ネットの中ではお嬢様な、一般男性に起きた悲劇
読んで下さってありがとうございますわ。
はじめまして、私は月光狂華なんて仰々しい名前を、ネットでは名乗らせて頂いておりますわ。知らないなんて信じられませんわ。覚えて帰って下さいまし。
さてこの度、筆を取らせて頂いた理由は、私の書き口調について、自分自身困ってしまっているので、読者の皆様方から、知恵を借りようとした次第ですわ。
まずは、ですわ口調について自分の経緯を話しますわ。これは、私のリアルが実際にお嬢様だとかという訳では決してありませんわ。お金持ちなら真っ先に矯正しそうな独特な言い回しですもの、当然ですわね。
じゃあ何故使っているかと申し上げますと、理性を保つ為ですわ。私、少々……いやかなり感情的な人間でして、更に厄介な事には、おしゃべりなのですわ。その為に、他者を傷つける言動をしてしまい易いのですわ。
加えて、今はネットの時代ですわ。不特定多者と会話をかわすことも珍しくなくなってきましたの。皆様もご存知の通り、ネットでは、名も知らない人と、顔も合わせず話を進めてしまいますわね?そのせいで過剰に攻撃的になってしまったり、自分の知見が偏ったものだと忘れてしまう事、よくあることでしょう?
一般的に考えても、これ程までなら、感情的な私ならどうなってしまうのでしょうか?自身の感情を優先し過ぎる余り、他者を否定・拒絶することを是としてしまい、遂には人を人と認めぬ修羅と成り果てる、その様な結末もあり得ましたわ。
自分の事を、理性的な人間ではないと考えて、いつ感情に呑み込まれて不利益を起こすか分からないと不安を感じた私は、そこで考えましたわ。
「文末を意図的に不自然なものにすれば、文章を書くときに、自分の書き言葉について、考え直す時間が生まれて、結果として感情に流されない、より優美な文章が出来上がるのでは?」とね
考えたなら、後は行動に移すのみですわ。私は、レスバ・格ゲー等の、モラルが荒れやすい場面において、上品さを加える為に使われる「お嬢様言葉」に、目をつけましたわ。
自分の心の内の、ネズミが巣食う下水みたいな汚い側面を、お嬢様フィルターで綺麗にして、ネットにアウトプットするように努めましたわ。おかげさまで、私のネットモラルは誇れる程の物となり、それだけでなく、新たに難しい語彙を使うことで、知的にもユーモアにも、良い変化が起こりましたの。
しかし、問題も出てきましたわ。ある日、趣味で小説を書いてみようとWordを起動したときに、気付いてしまったのですわ。
一人称で物語を作ろうとすると、お嬢様が文末に混じってくるのですわ。作者個人で済むだけならともかく、語り部が男の時は、「俺」みたいな快活な印象や、「僕」みたいな純朴さを含んだ言葉で表現していきたいですのに。それを私の内なるお嬢様が、邪魔してくるのですわ。
また複数人で場面を回す時にも、今まで居なかった筈のお嬢様が、他キャラの会話中に割り込んできて、とても驚きましたわ。
描く物語をより良いものにするためには、お嬢様を一旦排除しなければいけませんわね。
この記事をお読みの皆様よろしければ、この哀れなる作者に、助け船を一つ出して下さりませんか。
自分でもアホらしいとは思ってますわ……