誕生日パーティで!
ー1週間後ー
「遂に来たわね。このh「お嬢様。早速始めます」
いや、うん。まだ10歳なんだけど。ここまでする必要ある?ってくらいがんばりました。みんなが。
お花のお風呂、香油、マッサージ、保湿、着替え、メイクなどなど自分では何もしてないのに疲れる。
「お嬢っ…いや、お姫様。行きましょうか。」
「お姫様はやめてっ…//////」
中身は成人済みなんだから、照れるでしょ!
まぁでも本当にモブ令嬢なの?ってくらい顔立ちがいいから。
前世とは比べものにならないくらい美少女だもん。
カルルのエスコートで中庭へ向かうと、同い年くらいの子達が沢山。
「うわぁ!」
みんな可愛い!
私の容姿もそうだけれど、この国の人たちはみんな瞳や髪の色が様々。
そして物語の世界だからなのかみんな整った顔立ちをしている。
「皆さま、今日は娘の為にお集まりいただきありがとうございます。娘にとってはこれが初めてのパーティーなのでどうぞ仲良くしてあげて下さいませ。」
とママがにっこりと微笑む。
我が母ながら本当に美しい。男の子達顔が赤い子がチラホラいるじゃない。
「ティア、ご挨拶を。」
「皆さま、本日はお越しいただきありがとうございます。ティアリス=フォン=ルイワールと申します。」
パチパチと拍手が送られる。
うぅ〜照れるな〜////////
あんまり目立つの好きじゃないや〜。
挨拶が終わるとみんなチラホラとバラけだした。
そうよね。私はこれが初めてだけど、この子達は貴族の家の子。みんな交流はあるってわけね。
いくつかのグループに分かれてるわ。
「お嬢。人間観察してる場合じゃないですよ。あなた今日の主役なんだから。」
おっと。いけないいけない。つい癖で。
「カルルはなんでもお見通しよね!」
「何年一緒にいると思ってるんです?」
えっへん!とでも言うようなドヤ顔。
ふふっ。なんだか和むわ。
初めてのことだから少し緊張してたのに。カルルのおかげですっかりいつも通りだ。
「「あの〜…」」
すっかり2人の世界だった私たち。
気づくと周りに人が集まっていた。みんな挨拶に来てくれたみたい。
「こんにちは!今日は来てくれてありがとうございます!皆様のお名前を教えてくださる?」
「はっはい!私、シャマル伯爵家が娘リリアン=シャマルと申します!」
最初に挨拶してくれたのはオレンジ色の髪に黄色の瞳。
ちょっぴり天然そうな癒し系の女の子。
"リリアン=シャマル"
ん〜どこかで聞いたような…?
「私は、ノイガー侯爵家長女のミラ=トリス=ノイガーと申します。以後お見知り置きを。」
次に挨拶をしてくれたのは
銀色のサラサラストレートに綺麗な碧眼。
すごく落ち着いた雰囲気の子
んん?こちらもどこかで…
「ヴィンセント伯爵家三男のグラン=ドル=ヴィンセントです。お目にかかれて光栄です。」
こちらは黒髪に赤い瞳。
ちょっと裏表のありそうな男の子。
「タナー伯爵家のレオンハルト=タナーです。よろしくお願いします〜。」
茶色の髪に紫の瞳。のんびりした男の子。
「ノイヴァン公爵家。アダム=フィル=ノイヴァン。」
金色がかった茶髪に私と同じペリドットのような瞳。
この子、私がみんなへ挨拶をした時からずっと私のことを見ていた子だわ。
なんでだろう?それにこの瞳の色、他の子息女達の中にはいないのよね。
「あの…ずっと見てましたよね?さっきから。一体なぜですか?私たちの瞳の色が似てるから?」
ザワッ
え?なに?一気にあたりがザワついた。
「お前…知らないのか?」
「え?知らないって「王太子殿下だ!」
へ?
振り返るとそこにいたのは
金髪にエメラルドのような緑の瞳。
誰よりも整っている顔。
ードクンッー
「フェディック…」
あぁ、やっとこの世界がなんの小説かわかった。
"聖なる乙女は奇跡の花を咲かせます"
それがこの世界のタイトル。
元いた世界では乙花や乙咲なんて呼ばれていた。
まさか、あのゴリゴリの王道逆ハー小説に転生させられるなんて。神様ってセンス無い。
あ、なんで世界各地を旅してた私が知ってるか?
お母さんが好きだったのよ。こういう恋愛もの。
一つのところに長く留まらないから友達もいなかったし。ゲームやケータイも、年中電波の届かない所にいたら、必要ないし。楽しみがなくて、暇潰しで本はあらゆる国のどんなジャンルも読んでたな。懐かしい。
ていうか、この世界の"緑の瞳"それは王族の証。
そして緑に近い色を持つ私の家はつまり、王族の親戚に当たる。パパが私達より濃い色だからそういうことなのだろう。
神様、モブって言葉わかってる?
物語において重要では無い人物、通りすがる人々、つまりは背景。
王族の親戚とか、全然モブじゃ無いんですけどー。
一体どーなってるのよー!話がちがーう!