3 day ④
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「どうした?」
「うーうん。別になんでも。」
灯りをつけず少し肌寒い空間のベッドの上で2人は過ごしていた。
「なんだよ。」
「ただね。手が綺麗だなぁって。」
「そうか?」
彼女に腕を回し抱き抱えるようにしていた手を、彼女は大事そうに見つめる。
「うん。本当に綺麗。女の私でも少し嫉妬しちゃうくらい。」
「自分のことを褒められるってのは嫌な気はしないけど、まさか、手を褒められるなんてな。」
「ついでに目も素敵だよ。二重だしね。」
「そうかよ。それはありがとうございます。」
「もう、なにそれ。素っ気ないなぁ.....でも、ずーっとこの綺麗なままでいてよね。まっしろで丈夫なおっきな手で。」
「一応、気をつけるよ。俺の手が汚れることなんてあるわけないけど、もし汚れちまったら、どうする?」
「いいよ。別に。」
「なんだよそれ。」
予想外の返事で少し笑みをこぼしてしまったが、彼女はこう続けた。
「例えどんなにあなたの手が汚れても、それはあなたの手だもん。変わらない。だから、もし汚れても、私のことちゃんと愛してよね。」
「.....ああ。当然だ。」
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ーーーー 3 day ④ーーーーーー
身体に初めて傷を負った真也は断末魔のような叫びを上げ地面に倒れ込んだ。
「いい声で鳴くじゃねぇか。」
地に伏している真也を正面から天道は眉を細め睨んでいる。
「経験不足だな。迂闊してんのはおまえの方だったな。真也。」
言葉も発せず、ただ睨み見続けることしか、今の真也にはできなかった。
そして天道は優雅に歩きながら語り始める。
「おまえの神器の正体。俺は二つの仮説をもっていた。そのうちの一つが、ヒットした。」
歩みを止め、視線を真也に向け直し、続けた。
「おまえの神器の正体、それは、神器に蓄積されたダメージの放出。だろ。」
真也のまゆがかすかだが動いた。その僅かな変化を逃さなかった天道は追い討ちをかけるように。
「最初におまえがただ俺の剣撃を受け流し続けていたのは、ダメージ蓄積のため。そして二発目、これは俺が投げた小石分のダメージしか与えられなかったから、俺は大したダメージは負わなかった。そう考えたら合点はいく。それにおまえは一度としてそれを剣としちゃあ、扱ってないからな。」
横腹を抑えながら、真也は立ち上がる。視線は逸らさず、ただ一点に集中し。
「なんとか言えよ。答え合わせもさしてくねぇってか?」
全て知り尽くされている。自身が長く考えてたどり着いた結論に天道はあっさりと到達してしまった。
おそらく、これからこいつと戦ったところで、こちらに勝算はない。
真也は、この場からの逃走へと、切り替えていた。
(目の前には、橋。そして横には川か。何か....)
「立つことで精一杯じゃないのか。安心しろ。もう楽になれる。」
そう言うと、天道のもっていた神器が形を変え最初の状態の剣に戻っていた。
「経験不足が仇になったな。」
歩み寄ってくる天道に対し、動くことができず、ただ立ち尽くすことしかできない真也は、まるで蛙のように固まっていた。
「いい勝負だったぜ。」
そう言うと、天道は神器を振りかざし、そのまま真也の目の前に振り下ろす。
だが、その神器が真也に当たることはなく、天道の手元から離れてしまっていた。
お互いが目を見開き少しの時を過ごした後、同時に同じ方向へと目を向けた。
橋の上に立っていたのは、まるで今までそこにいたかのような佇まいで、銀色の鎧で全身を覆い、右手には刃のような光を放つ光体を携えてこちらに構えていた。
目は定かではないが、ただこちらをじっと見つめていた。
「動くな。動けば殺す。」
そう言うと、銀色の背後に、白く美しい巨大な翼を出現させた。
ーーーー 3 day ④ーーーーーー終




