姉探し 2
なんかシスコンだと思い込んでたら実際はブラコンと打ってました。
修正しました。
教えてくださりありがとうございました。
目を開けるとクローズ様へのお土産を買った店の目の前でした。
手には丁寧に包装された箱がある。
…ほんとに戻ったんだ。
もしかしたらまた美形にぶつかってしまうかもと周囲をみまわす。
…銀髪の人はいない。
それに、前回私を殺した探し人男もいない。
もう帰っちゃったのかな?
なんかちょっと時間たってる気がするし。
切り替え大事ですよサーシャちゃん!!!
「よし、お姉ちゃん探しだ!!!」
大事に箱を持ちながら市場をふらふらする。
……特に無し!
泣いていいですか??
泣いていいよね?泣いたらお姉ちゃん駆けつけてくれるかな?????
じわ、と涙が滲む。
「逃げろー!!」
路地裏からゲラゲラと笑い声がする。
何事かと覗かせると目の前を少年たちが駆け抜けていった。
なにか白いものが転がっていたけれどここからじゃよく分からない。
近くに寄ってみると人でした。はい乙ー!!!!
えっ傷だらけだけど死んでないよね??息してる???
…取り敢えず私は落ち着いて息があるかどうかを確認した。
一応、息はしてるっぽい。
「おーい、目開けられるー?」
なんかこういう時って意識があるかどうかを確認するんだよね?知らないけど!
怪我をしてるみたいだから揺さぶらないようにする。
白い人…もとい少年は少し身動ぎをしてゆっくり目を覚ました。
わくわくしながら少年の瞳をうかがう。
……………白だ。
白は、戦争でなくなった白の国の人の瞳の色だ。
なるほどね。
珍しいというか殆ど存在していないとも言われている白の目。
しかし今までよく売られなかったなー。
美少年だし?希少価値の高い白の目だし?
ここ赤の国じゃ格好の餌じゃん。
情報大好きなこの国は珍しいものも好む。好奇心旺盛なんだろう。
見た感じだと奴隷の印もされてない。
私が1人で観察していると少年は立ち上がろうとする。
「動かないで。傷が痛むよ」
彼の怯えた目は昔の私とよく似ている。
虐げられていた私だ。
お姉ちゃんがくるまで黙って暴力を受けてきた。
でも、すぐお姉ちゃんは駆けつけてくれて。
私をぎゅっと抱き締めてくれたんだ。
私にはお姉ちゃんがいた。
…でも、彼には?
「私の家に行こう。私の家族になって」
少年は戸惑いながらも頷いてくれた。
昔、お姉ちゃんが言ってくれた言葉。
彼にも寄り添う誰かが必要だ。
きっとそれは私じゃなくていい。
直ぐに見つけるだろう。
心を許せる誰かを。
まずは瞳を隠さなくてはいけない。
急いで着ていた上着を頭にかける。
これなら周囲の目からは分からない……と思う!
あとは歩けるか…なんだけど。
「君、歩けるかな?」
私の手を借りずに少年は立ち上がった。
私は少年の手を取って歩く。
少年は私から手を離そうとしているが、そんなこと私がさせると思うか?
いや、させない!!!家に着くまでこのままだぞ!!!
オーホッホッホッ!!!!!
あっ、恥ずかしいので私、心の中では高笑いはするけど現実ではしない派です。
馬車に2人で乗り込んで私は気づいた。
滅茶苦茶重要な事に。
……お姉ちゃん探しすっかり忘れてる。
……………いやいや、お姉ちゃんは赤の国にいなかった。いいね?
きっとお姉ちゃんは他の国にいるんだ。
そう…そう…………そう…………………。




