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壮大な計画と自重しないコアラくん

10万字突破しました!

今後もよろしくお願いしますm(_ _)m


一気に増えた新キャラはまとめて紹介する予定です


 天魔の名前はミルにした。余談だけど私とリイアの名前の付け方は少し違う。リイアはそのモンスターにあった名前を考える(例、ファイヤーバード→フェニックス→フェニ、九尾の狐→きゅう→キョウなど)対する私は意味はあまり考えずに響きが気に入って似合いそうな名前にする。……どうでもいいか。


 そんなことは置いといて、私は歯をがたがたと鳴らす冒険者に目を向ける。

「聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

二人は腰を抜かしたようで首だけを必死に動かして頷いていた。


 私は二人に尋ねる。猛毒よりも強い毒の治療法を知らないか……とリーダーの男は震えながら、自身の死でも回避するべく、回らない口を必死に動かして言葉を出す。べつに殺したりしないのに。

「おっおそらく、くですが、魔法使い、王都の人にたのむしかないと思います」

やっぱりか。冒険者や商人を見かけたら積極的に聞いたのだが、全員同じである。一応だが、

「治療する薬みたいなものはないの?」

と聞いてみたが、男二人はあるかもしれないがそもそもそんなものが必要ないから知らないと言った。これも全員同じであった。

収穫はなし……か。

 私達が去ろうとすると、二人の男は引き留め

「少ないですが、お納めください」

とゴールドを差し出す。命を救ったお礼らしい。そうするのが冒険者たちのルールみたいなものだそうだ。情報の収穫はないが、こんな風にお礼を何回かもらったのでゴールドはすでに5000ゴールドに迫ろうとしていた。私はお礼を受け取り、それとクモの足も二つだけ回収した。すでにバックがいろんなモンスターの素材とゴールドであふれかえっていて入らなくなっているのである。残りは冒険者にあげた。多分あれを売ったら収めた額以上のゴールドが手に入ると思うからお礼を受け取ったけどいいよね?

「……これ以上続けても新しい情報はなさそうね」

私は素材とゴールドだらけのどう考えても少女が持つものではないもので埋め尽くされている鞄を見ながらダンジョンに帰ることにした。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 一方、ダンジョンではリイアとカムイとスーカとテンそして八階層のピグとキョウでとある計画について話し合っていた。計画の内容それは……

「ダンジョン都市計画ですか……」

カムイは計画の全貌を聞いて考えこんでいた。

 私は革命時のオークたちの技術を見て、ダンジョン内に都市を作れないかと考えたのである。しかもダンジョン内部のモンスターだけでなくダンジョン外のモンスターも住めるような都市である。


 なぜ、そんなことをしようとしているか?答えは簡単、敵を減らすためである。私は思うのである。確かにダンジョン内部に強いモンスターを創り出し、自軍を強化することも大切である。しかし、革命時の冒険者の様子を見るにそれだけでは限界が来てしまうように思うのである。

 それじゃあどうするか、敵軍を弱らせればいい。ついでに自軍を強化できればなお良き。そこで考え付いたのがダンジョン都市である。結構いいアイデアだと思うが(もちろん自分でも規模が大きすぎるしいくつか問題があるのは分かっているが)全員の反応は思ってた以上に芳しくなかった。その要因として最も大きいのが

「ダンジョンに外部のモンスターや人間を大量に住ませるのはリスクが高すぎないか」

そこが一番の問題である。かなり大袈裟な表現だが体の中に爆弾を抱えているようなものである。それともう一つ

「どこに造るつもりですかつもりですか」

造る階層も問題である。下の階層(7,8階)に造ると万が一反乱がおこったときのリスクが高すぎる。だからといって一階層なんかに造ると侵入者に破壊されるのが目に見える。そもそも地形に問題がある階層(4,5,6,9)は除くと三か七と微妙である。


 ところでそもそも外部からの侵入者は階層のボスを倒さないと先に進めないから七階層に都市を作ると1~6階層にボスを任命させることができなくなるのでは? と疑問に思うかたがいるかもしれないが(もしかしたら革命の時から疑問に思っている人もいたかもしれない)そこは大丈夫である。ダンジョン都市に住むなら、ダンジョンモンスターと設定すればいいとのことbyコアラ


 ダンジョン内部の設定はある程度コアラが自由にいじれるそうでそういうことも可能らしい(そもそもコアラ自身が生き残るために都合のいいような設定している)

……あれ?コアラってダンジョン内部の設定をいじれるんだよね

『いじれるよ』

じゃあさ、四階と五階の間に新しい階層って作ったりできるのか?

『できるよ』

意外と簡単に解決できた。

『前の侵入者たちの分と竜人たちのエネルギーを吸収し終えて余裕があるから今すぐにでも創れるよ』

どれくらいエネルギーがあるか聞いたら六階クラスを三個ぐらい創れるらしい。……だいぶあるな。

『スーカやキョウは元々デルが蓄えていたエネルギーの一部を使って創り出したからね』

どうやらデルはかなりのエネルギーをためていたらしくキョウたちを作っても余っているそうである。


 さて、そのことをカムイたちに話すと

「……なら、四階層と五階層の間に新しい階層を作って、残りのエネルギーをすべて使って、その階の守護者にしませんか?」(テン)

「それならいいね!六階層クラス三つ分のモンスターなら大丈夫でしょ」(キョウ)

「待て!そこまで強いモンスターはいらないだろ!」

「いたほうがよくないですか?リイア様がいない間の代理のラスボスみたいな感じにすることもできるかもしれませんよ」

『いいね!自重せずにありったけのエネルギーを注ぎ込んだらどんなモンスターが創れるんだろう……。よし!決定!』

「ばか!カムイたちが勝手に話を進めるからコアラが面白がってやっちゃったじゃないか!」

「まあ、いいじゃないですか強いモンスターがいることに越したことはございませんし」(スーカ)


~三日後~


「……自分が言ったこと覚えているよな?」

私は静かに問いただす。カムイたちは目をそらし誰も言葉を発しなかった。

 私達は新たに作られた五階にいる。そして目の前には新たに創られたモンスター。ヴァルキリー、半神のモンスターである(そもそもモンスターと呼んでいいのか疑問だが)ここに行くまでにコアラは

『せっかくだから成長するモンスターにしたよ。龍とか作ってもよかったけどそれじゃあもったいない気がして(?)』

と言っていた。ああよかった。ぼくのかんがえたさいきょうのドラゴンとかじゃないのかと胸をなでおろしたが。まさか……ねぇ。

 見た目は大人ではない(私と同じぐらい。人間なら16ぐらい?)がすでにあふれているオーラを前にピグたちオークはひれ伏している。ヴァルキリーは空からゆっくりと舞い降りて、私の前で片膝をつき、

「私はこの階の守護者として創られたヴァルキリーでございます」

純白な小さな羽と長い髪、右手には明らかにやばそうな一本の剣。左手には不思議の模様の描かれた盾。白い装飾をつけ、肩には二匹の同じく白い鳩。

……色々突っ込みたいことだらけなのだが、とりあえずコアラに半神とか創れるのか? と聞いたら

『そもそも僕が創ってない。使用したエネルギー分のこの世界のどこかにいるモンスターが創られる。ある程度の設定はできるけど、「創りたい!」と思って特定の何かを創れるわけじゃない』

なるほど。それで、とんでもない量のエネルギーを消費して、成長するモンスターを創ったらこうなった……というわけか。

『うん。ただ、まさかここまでのモンスターが創られるとは僕も思わなかった』

コアラにしても想定外なわけか。


それじゃあ次、

「……このまま計画に移るが、いいよな?」

カムイたちに尋ねると全員静かに「……はい」と返事をした。

……で、一応ヴァルキリーにも計画と役割を説明すると

「お任せください!」

と自信たっぷりと言った具合に返事をした。


さて、あとは……

「……名前はいるか?」

もともとは誰が誰かを見分けるために名前を付けるようにしてたのだが、よくよく考えれば、キョウとかスーカは一匹しかいないからすぐにわかるからなくてもぶっちゃけよかったなと思った。

……で、何でそんなことを聞いてるかって? 名前を私ごときがつけることに気が引けてるからだよ! 私、普通のダンジョンのラスボス。相手、半神。どっちの方が凄そうか百人に聞いたら全員後者に決まってるだろ!

「ヴァルキリーはヴァルキリーでいいか?」

と聞いたら頬を膨らまして、文句を言う。仕方がないので名前を考えるのだが……。どうしようか……

「半神…ヴァルキリー…。…神っぽい名前ってなんだろ…」

とブツブツ呟いていると

「普通の名前で大丈夫ですよ」

とやさしくフォローしてくれた。……いやまあ、ヴァルキリーはそれでよくてもさ、例えば「シロマル」なんて名前つけてみろよ。過激な奴らから「そんな名前を付けた罰当たりな奴は誰だ!」って私が殺されるんじゃないかな……

「……グローリアとかでどうだ?」

名前が「栄光」って安直すぎる気もするが、罰当たりじゃないしいいんじゃなかろうか。

「素晴らしい名前をありがとうございます」

本人も満足しているしまあいっか。

ダンジョン都市計画スタート!

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