街に訪れた噂
最近妙な噂話でネットの掲示板は持ちきりになっていた。なにやら街に吸血鬼が出たらしい。
一度そのような書き込みがあってからというもの「私も実は……」といった感じで続々体験談が書き込まれ、一時的なブームにもなっていた。
どうやら、襲われた人は首筋や肩に痛みを感じ、見てみると首筋や肩に犬歯で噛まれたような跡が残っているらしい。
「……お、新しい体験談の書き込みあるじゃん。なになに…ってまた襲われたってだけの被害報告か。」
日付を跨いでやっと今日の体験談が書き込まれたと思ったらいつも通りの噛まれた被害報告だった。
「ん~。『今日もやっぱり噛まれた奴が居たんだな。最近被害件数増えてきてないか?』っと」
書き込みに対してのコメントを打ったと同時に自分のスマホが通知音を鳴らした。
「ビビらせんなよな…あれ?ミホからじゃん。こんな時間まで起きてるのアイツからしたら珍しいな」
時刻はもう午前1時を回ろうとしていた時だった。
「なになに…『助けてナオ!><なんだか変な虫に刺されちゃったみたいなの!!』だと?虫くらいでいちいち連絡してくるなよ…」
返信がてらミホに電話してみる。
「……あ、もしm」
「ナオ!助けて!血が!血がぁ!」
「耳元で急に大きな声出さないでくれ…頭に響いて敵わん…。」
「ご…ごめん…私、動揺しちゃって…」
「大丈夫、気にしてないよ。それで?虫に刺されたってどこさ、足とか手とかそこら辺か?」
「ううん…首筋。痛みはないんだけど、血が出ててなんだか怖くて…さ」
「首筋…?もしかして犬とかに噛まれたような跡無い?」
「そうなの?ん~、自分じゃよく見えなくてわかんない…なんだかナオ詳しそうだし、明日学校の休み時間に見してあげるね。」
「ああ…」
「なんだかナオの声聞いてたら安心してきちゃった。そしたらなんだか…眠く…」
「ああ、夜ももう遅いしな。今日はもうゆっくり寝てくれ。」
「うん…そうする…ありがと…ナオ…」
「それじゃあな」
「……」
俺の応答にもう返事は聞こえなかった。その代わり、スー、スー、と小さな寝息で返事をしてきた。
「せめて寝るなら通話切れよな…」
通話を切った瞬間、ちょっとした不安が全身に襲いかかった。
なんにせよ明日になれば答えがわかることだ。もしかしたら本当に虫に刺されただけかもしれないじゃないか。そんな一抹な不安を抱えたまま、俺は静かに目を閉じた。
―――次の日の学校にミホの姿はなかった。
いつも書こう書こうと思っていましたがなかなか踏ん切りがつきませんでした。
ですが今回は思い切ってドン!と書いて投稿してみようと思ったわけです…ハイ
始めて書く自作小説で、稚拙で拙い文章構成ですが楽しんでもらえましたでしょうか?
ネタはそこそこまとまっておりますので、時間が空き次第続きにとりかかっていこうと思っています。
しかし、私事ですがたいへん飽きっぽい性格なので着手に時間がかかるかもしれません…