3 day ②
ーーーー 3 day ②ーーーーーー
「お前、名前は?」
人通りが少なく街灯もない河川敷に移動し、開口一番がそれだった。
「これから殺しあうのに、名前が必要か?」
「あぁ、必要だ。なんせこれはただの喧嘩じゃないんだからな。言うなれば決闘。そうだろ?」
男の口は止まらず喋り続ける。
「そんな神聖な儀式だ。お互いのことは名前ぐらいで呼び合おうぜ。」
「.....くだらない....やるならさっさと...」
「俺は天堂剣。よろしくな。」
言葉を遮られた。強引な形で名前を名乗り、ペースを相手に持ってかれてしまった。
「深神真也。」
「へぇ。真也、ねぇ。」
不敵な笑みを浮かべながら見回す。
「あの夜、お前が神器使いと気づかなかった俺にも落ち度があるかもしれないが、お前を取り逃がしたこと、ここで清算させてもらうぜ。」
天堂の右手には、あの夜と同じ剣が収まっていた。
一歩。二歩。三歩と間合いを詰める。
「どうした?神器をだせよ。」
足を止め、わざわざ語りかけてくる。
「それとも、もう使ってるのか?」
「いちいち五月蝿いやつだな。いいからこいよ。」
逆に挑発で返す。すると、また天堂は歩み始める。
両手で剣を握りだすと足音は消え、真也の間合いまで一気に近づいていた。
「詰みだぜ?」
剣を振られる瞬間に真也は神器を手に宿し剣撃を払いのける。
一瞬真也の剣を凝視したが、すかさず次の一撃を加える。その追撃も真也は払いのける。
その後も二撃、三撃と続けて防ぐ。
最後の一振りをすると同時にお互いはまた距離をとる。
「..何が、詰みだって?」
「ちょっと手抜きすぎたかな。」
「認めろよ。今のでケリをつけるはずだったんだろ?」
二度目の挑発で神堂の目つきが変わる。
同時に周りの空気も淀んで行く。
(くるか?)
天堂が剣を構えると同時に真也も神器に力を込める。
神器を禍々しい黒が覆う。
あの時の攻撃の核心を得るための下準備は終えた。この一撃でこの予想が確信に変わる。もし外れればここで終わる。真也はこの一撃にかけていた。
闇を纏った神器は天堂に向られ、剣先は一点に絞られる。
天堂の足が動く。と同時に真也は剣を突き刺すように前方に伸ばす。
闇が一瞬で天堂の元に辿り着く。
闇が天童の中に染み込んで行く。
刹那。天堂は構えを崩し膝をつき、またこちらを睨む。
「なんだ....その攻撃は...?」
何が起こったか。まるで理解ができていない様子だった。ただ自身に起こった事実を受け止めながら、追い討ちに対する警戒をしながら真也に問いただす事しかできなかった。
攻撃が天堂に当たり、真也は頬を緩め声のない不敵な笑みを浮かべていた。
彼は賭けに勝った。
彼の予想が確信に変わった瞬間だった。
ーーーー 3 day ②ーーーーーー終
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