第4話:撃退!
この物語は・・・なんやかんやで大丈夫です。
「アヤかっけ〜☆」
「やるぅ♪」
「たぬじぃありがとう。」
※ミッキーはキノピーをたぬじぃと呼びます。
「さすがだね〜」
キノピーは未だ煙を噴いている拳を天に突き上げた。
「・・・任せろ。」
ひゅるるるるるる〜
・・・なんか落ちてきた。
ひゅるるる〜
ん〜・・・
ひゅるる〜
あっテンパー・・・
「THE・N極とS極!!」
キノピーが叫んだ途端、拳からまた光が放たれた。
ガスッ!
「ぶはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
キノピーの拳の真上に落ちてきたテンパースはまるで磁石の
S極とN極のように反発しあった。
そして、テンパースは数メートル横に弾き飛ばした。
「キノピーの呪文にも意味ってあったんだね♪」
ハナそれ言っちゃダメ!!
「はにょろん♪」
ガスッ
「いやぁぁぁぁぁ!」
ほ〜ら・・・キノピーの首締めが始まった。
※はにょろん=ハナ
「なーアオイ−?」
「はいやぁ?」
リオがブーツのヒールで飛んできたテンパースの背中をグリグリしながら言った。
さすがS!!
「このキモいのんどーにかして。」
「あっ良い技あんでっ!」
そういえば、うちは戦闘始まってからツッコミしかしてないし、
いっちょかますか。
うちは消火器をテンパースに向けた。
「拘束!」
すると、消火器の先から蔓が伸びて転がってるテンパースを縛った。
「うぐっ」
「いっちょ上がり☆」
「ナイス!」
パンッ
うちとリオはハイタッチを交わした。
「おっサンキューかよちゃん」
「うちはアオイやけど、どういたしまして」
なんかツッコミがテキト−じゃね?・・・とか言ってないよね?
「ね〜これどうする?持って帰ってリンチる?」
ハナ・・・ヒールでツンツンしたらダメだよ・・・
「吊るし上げる?」
「逆さ吊る?」
「埋めよう」
どんどん過激に・・・どMのミッキーまでもが・・・
ピーピーピー
「あっエミ様や♪」
そういえば、エミ・・・エミ様(不本意)司令なんもくれへんかったな。
「通信になってる!みんな聞いてな♪」
そう言って、ハナはボタンを押した。
『みんな聞こえてる〜?エミ様やで〜』
エミ様軽っ!
『みんな戦闘お疲れ様!ちゃんと技使いこなせてて、エミ様とっても愉快です』
聞いてね〜よ。
『特にキノピーすごかった♪エミ様、爆笑してました』
指令出せよ!
『アオイは若干かっこつけすぎてたね。エミ様、激しく不愉快でした。』
すいませんね!つか感想いいから!
「エミ様、感想激しくウザいので、本題に入ってください。」
ハナ、それ言っちゃダメ!
『ごめんなさい。』
普通に謝ったーーー!!!!
『それじゃあ本題に入るね。まずそのテンパース。』
ウチらは、リオの足の下でくたばってるテンパースを見た。
『そいつが持っている、変態石を奪って』
変態石!?
「こいつ持ってんの!?」
エミ様は頷いた。
『欠片だけどね。それを持ってるからこっちの世界に来れるんだ』
「じゃあ、奪えば帰ってくれるんだね♪」
『そう。ソイツはXの中でも下っぱだから、欠片しか持たせてもらえないみたいよ。
テミクチャで奪ったものだと思う。』
「やっ止めてくれぇぇぇ!!」
突然テンパースが叫んだ。
思わず振り返ると、リオがテンパースのポケットやらを弄っていた。
「どこにあんだよ、吐け!」
どこの刑事やねん。
「言えないな!」
テンパースが叫んだ途端だった。
「哀れみの弾丸」
ズガがガがガがガが!!
「ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
リオのマシンガンの銃口とテンパースとの距離はもはや1メートルくらいだった。
「・・・吐け」
「ベスト・・・ぐはっ・・・」
とうとう吐血してしまいました。哀れテンパース。
リオはおもむろにテンパースのベストをひっぺがした。
「あった!」
リオはベストの裏についていた石を天に掲げた。
「これやろ!?」
リオは画面に浮かぶエミ様に言った。
『おめでとう』
「おっしゃーーーーー!!」
リオが雄叫んでいる間に、テンパースは消えていった。
★ ☆ ★
「疲れたーーー!!」
部屋に入った途端、ハナが叫んだ。
「久しぶりに頑張った」
ミッキー走ってる時、いなくなったもんね・・・
ガチャ
「おかえり」
別室からエミ様が出てきた。
「ただいまー!」
リオがエミ様に抱きついた。
「めっちゃ疲れてんけど」
うちはエミ様にぼやいた。
「うん。めっちゃ頑張ってたもんなぁ」
エミ様はリオの頭を撫でながら言った。
「変態石もとり返せたし」
「あっ」
エミ様はリオを離した。
「ちょっと集合!」
エミ様はじゃれあってるハナ・ミッキー・キノピーを呼んだ。
「どした?」
「リオ」
エミ様はリオに手のひらを向けた。
リオは促されるまま、変態石を渡した。
「ちょっと見ててね。」
エミ様は、リオの目の前に石を持っていった。
「何色?」
「・・・紫」
「そう。だからこれは、ヴァイオレットの石なの」
「?」
みんな、頭の上に“?”を作った。
「リオ、これをそのブローチに当ててみて」
リオはその欠片を受け取り、言われた通りに当てた。
ぱぁぁぁ・・・
すると、リオのブローチが発光した。
「あっ」
リオが声を上げた。
「合体した」
確かに、欠片とブローチが合体していた。
「うん。これは、増力したの。」
「増・・・力?」
「そう。こうやって、欠片を集めると持ち主のレべルが上がるの」
う〜ん・・・なんとなく分かるような・・・
「まぁ、きっと分かるよ♪」
だと良いけど・・・
「さぁ、さっさと変身解除して!」
「どうやんの?」
「さっき流したでしょ!」
エミ様がホッペを膨らました。
「あぁ!」
うちはブレスレットを二回ぶつかり合わせて、
「解除!」
と叫んだ。
同じくみんなも似たような事をしている。
ぱぁぁ・・・
「元に戻った〜」
なんだか久しぶりの私服に、ウチは安堵した。
「さぁ今日は疲れただろうし、早く帰りな。」
「「はい!」」
ウチ等は部屋を出ようとした。
「あっアオイ!」
突然、エミに呼び止められた。
「ん?」
「これ・・・」
エミが差し出したのは、
「ゲーム−!」
うちのゲーム機だった。
しかも、見事に直っている。そういえば、窓ガラスも時計も・・・
「直しといた」
エミは照れくさそうに笑った。
「すげー!!ありがとう!!」
ウチは本気で感謝した。
「うん。じゃあね!」
「ホントありがと!バイバイ!!」
ウチはエミに手を振って別れた。
外はすでに暗くなっていて、月さえ浮かんでいた。
「へ〜いわだ〜〜♪」
ウチはスキップしながら家路を歩いた。
・・・・こうして、クレイジー5の初戦乱が終わった。
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