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「ふぅ……ぅ、あ……っ」
「はは。かわいい、冬華」
キスの合間に陵さんの手が平べったい胸のあたりを行き来する。くすぐったくって、身をよじるが逃げられそうにはない。
「……俺に愛されて、冬華」
その声を聴いて、僕の意識は反転した。
翌朝、目が覚めると僕は身動きがとれなくなっていた。いや、昨日の夜から身動きがとれなくなっていたし、しかも何も覚えていないんだけど、昨日何してたのかな?まぁ、そんなことより。と、目の前にあるものに縋り付く。まだ春先で朝は寒くて、目の前のものに縋りたかった。あったかいなーと思っていると、くすりと頭上で笑う声が。
「……?」
顔を上にあげれば、ちゅっとキスを落とされる。ふふ、とくすぐったくって笑うと今度は髪を梳かれる。だれか、いる……?
「おはよう、冬華」
その言葉で、完全に目が覚めた。びっくりして顔を思いっきり上に向けると、そこには笑ってる陵さんの姿が。というか、なんでこの人上半身裸なんだ?
「その様子だと、覚えてないみたいだね」
あんなに愛し合ったのに。その言葉に、顔が真っ赤になるのが自分でも分かった。あ、愛し合うって……つまりはそういうことだよね?
「まぁ、半分冗談だけど。冬華途中で寝ちゃったし」
「あ、そうなんだ」
ということは、意識がなくなった後、そのままにされたということか。それはそれでよかった気がする。
「今まだ朝の四時だよ。もう少し寝てられる」
そう言うと陵さんは僕を抱えて寝始めた。……四時なのか、それならもう少し寝れるかな。と思って、僕も寝ようとして、腕を陵さんの身体に回す。ちょっとはびっくりしてくれるかななんて淡い期待を抱きながら、僕もまた寝た。
「……だから、そういうところがかわいいんだよ」
――そんな言葉を、どこか遠くで聞きながら。




