【謝罪会見Vtuber】寝落ちしてすんませんでした【嬉しい告知もあるよ】
『シチュボから逃げるな』
『ストゼロ企画倒れネキおっす』
『ばぶすやぁ待機』
「拝啓ストゼロがおいしい季節になっておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか」
『今回は手紙かぁ』
『時候の挨拶にストゼロを組み込むストゼロばぶちゃんの鏡』
『ストゼロが美味しい季節 is いつ……?』
『そりゃ年中でしょ』
「平素より大変お世話になっております。飲酒系ストゼロ哺乳瓶Vtuberの羽生みくまです」
わたしは、少しだけ緊張しながら話し始める。なにせ配信内の記憶は途中からすっぽりと抜け落ちてしまっており、アーカイブで確認すると寝落ちてしまっていたのだ。
いざと言う時のために絵師のノロリママにアカウントの権限を付与しておいたため、初配信時の大事故になならなかった。
仕事に作業にと立て込んでいて疲れていたとはいえ、配信を楽しみにしてくださってた方には申し訳ないことをしてしまった。
「このたびは寝落ちしてしまい大変申し訳ありませんでした」
『ええんやで』
『珍しく真面目』
『まだ気を緩めるな!こいつは謝罪会見で酒を飲み始める奴だぞ!』
「優しい言葉と叱咤激励ありがとうございます。この度は完全に私の落ち度でございます」
私は一旦声を切って、視聴者の注目を集める
「そこで、お詫びをご用意致しました。お気に召されるどうかわかりませんが、どうぞ最後までご覧いただければ幸いです」
『お詫びまで準備してくるのは草』
『謝罪会見も手慣れてきたな』
『短期間で謝罪会見開きすぎや』
『完全に持ちネタと化してる』
「まずは概要欄にも貼ってありますWEBサイトをご覧下さい」
『販売サイト?』
『見たことないサイトだな』
『え!ボイス販売するの!?』
「こちらは羽生みくまが企画を頓挫してしまったシチュエーションボイスの新録と高音質に録りなおした12月を巡る飲酒シチュエーションボイス集。薄衣ノロリ先生書き下ろし羽生みくま限定イラストデータの販売ページとなっております」
『???????WEB自作!?』
『行動力の化身かよ』
『そういえば酔った勢いでVtuberになっちゃった人でしたね……』
『え!?もうグッズ販売すんの!?採算取れる?』
『ボイス買うよ』
「WEBページは自前で用意致しました。決済システムに関しては有名販売サイトと同じ外注のシステムを利用しておりますのでご安心ください」
『謎の技術力』
『なんかよくわからんけど買えるならヨシ!』
『ガワだけ別でシステムパクったって話?』
『コードに著作権ないからヨシ!』
「なお薄衣ノロリ先生による羽生みくまイラストを使用したグッズと過去に薄衣ノロリ先生が頒布された同人誌やイラスト集も販売予定です」
『マジ!?』
『ありがてえ!ありがてえ!』
『薄衣ノロリ:同人誌の在庫いっぱいあるよ……買ってね……』
『あっ』
『値段に釣られていっぱい刷っちゃったんだね……わかるよ……』
「既存のサイトは手数料取られるがアホらしいので自作しました。初期投資分は意地でも回収したいのでボイスも買ってくーださいっ!」
『薄衣ノロリ:同人本もお願いしまーす!」
『ほんと仲良いママと娘よな』
『ストゼロ哺乳瓶をやらかしたVtuberが技術部だった件について』
「そこまで大層なことでは無いです。ほんとに今の仕事辞めたくて、でも再就職できるアテもないので足掻いてます。このさまを酒の肴にしてください」
『がんばれ』
『どんだけ仕事辞めたいんだよ』
『ストゼロネキ本人が薄給とパワハラが酷いとは言ってたかな』
『働きたくないでござる……働きたくないでござる……』
「というわけで、末筆になりますがお酒のお時間です!」
『待ってた』
『珍しく最後まで真面目と思ったのにこれだよ』
『今日もストゼロ?』
「今日は飲酒シチュエーション企画で残った瓶ものを呑んでいきます。でも、まあ、サイト開設祝杯代わりに一杯目はストゼロ哺乳瓶にします。」
『まーたちゃんぽんだよ』
『ストゼロ哺乳瓶きちゃー!』
『なんだかんだストゼロ哺乳瓶初配信ぶりでは?』
「配信内ではそうかもしれませんが、寝酒に呑んでたりするので久しぶりな感覚はあまりないですね」
『寝酒にストゼロ哺乳瓶は草』
『背中トントンしなきゃ』
『お前のおかげで哺乳瓶買ったぞ』
「みなさん乾杯の準備はいいですか?」
『いいぞ!』
『告知してればシャンパン買ってきたのに』
『はよはよ!』
「それでは、WEB開設を祝して乾杯!」
『かんぱい!』
『とりあえずおめ!V軌道に乗って仕事辞めれるといいな!』
『おめでとー!ストゼロ哺乳瓶でばぶーかんぱーい!』
このあと個人販売サイトということでVブログから取り上げられ、アフィリエイトで早々に初期費用を回収できたのはここだけの話。
なお、仕事を辞められるほどではなかったと記しておく。
敬具
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皆さんの応援のおかげて十話まで続きました。いつか書籍化、アニメ化して自分で声をあてたいです。大それた夢ですが