0 day ③
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「それで、俺が戦う相手はどんな奴だ。
怪物か?」
そんなありもしない存在を冗談交じりで聞いてみる。だが、
「安心しろ。お前が戦う相手は妖怪じみた怪物や非現実的な存在ではない。むしろ最も現実的な存在だ。」
思いつかない、どんな奴だ。言葉も出せぬまま考えていると、
「それは、
ーーーお前と同じ、人間だ。」
「なに?人間だと?」
「そう、人間だ。だが、ただ殴り合いだの醜い戦いをしろとは言わん。その人間達には一つずつ、神の武器、神器を譲渡する。」
「神器?なんだそれは。」
「神器、それは神の力を宿した武器のことだ。その形は多種多様、その力を使いこなし、互いに戦うこの試合。それが神器使いの戦いだ。」
「なるほど。そういうことか。ならさっさとよこせ。」
「驚かないのか。お前は。」
「今ごろ何を言っても驚かない。そんな覚悟はもう決まっているからな。」
「そうか。ならば何もいうまい。この神器を使い最後の一人になるまで戦え。、さすれば、お前の願いは叶う。」
男はそう告げ、街灯の奥、闇の中に消えていき、そこに残ったのは禍々しい形をした剣だけが残った。
彼はそれに手を伸ばす。
触れた瞬間に手のひらには刻印が書き込まれ、神器は形を変えた。
そして始まる。
人間が神になろうと、己が欲望を掲げ戦う、世界で最も醜く美しい戦争が今、幕を開ける。
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終
ありがとうございました