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これ、あかんやつや…

新章開幕!

仲間が一気に増えます!

新しい仲間と共にリイアのダンジョン大改造が始まる…はず

 水の湧き出る音がする。私はその音で目が覚めた。

 私が起きると、すぐ近くにはテンが横になって座っていた。私が起きたことに気づくと、慌てて立ち上がり

「おはようございます。リイア様」

とかしこまって挨拶する。……?何があった?

記憶をたどるがダンジョンの意思と話した後の記憶がない。……ってそうだ!

「みんなは⁉」

「……順に説明いたします。まずはヒマリですが……」

そういってテンは小さな泉に近づく。遠くからだと分からなかったが、そこには一人の少女が寝かされていた。……何があった⁉

私が記憶がないことをテンに話すと。

「……やはりそうでしたか。一つずつ説明いたします」


 まず、ヒマリについてだが毒蛇に刺されたまま意識が回復しないらしい。かなり強力な毒らしく完璧に解毒できなかったとのこと。そしてこの泉は聖水の泉らしい。解毒などの効果がある聖水が湧き出るそうだ。そこで安静させることで毒の進行がほとんど停止しているようである。

「……こんなところあったか?」

「……ここはリイア様が作られた九階層ですよ。私たちは『九階層に聖水の泉を作るからそこでヒマリを安静にさせておけ』という命令に従ったのですよ」

そんなことを言った覚えはない。どうなってるんだ?

 ただ、今はそれを考えない。目の前のヒマリを見る。左の脇腹から侵食するように紫色の何かが広がりかけているヒマリはまだ戦い続けているのである。革命の時から今に至るまで。

「……ごめんね。私がもっと強ければこんなことにならなかった。本当はもう自由にしてよかったのに」

私はそっとヒマリの手を握る。その手は冷たくて弱弱しかった。握り返してもくれず、手を放すとその手は法則に従って落下する。

「治療できる人かモンスターを早く探さないといけないな」

「ダンジョン周辺を一部のものに調査してもらいましたがめぼしい収穫はございませんでした」

おや、そんなことをしていたのか。……てか、それって……

「……私は何日ぐらい寝ていた?」

「何日……ちょうど一週間ですね」

「寝すぎでしょ!何で起こさなかったの!」

「逆に起こすモンスターがどこにいるというのですか……」

私の八つ当たりに近い攻撃(ぼうろん)は至極まっとうな正論によってかき消された

~~~

 私が洞窟のようなところを出るとそこに広がっていたのは

「……岩山?」

「おそらくそうだと思います」

草や木はほとんどは得ておらず、わずかなコケっぽい植物が生えているところ以外は白いごつごつした岩肌がむき出しになっている。それと、私が寝ていたのは岩山の中をくりぬいたようにできた洞窟の中だったようである。

 随分と変わった地形だなと思いつつテンに乗っていると(テンに強制的に乗せられた)

「主の目覚めに気づいたようですね……」

私の前に上空からと崖の下から一匹のモンスターが現れる

「キマイラとグリフォンです」

おーい……ちょっと待ちな!八階層がオークで七階層が闘牛だろ……

「……ダメじゃね?」

「やっぱリイア様もそう思いますか?」

二匹の強さをちゃんと知らないから推測だらけだけど、あふれ出るオーラからして明らかにアウトである。脳内シミュレーションの結果、この二匹だけで八階に勝てますね。特にグリフォンがだめやね。オークが攻撃できん。

「我らはこの階層の守護者として創られました」

「この階層には我ら二人と数匹のヤギのモンスターだけです。強くはないのでここにはいませんが……」

よかった。さすがに一匹ずつか。こんなのが何体もいたら……。いや、考えないことにしよう。さて、とりあえず二人にも名前を付けるか。


 そしてグリフォンはスーカ、キマイラはランドと名付けた。ちなみにグリフォンは雌。ランドは雄。その後、私とテンは八階に向かおうとしたのだが

「……どこに行かれるのですかリイア様!」

スーカが上空から降りてきて私を引き留めるのである。なんで?

「いや、1~8階層の様子を見ようと思ったのだけど……」

「「我らもお供致します」」

君たちは九階の守護者じゃないんか? と聞くと

「……リイア様がラスボスになったからですよ。ラスボスがそんな下位層におられるときに冒険者が来ると役目を果たせない可能性があると危惧しているのですよ」(テン)

ああ、そういうことか。

「なら大丈夫。テンがいるし」

しかし、二匹はそう簡単には引き下がらなかった。……多分役目を与えないと一生終わらないな。

「……さすがに三匹は多いのと、誰かは聖水の泉を見張っていてほしい。大切な子がいるから。…ランドに頼めないか?」

ランドはしばらく肉食動物ライオンっぽい口をもごもごさせた後、

「……分かりました。主の命令には逆らいません」

と蛇の尻尾も下げてしょんぼりしていた。かわいそうなので次はお願いすると言ったら少し機嫌が直ったようである。


……私の護衛をすることってそんなにうれしいことなのか?


ということでスーカを連れて私たちは八階に向かう。

~~~

 そして八階に向かったのだが、

まーたなんか変な奴がいる……

復活したのか生きていたのか分からないオークを

監視するオークを

監視する……

「……九尾の狐か?」

「そうですね。私達とは別の種族です」

九尾の狐は私たちに気づくと大慌てで走り

「初めましてリイア様!妾は九尾の狐であり、この階層の監視を任されたものであります」

……

「……あかんでしょ」

「やっぱりイア様もそう思いますか?」

何で急にこんなにバケモンが増えとるねん! こいつもスーカ、ランドクラスじゃねえか!

「テン、先に聞いとくが他の階層もこんなことになってないだろうな」

「……」

テンは黙秘権を行使するのであった。


 とりあえず九尾の狐にはキョウと名付けた。それとオークの指導者にはピグと名付ける。私たちが七階層に行こうとするとやはりキョウが自分を連れて行ってほしいといったが

「さすがにこの階層の監視をお願いしたい。こっちで何かある方が怖い」

と言ったら意外とすんなり受け入れてくれた。

 どうでもいいかもしれないがキョウは結構かわいかっこいい。あのモフモフな九個の尻尾ごと抱きしめたい。……絶対に嫌がると思うけど。

~~~

私はもうどんな奴がいても驚かない強い意志を持って七階に来たのだが

「……変わってなくね?」

「……そうなんですよ。()()()()()普通なんですよ」

七階層は新しいモンスターがいたり、前までいたモンスターが強くなったりはしていなかった。

「肩透かしだな」

「意識した時に限って何もないんですよね……」

 ただ、一応各階層の代表者は一匹ずついてほしいから、闘牛モンスターで自由意志を持つモンスターにカールと名付け、臨時の代表者に任命した。

 しかし、八,九階層と比べると明らかに弱いのを私も本人も気にしていたのでもしかしたら変わるかもしれない。そして私たちは六階に向かう



今回一番だめそうなやつがいる六階に……

~~~

 階段を上がった先にまずそいつはいた。

「やはりリイア様の気配だ!」

少年が私たちに気づくと元気に駆けて近づいてくる。

「……天狗?」

「そうそう天狗。この六階層の陸地の部分を担当してるよ!」

……あれかなヒマリの男の子バージョンってところかな?明るいしいい子だな。

その恐ろしいエネルギーさえなければね。

「陸地を担当ってことは水辺の担当もいるのか?」

「そうそう。多分リイア様の気配に気づいてると思うからそのうち来るはず」


天狗に言われた通りしばらく前と変わってなさそうな池の方を見ていると突然池に渦潮が現れ、その中心から一匹のモンスターが現れる

「……はい?」

「……多分あの方が一番ダメです。ネッシーのモンスターです」

体長はおよそ六メートル。頭にはカジキのような角がある。全身水色で水と同化しているようにも見える。……なにこれ?

「私はこの階層の水辺の担当兼隠しボスです」

この子一匹で毒蛇以上じゃん。キョウとかランド、スーカも一匹で毒蛇クラスで『あかん』って言ってきたけど、比べ物にならねえ……

「……なんでこんなに強いのが次々に誕生してるん?」

「私に言われましても……」(テン)

「同じく」(スーカ)

「多分リイア様が原因だと思われます」

これって私が悪いのか?身に覚えがないんだけど……

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