第40話
下水道の秘密部屋を出る。
ここから先は迷路のような下水道が続いている。
俺にはダラスの提案が非常にありがたかった。
「海人さん、30分くらい歩けば、スライセンターの前へ着くと思います。私に出来るのがそれだけで申しわけありません」
「ダラスさん、バルディを倒すのは俺の宿命です。俺がお礼を言いたいくらいです」
スライセンターの前に行くまでにことの経緯をダラスに話した。
「そうでしたか。海人さんは私より更に辛い宿命を背負ってしまったのですね。私に出来ることは、海人さんがバルディを倒し、大切な人を取り戻せることを・・・祈るだけです」
「ありがとうございます」
その声に頭上の騒音が重なった。
どうやら、軍隊が動き作戦は成功しているらしい。
「ダラスさん、どうやら作戦は成功しているみたいですね」
「我われ、レジスタンスの結束は固いです。皆、この世界をバルディから取り戻す決意を秘めています」
真剣に答えた、ダラスが前方を指差す。
「もうすぐです。あ、見えて来ましたね。あのハシゴを登ればスライセンターの前に出ることが出来ます」
目を凝らして良く見てみる。
確かにハシゴらしきものが見えてきた。
いよいよだ。
そのハシゴは、今、俺の目の前にある。
「ダラスさん、色々お世話になりました。ここから先は俺1人で行きます」
「私にも力があれば良かったのですが、海人さん、申しわけありません。成功をお祈りします」
俺は決意を固め、ハシゴに手をかけ、1段ずつ登り始めた。
ハシゴの最上段に着くと、マンホールの蓋らしきものが見えた。
開けようと手にすると、ずしりとした重みが手に伝わった。
慎重に蓋を押し上げ、少しずらしてみる。
大丈夫だ。
自分が通れるまでに蓋を開けた。
地上に上がり、様子を見てみる。
!!!。
静か過ぎる。
街は時間が止まっているかのような静けさを見せている。
その時である。
「出て来たな。ドブネズミが!」
その声を合図にしたのか、黒い衣装を纏った軍団が俺を取り囲んだ。
その数は・・・。
多過ぎる。
もしかして、バルディの軍団全てがいるのかと思った。
建物・・・スライセンターであろうその前に奴がいた。
バルディである。
「こんな子供だましがワシに通じると思ったか!。今、動いておるのはこの国の軍隊じゃ。ワシの軍団は、ほれ、お前を囲んでおるわ」
読まれていた?。
バルディは俺から50mくらい先にいる。
「海人、突っ込むぞ。奴は今油断をしておる」
ナナカミの言う通りだ。
俺は意を決し、決死の突入の決意を固めた。