第12話
暗闇の中、一人の大男、2mくらいはあろうか。
歓喜の声をあげている。
良く見ると、暖炉にはマキがくべられており、その灯りが周りを照らしている。
その男は、大きな笑い声ともとれる会話を一人でしていた。
「グハハハハッ、ついに戻ったぞ、我が力。これで、この古びた城に閉じ込められることもあるまい」
夜の目を持つ者が見れば、男が大きな部屋にいることがわかる。
そして、飾りなのであろうか。
壁には、大剣がかけられ、鎧らしきものも飾ってある。
男が指をパチリと鳴らすと、部屋に明かりが灯った。
ランプや電気のたぐいが見当たらない。
男の力によって、もたらされた明かりなのであろうか。
男の部屋は古城と呼ぶのにふさわしかった。
その古城に似つかわしくないもの。
部屋の暖炉のすぐ右側にあるガラスで出来たカプセルのようなもの。
それが、床に横たわり、淡い光を放っている。
その中には一人の女性が、眠っているのであろうか。
静かに横たわっている。
男はカプセルに近づくと、もう一度大きな笑い声をあげた。
「これぞ、我が力がよみがえった証。二度とあのような過ちは犯すまいぞ」
そう言い、もう一度指をパチリと鳴らした。
男の後ろに淡い8つの光が現れる。
その光の中には、人の形をなすもの、人の形をならぬものがいる。
男の後ろに現れたものたちは、声を合わせてこう言った。
「ご復活おめでとうございます。バルディ様」
その男、バルディは現れたものたちに声を返した。
「うむ、永く待たせたな。そなたたちには、また、ワシのために働いてもらおうぞ」
声を合わせて言葉が帰ってくる。
「お任せ下さい。バルディ様」
バルディは「うむ」と頷くと少し遠い目をした。
どうやら、何か考えを巡らせているようである。
そして、こう宣言した。
「皆の者、ワシが次元の主となる時がついに来た。まずはワシに仇なした者たちにワシの復活を知らしめてやろうぞ」
声が返ってくる。
「かしこまりました」
そう言うと、淡い光のものたちは一つずつ姿を消して行った。
バルディはまた一人になった。
そして、つぶやく。
「さて、どこから始めるとするかのう」
そう言うと、今までで一番大きな笑い声をあげた。
次にバルディが右手にしている杖を掲げると、地図と言っていいのだろうか。
天体図みたいなものがバルディの目前の空中に現れた。
「まずは、ここじゃな。ここには憎きあやつがおったのう」
悪意に満ちた声がバルディの口から発せられた。