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魔眼の黙示録  作者: 細川女々男
神眼と隣国の王
7/10

罠と獣

爽やかな風の様な素朴な青年が俺の手を引いた。レインやヴァンさんとは違った雰囲気のある人だった。


「怪我はないですか?すいません私もよそ見していまして」

「大丈夫です。こっちこそすいません。人を探してるのでこれで失礼します」


俺は彼に一礼して先に行ってしまった姐さんを探そうと走りだそうとした。


「待って!それなら私のせいでもありますしご一緒します」

「本当ですかありがとう。俺はテンリです。よろしくお願いします」

「私はリンです。この国の民です。早速女の子探しましょうか」


こうして俺とリンはどこかへ行った姐さんを探し始めることにした。


「あ、特徴を聞いてもいいかな?」

「そうでしたまだ何にも言ってなかったですね。金髪の小さい女の子です。年齢はそれなりに言ってるはずです。」


ここに姐さんがいるなら小さくないとツッコミが入るところだろうが近くにいないのかそんなツッコミはとんどこなかった。


人を隠すなら森の中ってことわざがあるがまさにそれだ。全く見当たらない。


彼女に似たかわいい猫族なら多くいるが肝心の人が全くだ。


っておい。さっきから探すこと専門なってたけど俺任務途中じゃん。

本当にあの人使えねーな。今頃スーさんは集めてるんだろうな。


とりあえずリンから色々聞くことにするか。


「なぁーリン。この国って最近どうなんだ?戦争中なのに賑わいがあるしすごいなって」

すこし本題に剃りすぎてしまった。こんな聴きだすことは今までしてこなかった。


俺はいつしか友達を避けてたせいか友達の彼女情報や好きな人のことを探ることもしなかったから。


「そうだね。私も偉くはないしあくまでも一人の民として言わしてもらうと、なにやら準備をしているらしいよローズ様は」


初めて聞いた単語だった。この地区の王はローズと言うらしい。


「準備……?」

「そう準備!どこかとやっとドンパチするらしいよ」


俺はその瞬間狂気を覚えた。

どっちがそうさせたかはわからない。

ただ戦争を平然な顔で、爽やかな笑顔でいうリンに。

俺にとって戦争が遠い物だと思ってたからか。


「へぇーそうなんだ。ちょっとトイレに行く、話は後で頼むよ」


俺は近くのトイレのマークのある公共のトイレに駆け込んだ。


平然だ。もっと普通の顔でいろ。

でもこれがこの地区、人間の普通なのか?

俺は納得できなかった。


顔を洗い気を引き締めてまた彼の元に戻った。


「おい。」

どっからか声がした。

いつもいつもそうだが声の主がまた見つからない。


周りを見渡しても俺に話しかけている人はいなかった。

「下だ。影を見ろ」


すると俺の影から顔だけ出している男がいた。


「ひゃぁー!なんだお前」

「その声の方がなんだ?」

顔だけの男は右目付近に包帯を巻いて怪我をしているようだった。


「んなことはいい。任務はもういいからケイとあのバカ女を連れてここを出ろ。さもなければあい…」


「テンリどうかしたのか?どこ見て話してるの?」


どこからともなくリンが現れた。

影を見ると先ほどの包帯男は消えていたが何やら悪い奴らではなさそうだ。


「いや。ごめんちょっと頭が痛くてクラクラしてただけだ」


忠告はしたからな。


最後に一言だけ男は俺に残して言った。途中言いかけたことはわからないがとりあえず情報より姐さん探しを最優先にした方がよさそうだ。


「ならよかったよテンリ。次は私の家に来ないかい?」

「悪いがリン俺は早く連れを探したい。寄り道はできない」

「あ!いってなかったけ?その連れ私の家にいるよ。」

「本当かいくよ!」


なんだろうか。矛盾しかない言葉なのになぜか信じてしまう。

考えなしに答えてまるで彼の手のひらで踊る人形のようだ。


今思えば初めに会った時なぜ話してないのに連れが女って知ってた?

それになぜおれはこいつの戯言を信じる?


分からずおれはタダ歩くだけだった。


十五分ぐらい歩くと目の前には立派なお屋敷についていた。

「さぁー入ってよテンリ君。」

不気味に笑うも俺は成すすべなく従っていた。


俺は大きな机と椅子のある部屋まで歩いて彼の指示のもと椅子に座っていた。


「質問させてもらうね。全部本当のことを頼むよ?」

「はい。」

「じゃあまず君はどこから来たの?」

「えーっと。ニホンです。」

答えたくないのに自然に口を開いて全て答えてしまう。


「嘘はやめてくれって言ってるだろ?なら君の友達は何人かな?」

「えーっとゼロです」

答えたくない。すごく恥ずかしい。


「ふざけるな!!お前私の鍵の能力にハマってるはずだろ!」

彼が俺にすごく大きな声で怒鳴りつけた。


「ふざけてるのはてめーだよ!クソガキ。うちの子分返せや」

すると窓を突き破って俺の連れの見知った女がリンをにらんでいた。


「てめーはこいつの連れだな。お前は確かカーリがはめたはず。」


「悪い。こいつうちの思い通りにならないガン」

姐さんを追うように猫耳の女の子が屋敷に入ってきた。


「まぁいい。二人掛かりならこのチビも抑えれるだろ」


「私はな、仲間に小さいって言われるなら許せるがな、敵に小さいじゃなくてチビって言われるのが一番きらいなんだよ!」


姐さんの怒りの声が屋敷中に響き渡った。

俺はただなにもすることがなく椅子に座るだけでいっぱいだった。

「あららーうちら怒らせたわねあのチ・ビ」


「私は絶対てめーらを殺さない。そんで情報もらうぜ」

「私達に勝てるかな?」

リンは自分の鞘から剣を引き抜き構えた。


「うちに力を獣!一体化【エボル】」

するとカーリと名乗った女は毛深くなり黒い斑点ができチータみたいに変化した。


「かかってこいよ二人掛かりで!あと鍵被ってんだよ!」

「うちに守る力を牙狩!一体化【エボル】」

姐さん髪の毛がみるみる伸びていき、牙が生えて体も一回り大きくなっていった。


「さぁーて獣の王様がお仕置きしてやんよ!!」

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今日の鍵Wordー「牙狩」

テオランの鍵で能力はライオン化。能力自体は単純な身体能力強化だが、運動神経のいい彼女とは相性抜群。

鋭い牙と爪を使う。身体中に毛が生えるため打撃にも強く申し分のない能力だ。



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