表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/60

20話  やっべ忘れてた

短めです

「……リイア先生とクロマ先生!おかえりなさい!」

 ダンジョンに帰ってきて仲間をしばらく探しているとリキに出会う。本当は大きな声で「帰ったよ!」と叫びたいけどそういうわけにはいかず少しもどかしい。

「リキ!ただいま。みんなはどこにいるか知ってる?」

「フェニとちーちゃんは二階の洞窟の近くにいるよ。ヒョウリ様は四階で自分の仲間の訓練をしてるって」

「そうか。それじゃあアランは?」

「うーんアラン先生は最近見てないからわかんない。最近はコリンもいないし」

「そうか。なあリキ。二階に行ってフェニにヒョウリさんを呼ぶように言ってくれないか?ちーちゃんはいったん洞窟待機で。リキは終わったら入口の方に来てくれる?」

「オッケー」

リキはピョンピョンと飛びながら去っていった。さて私たちはいったんここから出るか。

 どうなっているのかわからないからな。

~~~

「リイア先生お帰り!」

約20分後フェニはものすごいスピードで飛んできた。……なんか速くなってない?

普通に二階から四階に降りて一階に上がってきたんだよな……。やっぱ速くね?

「フェニ。なんか速くなった?」

感覚派のフェニだから聞いても「そうなのか?」としか言わないと思っていたが、

「さっすが先生!やっぱりわかる?」

……⁉ どうしたんだフェニ! なんか悪いものでも食ったか?

「先生それはひどくね」

フェニがすねる。ごめんごめん。

久々の再開を楽しんでいるとヒョウリもやってきて

「リイア様、クロマ様。ご無事そうで何よりです。フェニから用件は聞きましたので、私が知っている限りお話いたします」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 重要そうな情報をまとめると

 デルは継承の儀をしにやってきてそこで私たちの死亡を知ったそう。「死亡」については半信半疑の様子だったらしい。

 継承の儀とは各階のボスが死亡した際に新たなボスを正式に任命する儀式のことである。権限はダンジョンのラスボス(デル)にあり任命する側される側の相互承認で成立する。

 ダンジョンの階層ボスに任命されると能力が少し強化される。ただし制約として自身がボスを務めている階層よりも下の階層に行くことはできない。また、階層ボスがその階層に存在する限りは下の階層に侵入者が進めなくなるようになる。階層ボスの使命が『侵入者をこの階層で追い返す』ことであるためそのような仕組みになる。

 ちなみにだが階層ボスは必ず設定しないといけないわけではない。ただ、階層ボスを設定しておけば侵入者たちは少なくとも階層ボスを倒さないといけないのでそれなりに消耗するという利点がある。

 ちなみに余談だがなぜ継承の儀がすぐに行われなかったのか尋ねると

「空いた六階のボスの任命に手間取ったからだそうです。ほんとかどうかは知りませんが嘘をつく理由もないと思うので事実でしょう。」

とのこと。

 それはさておき、二階のボスは新たに創られたゴブリンのボス。一階のボスはいない。「正直、無駄だしめんどくさい」からだそう。

「ところでアランはどこにいるか知ってるか?」

「アランさんは四階への階段の場所で待機し続けておくそうです」

ありゃりゃ今回は新たな仲間も増えてるから来てほしかったんだけど……まあ後でいいか。

「実はさ。協力者を四名新たに手に入れたんだよ。連れてくるね」

そして私はダンジョンの外に待機していた四人を連れてきた。

~~~

「初めまして!僕はリキ!」

「おれはフェニ!」

「私はヒョウリです」

「俺はカムイ」

「私はりんです」

「……ヒマリ」

「ライヤだ。よろしく頼む」

七人はすぐに打ち解けあって楽しそうに会話する。とりあえず私たちはちーちゃんが待っている二階に向かおうとしたのだが


ここで初めて欠陥に気づいた


スライムのモンスターがカムイを襲ったのである。

「ちょっと!」

私が慌ててスライムを止めようとするが、必死になって襲おうとする。何度も「敵じゃない」と説明するが無駄であった。

「どうかしたのか?」

特に傷を負わなかったカムイが不思議そうに聞く。分からない。どうして……


「……わかった。自由意志を待たないモンスターの使命は『侵入者の排除』。多分カムイたちが侵入者認定されている」

あったな! そんな設定! 身内とずっと暮らしていたから忘れてた。

どうしよ……この子をとりあえず殺すか? いや、そんなことをしても無駄だ。また復活する。

「誰だよ!こんなクソみたいな設定にしたやつ!」と思い嘆いていると

「攻撃しちゃラメ!」(リキ)

リキがそういうとスライムのモンスターは攻撃をやめる。

「先生!実は僕たち先生たちがいない間にフェニとちーちゃんとリョウさんの四人で訓練してねー。同時に八体に命令できるようになったんだー」

そうか!その手があったか。……てか数が急に伸びたな。何かコツでもつかんだのだろうか。

「俺も全員に攻撃しないよう命令しとこうか?」

「お願い……って今『全員』って言った?」

「やべ!あとで自慢しようと思ったのに。……まあいいか。俺も実はな訓練して、ちょうど今日全員に命令できるようになったんだぜ!」

この子たちの成長スピードが恐ろしいよ。いつかとんでもないことになりそうで。……ということはちーちゃんも成長してるんだろうな。あの子もとから強かったからな。会うのちょっと怖いな……

~~~

 そして二階の洞窟につくと

「リイア先生!クロマ様!おかえりなさいませ!」

と洞窟の中から勢いよく跳び出てくるちーちゃん。……かわ

「……ちーちゃん。なんか変わってない?」(クロマ)

たしかに少し大きくなってるし、羽もより黒くなってない?

「そうなんですよ!私、進化しまして『強化種』になったんですよ!」

(強化種…その個体のなかで強くなることで変異した個体。通常個体五体分に相当する力を持つ)

ちーちゃん今なって言った?

 私は戸惑ったが、クロマはすんなりと受け入れちーちゃんの頭をなでながら褒める。

「さすがは私のちーちゃん!」

「クロマ様に従えるものとして当然のことです!」

と言い上機嫌に飛び回る。リキとフェニの様子を見てだいぶハードルを上げたんだけどこの子は見事に飛び越えよった……


この子は本当に戦力になると私は確信した。

すまんリイア by作者


補足説明

ダンジョンボスが下の階層に行けないなら、3話はどうやってるの?と思う方がいるかと思われます

方法としてはボスの変更はラスボスは簡単にできます。ですので、デルが最下層に召集する間は別のモンスターに代行してもらえば下の階層に行くことができます。

ものすごく手間がかかりますが…

ちなみに「特殊ボス」は正式なボスではないため自由に行き来できます。その代わりボスになることの強化もありません

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ