そういや………
…………はぅ。しんみりした気持ちになっちゃった
この後、どうしたんだっけ………?
「あれ、私死んだんじゃ…」
下は冷たい大理石の床だった。
さっきまで大量の血を流していたというのにその赤は見当たらない。
「やっほ~!おはようございまぁす!神様でーす☆さっきは最悪だったねぇ。ごめんねぇ。僕うっかりしてたよぉ……ちょっとした手違いで君は死んじゃったんだ。覚えてる?」
口を挟ませないような話し方。
………目の前の水色のショタ(自称神様)がしたの???
「う、うん…覚えてる、よ?」
「"覚えてます"でしょ」
神様の喜1色の瞳はすっかり冷えきっている。
思わず私の体は強ばってしまった。
こんな時、お姉ちゃんがいたら………いたら?
「まぁいいよ!今僕すっごい機嫌がいいからこれぐらいは許しちゃう♡」
あはっと可愛く笑った神様の瞳には先程までの凍えるほどの冷たさはない。
「それでね、僕のうっかりで死んじゃった君にサプライズプレゼントがありまーす!
なんとなんと!異世界転生させちゃいます!
しかも君は超重要ポジだから恋愛し放題ってわけ!
どうどう?凄いでしょ?最高でしょ?僕の力大盤振る舞いだよ!!」
満足そうに笑う神様なら、姉のことを知っているかもしれない。
そんな気がする。
「君、お姉さんの事ききたいんでしょー。そんな顔してる!
いいよいいよー!教えてあげる!」
「君のお姉さんはなんと!一足先に!転生してまーす!ドンドンパフパフー!!」
それと同時に大きなクラッカーが鳴らされる。
舞い上がっている神様はまたにっこりと笑った。
「…大丈夫。君はひとりじゃないよ」
…初めて見る笑い方だ。どこか悲しそうな笑い方。
そう思っていると、足元が浮遊感におそわれる。
「じゃあねー!!行ってらっしゃい!!」
下へ、下へと落ちていく私を見下ろした神様は私が目を閉じるまで大きく手を振っていた。
そーだよ。どうしてこんな大切なこと、忘れちゃったんだろう。




