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除夜のカウントダウン

作者: すみ いちろ

濡れたまま乾いてない右袖のインナーシャツ


仕方ないから昨日脱いだままの抜け殻を着る


しわくちゃのカッターシャツアイロンさえあてずに


飲み過ぎだ頭抱えて出勤


おはようさえ言えずに


大好きな君はキラキラとしていて


タイトなスーツ


ボディライン


朝の光より眩しいよ


僕がまだ会社やめずに残れるわけ


キチクナ残業にも耐えれるわけ


眩しい君の長い髪


ふわりと流れる良い匂い


寂しい自分のことを慰めて肯定してくれる今の存在理由


君から受け取った書類ならたちどころに


何万倍もの光より追い抜いた高速ワープ


疲れきったこの身体にムチ打ってでも処理する


僕の存在理由


この世界に生まれて来たのがなんなのかって


そりゃあ、君と出会うためって意味に決まってる


それしか無いから──


守らナイト──って、夜。


一昨日のクリスマスパーティーは、


会社の同僚たちとバカ騒ぎ


君もいてくれて──


ほんと、良かった。


酔いすぎて、一回トイレ行ってリバースしたのは、内緒だけど


2023年が来る


明日からは、会社も年末年始で休み


長期休暇──


仲間たちと行く年越しの初詣が、待ち遠しくて


今から妄想──って、何着てく?


プランとかって、無くても良いのかなって、


幹事のアイツに、いつも任せて──悪ぃ……。また、おごるから……


星空の夜


二人きりになれるように画策


仲の良い同僚たちとも、


それぞれにお目当てのと、二人きりになれるように画策


今日は、ヤローだけの作戦会議。


2023年は、全員生存目指す


誰しもが、ハッピーナイトになれる夜に目指す


俺たちの計画。


まだ見ない夜に。


クリスマスナイト、果たせなかった想い


女々しくても、男らしく


俺たちひとつ


2023年は、みんな幸せになって、祝おうな


約束の闇鍋はグツグツと


煮え切ってグツグツ


決意固めた想い──


俺たちひとつ


あのたちへと飛び込む


2023年の迎春にダイブ


タイムリミットまでに決める逡巡


告白は、年越しの初詣の神社の境内で祈る


おみくじも、屋台も、好きなモノ食べ歩き


ゴチって、フォーユー for you……を君に


捧げるニューイヤー


君との初めての恋


捧げる生涯は


マジで決める新たなる荒ぶる想い


落ち着けよ恋


言葉開いた君に口唇に


暗闇の炎


石段灯籠


刹那の逡巡──神様……。


どうか、幸せにしますから、


大好きなあの


守らせてください。


ずっと、そばに──


流星かける夜空


願いは、空に


年越しの夜


2023年からの願い叶えて


君と出会う恋


空の彼方へ──


意識が飛ぶ


目覚めた世界で


君と二人で


白い息吐いて


数える除夜のカウントダウン













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