので、今は療養下さい」
なにが良かったんだ!
「ワン子」が重症の瀕死じゃないか!
唯一の家族が瀕死なんだぞ!
警察に腹を立ててもしょうがないが、なんとかここから出るなり連絡が取れる状況にしなければ
「お店を経営してるのですが、スマホをカウンターに置き忘れているので持ってきてもらえる事って、出来ます?シャッターは閉まってますが、鍵はかかっていません」
「そうですね、家族と連絡も取りたいでしょうし、今後の事もあるので手配いたします」
家族は全て他界しているので、家族は「ワン子」だけだ
そう、その家族と連絡を取りたいのだ
スマホがあれば動物病院とも連絡がとれるし、友達も呼べる
今は、とにかくスマホが欲しい




