姉探し
注意:死人が出ます
ふっふっふ………遂に来た!市場!
かなり命懸けで抜け出してきたけど上々なんじゃないんでしょうか!流石サーシャちゃん!
「アダム様ー!どこにいらっしゃるんですかー!!」
賑やかな市場で男の声が一際大きかった。
……探し人かぁ。お疲れ様です。
心の中で合掌しながら歩き回る。
「あ、これ綺麗」
雑貨屋で見つけたのはガラスの蝶だった。
見る角度を変えれば光の反射で色がわかる代物だ。
結構いいのみつけたんじゃない!?
「これください」と、店主に声をかけお金を払う。
……クローズ様にもなにか買おうかな………でも、こっそり渡さなきゃだなぁ。
そう思いながら歩いているとブローチを見つけた。
クローズ様の様な瞳の赤だ。
その赤は鳥籠の中にあり、捕らわれている赤をもっと近くで見たいと近寄った。
深い、でも強い赤。
店主はこの赤をルビーといった。宝石だと。
…綺麗な赤だ。きっとクローズ様も喜んでくれるだろう。
そう思って買ってしまった。ちゃんとプレゼント用のラッピングにしてもらって。
店主にはニヤニヤされてしまった。
とても恥ずかしかった。もう、顔から火が出そう!!!
しばらく恥ずかしさで悶えながら歩いていると誰かにぶつかってしまった。
「ご、ごめんねぇ!」
「ごめんなさいっ!」
ぶつかった相手は……美少女?美少年?性別はわからないけど美形でした!!!
おっ紫の瞳!紫の国の方ですか!ようこそ遥々赤の国にお越しくださいました!!
あなたも顔がいいですねー!!
相手は私の顔を見る度美しい顔を不快げに歪めた。
悲しい………でも、そんな表情もお似合いですね!!!
しかし相手はすぐさま顔色を変えた。
私の背後に何かがいると気づいた様子。
そんなに恐ろしい者がいるのかと私は振り返った。
「みましたね」
既に目と鼻先の距離までにナイフが迫っていた。
そして、暗転。
声でわかった。この人、人探し男やんけ。
何故だか赤い瞳がずっと私の中に残っていた。
「もう!君ってば死んじゃってるじゃん!」
目の前にはショタ神様。
「仕方が無いからやり直し!だよ?えーっと君が死ぬ前の場所まで巻き戻すから今度は死なないでよね!」
「目を閉じて!3!2!1!」
神様に言われるがまま目を閉じるとまた浮遊感。
さよなら天国(なのかな?)こんにちは現世。




