第31話
ついにバルディの居城に侵入する時が来た。
バルディに関することは見つかるのだろうか。
「サイラさん、バルディの居場所はわかったけど、どうやって行けばいいのですか?」
簡単な質問だが、それが一番問題である。
サイラは「ああっ」という顔つきでこう言った。
「そうでした。白の魔法使いでも海人さんは異世界の方。魔法の使い方をご存知ないのですね。それではここで少し練習して行きましょう。バルディの城には飛んでいかなくてはなりません。そして、バルディの城の結界を破れるのは、白の魔法使いである海人さんにしか出来ませんからね」
魔法をどうやって使えというのだろう。
「では、私が説明しますね」
ディードが魔法の使い方を教えてくれるらしい。
「まず、飛び方ですが、自分の体が軽い。そう、羽のように軽いと心の中で思い浮かべて下さい。そして、飛べるんだという意識をはっきりと持って下さい。では、どうぞ」
いきなり言われても困ったが、ディードの説明通りにしてみる。
俺は軽い・・・羽のように軽い・・・。
飛べるんだ!。
???。
驚いたことに、俺の体が3mくらいの高さに浮いた。
「そうです。では、移動してみて下さい。移動は移動する方向に行けると思うだけで大丈夫ですよ」
ディードの声が下から聞こえる。
右手の方向に移動を試みる。
!!!。
出来た。
こんなに簡単なのか。
左にも、そして、円を描くように上下左右と自由自在だ。
「さすがです」
ディードである。
俺は着地し、他の魔法について聞いてみることにした。
「ディードさん、バルディの城に行くのはいいけど、バルディに対抗出来る魔法はないのですか?」
サイラが答えてくれた。
「それは私の専門ですので、私がお答えいたします。海人さん、魔法使いにはレベルがあります。最高位は海人さん、あなたの白の魔法使い。そして、黒の魔法使いのバルディです。海人さん、黒の魔法使いであるバルディに会えば、白の魔法使いである海人さんの能力は自然と出て来るはずです。それと、私たちには白の魔法使いがどんな魔法を使うのかわかりません。何しろ、300年以前のことですからね。既に伝説になっています」
「海人、ワシがおる。それだけで十分じゃ」
ナナカミの声である。
「おや、そちらの方は?」
サイラが興味深げに聞いて来る。
「これは俺の相棒のナナカミです。しゃべる変わった剣ですよ」
「海人、もっと他の良い言い方はないのか!」
ナナカミが抗議の声をあげる。
「はじめまして、ナナカミさん。強い力をお持ちですね」
ディードである。
「ふむ、このご夫人は人が出来ておるな。海人とは比べものにならんわ」
ナナカミはどこか嬉しげである。
「おふた方、時を急ぐゆえ、ワシらはすぐに旅立たなければならぬ。海人、行くぞ」
ナナカミの言う通りだ。
バルディを倒し、桜ちゃんを連れ戻さなければならない。
「それでは、この城の屋上から飛ばれるのがいいと思います」
ディードがそう言って席を立った。
サイラも同じである。
「どうぞ」
俺はサイラとディードの後につき、城の屋上へと向かった。