あいつのために… 1 ~凛side~
~凛side~
俺のせいで、こいつをこんなに苦しめているんだ。分かってたけど、こいつが泣くと、なんかよけいに悲しくなってしまう。
小さい頃から俺たちは仲が良かったからいろいろと相談しあっていたが、こんなことは初めてだった。
「ごめんな…ごめん……」
俺は、睡蓮に謝る事しか出来なかった。
(チッ、情けねぇ。好きな女には笑っていてほしいって思ってたのによ。逆に泣かせちまってんじゃねーか。)
俺は、小さい頃から、こいつの事が好きだった。いつも笑ってて、自分の事より先に人の心配ばっかして…。……いつからだろうか?こいつの事が好きになったのって……。
そうやって、俺は昔の事を思い出していた。
〜〜〜凛・睡蓮幼少期〜〜〜
小さい頃の俺は、女みたいにとてつもなく弱い男だった。
子供1「やーい、お前女みたいだなぁ!体小
せーし。何よりすぐ泣くし。」
子供2「だよなー‼︎お前、もしかして女だった
りして…?」
凛 「ちっ、違うよ‼︎僕、男だもん。」
子供1「へぇ?だったら、喧嘩だってつえー
よなぁ?」
そうやって、胸ぐらを掴まれた。
凛 「⁉︎…ううっ……う…うわぁぁん‼︎」
子供2「ほぉら、女みたいにすぐ泣くじゃん‼︎
やっぱ、お前女みたいだなぁ〜」
そう言いながら、そいつは俺の髪を引っ張った。
???「何してるの⁉︎そんなことしたらダメ
だよ‼︎」
子供1「ゲッ‼︎ひっ、姫様じゃん‼︎」
子供2「早く逃げるぞ!」
そうやって、子供は逃げていった。
睡蓮「ああっっー‼︎こらー‼︎……もう…大丈夫
、凛⁇」
凛 「すっ、睡蓮…」
睡蓮「何でまた、あんな子たちの相手するの
?」
凛 「だっ、だって、僕の事を女の子みた
いって言うから……。」
睡蓮「もー、何言ってるの⁇凛は立派な男の
子だよ‼︎」
凛 「ほっ、本当⁉︎」
睡蓮「うん‼︎だから、もう泣かないの。ね?」
凛 「うん‼︎」
そう言って、睡蓮は俺の頭をいつも撫でていたよな。いつもどんな時も、常に笑っていた。だけど、あの日のあいつは狂ったかのように泣いていた。あれからか…俺があいつを守っていくって決めたのは…。