表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

7話 雪の都、

瑠奈(るな)禍津日(まがつひ)の二人は電車に揺られている。その間二人は一切会話することなく、お互い下を向いたり上を向いたりとキョロキョロしていた。

暫くしてアナウンスが入る。相変わらず瑠奈には聞き取ることの出来ない言葉であり、日本語を知らない外国人が無理やり日本語で喋っているように感じた。

だが禍津日は聞き取れたようで瑠奈の腕をクイクイっと引きながら降りるように促す。

瑠奈もその合図に従い下車する。

降りた駅はそれまで見たどの駅よりも豪華絢爛であり、和の趣を感じる駅舎には金箔のような物がチラチラとまるで雪のように降っている。

駅舎を出てまず目に飛び込んできたのは、雪が積もった京都のような街並み。前の世界とは異なり街を歩いている人間も大勢いる。もっとも人間の頭があるところにそれはなく、代わりにまるで花束のように様々な花が咲き乱れている。

瑠奈が降り積もる雪に少しばかり驚いているとそれまで押し黙っていた禍津日が口を開く。


「瑠奈よ、ここが次の世界じゃ、この世界はどこにポータルがあるのか妾にも分からぬ。じゃが近づけばそこがポータルであると分かるはずじゃ、ゆくぞ」


つづけて禍津日はどの方角から探すかと瑠奈に聞く。

瑠奈は雪だるまを作っていた手をとめ適当に「北でいいんじゃない」と返事をする。今の瑠奈にとって今後のことよりも目の前の雪の方が興味深い、元の世界にいた時は都市部に住んでおりこんなにも積もった雪を見た事はない、なので禍津日の話もサラッと聞き流しつつ雪遊びをする。そんな瑠奈の襟元を掴み有無を言わさず禍津日が引っ張っていく。


傍から見れば異様な光景であるはずだがこの世界の住人達は気にした様子はない。顔が花に置き換わっている為目が見えないのかと思ったが、禍津日とぶつかりそうになると直角に動き回避している。まるで昔のゲームのようにマス目を移動しているような感じだ。

流石に長期間雪の上を引っ張られては風邪をひいてしまうので禍津日に謝罪し、ようやく解放してもらう事ができた。

ちゃんと歩いて初めて気づいたが雪がこんなに積もっているのに歩くのに苦労しない、この世界の住人が着物を着ていても真っ直ぐ進むことが出来るのもこの雪の不思議な特性のせいだろう。

その後二人は西へ向かって進んでいくが禍津日がポータルの気配を発見することは出来なかった。

しかし変わりに遠くに巨大な門がある事を確認できた。

二人で話しあいひとまずその門まで行ってみることにする。時刻は午後三時をすぎたあたり、まだまだ時間はある。

読んでくれてありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ