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時空の羽  作者: 夢宇希宇
26/48

第25話

次元の間だ。


俺とナナカミは帰って来た。


ランスゥにいち早く話しかけた。


「ランスゥ、バルディはいなかった。その代わりに、バルディの配下を1人、ロケットに閉じ込めたよ」


ランスゥが手を差し伸べて来る。


「海人、ロケットをワシに見せてくれぬか」


俺は、オーベルを閉じ込めたロケットをランスゥに渡した。


ランスゥは、俺から受け取り、それを開いた。


「おおっ、こ奴はバルディの配下のオーベルじゃな。知っておるぞ。どうやら、バルディの復活と共に奴の配下も復活したらしい。海人、少し面倒なことになってきそうじゃ」


配下だって?。


バルディの行方もつかめないのに、配下がいるのか?。


「ランスゥ、バルディの配下と人数はわからないのか?」


ランスゥに確認してみる。


ランスゥは、少し困った顔をしたが、全てを俺に話してくれた。


「海人、よいか。ワシが知る限り、バルディの配下は8人じゃ。このオーベルはその中で一番弱いと言ってよい。バルディの配下は、バルディを絶対の主と崇めておる。これは難儀なことじゃ」


敵はバルディ1人ではなかったのか。


オーベルを閉じ込めたので、バルディの配下は残り7人。


バルディと直接対決して、早く桜ちゃんを助け出す方法はないのだろうか。


ランスゥに今までの疑問をぶつけてみる。


「ランスゥ、バルディの移動先がわかると言ったけど、バルディの配下にあたらず、直接、バルディを倒すことは出来ないのだろうか」


ランスゥの答えは簡単だった。


「海人、すまん。バルディが移動する先は、鏡を見ればわかる。しかし、そこにバルディがいるという保証は出来ぬ」


何か忘れていた。


そうだ。


オーベルにバルディの居場所を聞けば良い。


「ランスゥ、閉じ込めたオーベルに、バルディの居場所は聞けないのかい?」


ランスゥがすまなそうに答える。


「海人、このロケットに閉じ込めた者との連絡は出来ぬ。出来るとすれば、ここから出さなくてはならぬ。それに、オーベルが口を割るはずがあるまい。すまんが、この次元の間でオーベルを開放することは危険すぎる。ここは全てにつながっておるからな」


こうなったら、進むしか俺に道はない。


「ランスゥ、次はどこへ行けば良い?」


ランスゥが、言葉を発したら、1枚の鏡が宙を飛んで来た。


「海人、バルディはここに移動しておる。鏡が曇っておるからな」


鏡を見てみる。


鏡の枠は、様々な惑星によって囲まれている。


ランスゥが、鏡について説明しようとしていた。


「この鏡の世界は、魔法使い。そう、バルディの誕生した世界じゃ。よって、この世界の住人は大小あれ、皆、魔法が使える。バルディのことじゃ。よからぬことを考えておるに違いない。海人、罠があるかもしれぬ。気をつけるのじゃ」


迷っている暇はない。


ナナカミに声をかけた。


「ナナカミ、行こう。バルディを倒し、桜ちゃんを助け出そう」


「任せておけ」


ナナカミから声が返って来た。


「ランスゥ、行ってくるよ。今度こそ、バルディを倒してみせる」


そのランスゥから、意外な声が返って来た。


「海人よ、この鏡の世界・・・いや、実際に行ってみるとよい。不思議な世界じゃからな」


???。


「ランスゥ、不安になることを言わないでくれよ」


「すまん、ここで、バルディについても知ることが出来ると思う。もう一つは内緒じゃ」


ランスゥは、何か隠しているようだ。


「もういいよ。俺に選ぶ道はないからね。ナナカミ、行くぞ」


そう言って、鏡に意識を集中させた。


曇っていた鏡は、俺の姿を映し出す。


俺とナナカミは、鏡の中へと入って行った。

『短編小説』と長編恋愛小説『四季に読む歌』もよろしくね♪。

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