授業中、おばけのように伏せていた女子が絶世の美女だった
来ていただきありがとうございます。
このままさいごまで読んでいただけると幸いです。たぶん一、二分で読み終わるかと思います。
「ぷははっ!今日もおばけヘアーやってんなぁ!」
「あははっ!」
うるさい。私はゆっくりと寝ているのに今日もこいつらに眠りを妨げられる。これで何回目かな?この恨みは忘れん!と、思いつつも行動に映すのは面倒くさいため無視する。そこまで精神が図太くはないため、寝るのは流石に無理だが。
「おいきいてんのかおばけー」
「こいつおばけだから喋っても聞こえねぇんだよ」
化けて出てやろうか?いや、こんなことを毎回考えていたら埒が明かない。適当に聞き流すとするか。
私は、三沢 璃菜は、授業中にも寝ている、しかも髪の毛が長すぎて顔が見えないという誰が見ても確かにおばけだと思うような感じを出していた。しかし、授業なんぞ聞いていたところであまり意味はないと思っているためこうしている。
素顔が見えると、みんな急に手のひらを返すだろうという確信いだきつつも。私の容姿は誰がどう見たって絶世の美女というのだろう。長いサラサラの黒髪に紫色の瞳。今はおばけだが。
実は私、転生者なのである。前世は地球ではなくここでいう異世界に住んでいた。それなりに強い魔法使いであったから、このサラサラの髪だって保つのは簡単だったし、この美容で保ち続けるのは簡単だった。
さっきから鬱陶しく私に付き纏う奴らは学校一のイケメンとか言われている(大したことない)やつと、そいつと付き合ってる学校一可愛い(美人とは言われてない)やつとその取り巻きたち。
「なぁ、聞いてんのか!?」
いつものことだろう?なぜ今日はそんなに苛ついてるんだ。喋るわけなかろう。
「おらっ!」
「・・・あ」
机が倒れる。そして、その鈴とした鈴のような声に、音に見惚れる。
「うんしょ、何やるの、気持ちよく寝ていたのに、毎日毎日」
机を直しつつ、そして口調に気をつけつつ喋る。って、私の声聞こえてるのか?
「あの、聞こえてますか?」
さっきまでおばけだった私が一変したか?想像って、役に立たないよね。そしてようやく、ぽーっとしていた二人がまず先に我に返った。
「お、お前・・・?」
「え、どういう・・・」
私が、美人とかそういうのに驚いたのではない。少し、話すこと盛りだくさんになってしまったが私はyoutuberとしても活躍しているのだ。今やチャンネル登録者数は百万人を超えている。たしかに顔だけじゃそんなにはいかないとは思う。世界一美人だと私は思うが。
私は、YouTubeで魔法を披露している。すでに解析マンたちも本当と認めているわけだし、そりゃチャンネル登録者も増えるわな。
「あなたはもしかして・・・【るりちゃん】?」
私のチャンネル名は【るりちゃんねる】。略して【るりちゃん】なのだ。YouTubeの中ではるりちゃんという名で活躍している。
てか、声も一致してるでしょう?
「そう、だけど、あなたたちのせいでバレちゃった。これからは面倒くさい毎日を送るでしょう。(眠りを妨げたのだけは)絶対に許さないから」
あ、まわりも復帰してるみたい。私がるりちゃんねるのるりであることは一目瞭然。さささっと離れていく。取り巻きたちにとってはこんな学校というちっぽけな範囲の中での一番よりも世界を取り巻くもの、どちらを選ぶかなど火を見るよりも明らかなのだろう。
「はいは〜い、みなさん帰ってくださいね。今日は会議があるので」
「だって。もう帰る私」
噂なんてすぐ広まる。今日は睡眠を堪能しておこう。これで最後かもしれないのだから。
瑠夏は知らない。これから待ち受ける面倒なことに。
「アイドル?嫌です」
「魔法?教えるわけないじゃないですか」
「国があなたに招集をかけていま──」
「嫌ですさようなら」
「お前を倒しに来た!転生者は一人だけで──ぶへ」
「なんなの、もう。あの時から私の人生狂ったわふざけんな」
さて、瑠夏は乗り越えることができるのか。とはいえ、無双状態だが。
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