二人一組1
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ルクトの同門で数少ない幼馴染でもあるラキア・カストレイアの留学は、ルクトが呆れるくらい順調に話が進んだ。その最大の理由は、やはり父親であるジェクトが娘の留学に前向きだったからだろう。
「免許皆伝も取った。外に出てみるのもいいだろう」
ジェクトはそう言って娘の背中を押した。だが彼がルクトに向ける視線はまるで悪戯をたくらむ子供のように楽しげで、ルクトとしては少々げんなりとした気持ちにもなってしまう。
ラキアが留学するのはルクトと同じくカーラルヒスだ。ただし、ノートルベル学園に入学するわけではない。彼女が学びたいのはレイシン流が教える〈練気法〉である。だから留学というよりは武者修行と言ったほうが正しいかもしれない。
つまり同郷で同門の幼馴染が同じ都市に留学するのである。目的や通う場所が異なるとはいえ、二人は互いを意識するだろう。ましてルクトとラキアは男と女である。あるいはそういう仲になることもあるかもしれない。
それが分からないジェクトではない。というより、彼は積極的にそういう状況を望んでいた。なにしろジェクトはルクトとラキアの婚約を考えていたのだから。
そういうジェクトの思惑をルクトも理解していた。なにしろ彼から直接ラキアとの婚約の話を持ちかけられていたのだから。なんだか外堀を埋められていくような気がして、ルクトとしては少々面白くない。
さらにルクトにとって意外だったのは、ヴェミスの都市国家政府がラキアの留学に資金援助をしたことだ。留学のためにラキアが持っていくお金は全部で300万シク。そのうちの100万シクを都市国家政府が出してくれたのだ。
「父上が政府の知り合いに掛け合ってくれたんだ」
道場に顔を出していたルクトに、ラキアは嬉しそうにそう話した。しかしそれを聞いたルクトは「嫌なことを聞いた」と言わんばかりに眉間にシワを寄せる。
「……なあ、ラキ。お前、本当に分かっているのか?」
「何がだ?」
小首を傾げて聞き返すラキアに、ルクトは少しばかり頭痛を感じて頭を振った。都市政府がタダで金を出すはずがない。つまりお前に何かしらのことを期待しているはずだ、とルクトが指摘するとラキアはようやく得心がいったようで頷いた。
「つまりそれだけ練気法に期待していると言うことだな。これは精進しないとだな」
ラキアはそう言って何度も頷くが、ルクトの考えは少し違う。ラキアは重石だ、と彼は考えている。つまり、ルクト・オクスをヴェミスに縛り付けるための重石だ。
ヴェミスのハンターたちはルクトの個人能力〈プライベート・ルーム〉のことを知っている。そしてその能力があれば遠征は格段にやりやすくなり、迷宮から得られる資源の量も増えるだろう。そのことはヴェミスの都市政府も承知しており、そのため彼らからしてみればルクト・オクスは逃したくない人材なのだ。
ただ、彼の保護者であるメリアージュの手前、そう強引な囲い込みはできない。そこで今回のラキアの留学だ。
ラキアは留学が終われば帰ってくるだろう。その時、恋仲にでもなったルクトを一緒につれて帰ってきてくれれば御の字。そのためならば100万シクぐらいは安いもの。あるいはそう考えているのではないだろうか、とルクトは思っている。
(ま、オレの自意識過剰かもしんないけど)
投げやり気味に思考を放棄し、ルクトはそれ以上考えるのを止めた。それにヴェミスにはメリアージュがいる。彼女がいればルクトなど居てもいなくても同じだ。そうなると、重石うんぬんはやはり考えすぎかもしれない。
「ところで、どれくらい留学するつもりなんだ?」
「父上とも相談して、二年の予定にした。学園を卒業すればルクトもヴェミスに帰るんだろう?」
その時に一緒に帰るつもりだ、とラキアは言う。なんだか本当に外堀から埋められているような気がして、ルクトは頬を引きつらせるのだった。
▽▲▽▲▽▲▽
ルクトがカーラルヒスに帰ってきたのは八月の末のことだった。ヴェミスからはセイルの〈バルムンク〉を駆使して丸一日。ラキアが〈プライベート・ルーム〉の中で待機しているのを嫌がったため〈バルムンク〉は三人乗りだったが、それでもやはり空の旅は格別だった。特に今回が初めてのラキアは終始興奮気味だった。
セイルについては、ただ「メリアージュの昔馴染み」とだけ説明した。メリアージュが只者ではないことは、ヴェミスに住んでいる武芸者ならば誰でも知っている。それはラキアも例外ではなく、彼女はセイルについてそれ以上のことを聞こうとはしなかった。
カーラルヒスに付いたのが夕方だったため、ラキアに宿を紹介して二人はそこで別れた。彼女をレイシン流の道場に連れて行くのは次の日にして、ルクトは寮に帰った。
「や、ルクト。お帰り」
人がまばらな寮の食堂で気楽な調子でルクトに声をかけてきたのは、同学年の友人であるロイニクス・ハーバンだった。優しそうな容貌に亜麻色の髪の毛。見た目は文句なしに好青年だが、しかし騙されるなかれ。こう見えて彼は結構腹黒だった。
「お前がここに居るってことは、クルルも道場に居るよな?」
クルルとは練気法を教えるレイシン流道場の師範ウォロジス・ラトージュの一人娘、クルーネベル・ラトージュのことである。ロイやルクトとは同年代だが、練気法に関してはやはり彼女に一日の長があり、道場に行く時はクルルに稽古を付けてもらうことも多かった。
「おや、クルルに何か用かい?」
笑顔を浮かべたまま、何気なくロイはそう尋ねた。ただ、もしかしたら内心では焦燥を感じているのかもしれない。なにせ彼はクルルにホの字なのだ。他の男が彼女のことを気にしていると知れば、心穏やかではいられないだろう。だが、もちろんルクトにその気はない。
「練気法を習いたいって奴が一人いてな。明日、道場に連れて行こうと思っている」
無論、ラキアのことである。ラキアはルクトと同い年で、つまりクルルとも同年代だ。しかも同性であり、良い友人同士になれるのではないかとルクトは思っている。そんな事もあって道場にラキアを連れて行ったとき、一緒に紹介できればと思っていたのだ。
「ああ、そういうこと」
少しだけ、ロイはホッした様子を見せた。そして、それからすぐに「だけど……」といって思案顔をする。
「帰ってきたばかりの君が、一体誰を紹介するんだい?」
「同門の幼馴染、かな?」
そう言ってルクトはラキアの名前をロイに教えた。彼女の姓が「カストレイア」であることを知ると、ロイは色々と察したようだった。
「帰省したのかい?」
そう尋ねるロイに対して、ルクトは「まあな」と答える。そして八月の一ヶ月の間にあったことをかいつまんで説明する。もちろん長命種うんぬんについてはぼかしたが。
(ベトエイムのことは……、いいか……)
ルクトの言うベトエイムとはアーカーシャ帝国の地方都市のことである。セイルに雇用されていた期間中、ルクトは彼に連れられてこの都市を訪れていた。そしてこの都市に入る際に、「ロイニクス・ハーバン」という偽名を騙ったのだ。その名前の出所は、言うまでも無く目の前のこの青年である。
いや、ロイニクス・ハーバンという偽名を使っただけならば大した問題ではない。問題なのはそのロイニクス・ハーバンが総督の命令によって騎士団に拘束され、さらに脱獄して逃げてきたことだ。
もちろんルクトは騎士団に拘束されるようなことは何もしていないのだが、「ロイニクス・ハーバンが拘束され、そして脱獄した」という記録は残っているはずだ。だからロイがベトエイムを訪れてそこで本名を名乗ったら、今度こそ問答無用で捕まる、かもしれない。少なくともその可能性は無きにしも非ず、だろう。
ただ、本物のロイがアーカーシャ帝国のベトエイムへ行く可能性はほとんどない。彼の故郷はカーラルヒスから見てベトエイムとは反対の方角だし、そもそもかなりの遠方である。誰もが〈バルムンク〉のような機動力に優れた能力を持っているわけではなく、一般人の行動範囲というのは決してそこまで広くは無いものなのだ。
ルクトはそう自分の中で自己完結すると、ベトエイムでのことをロイには一切話さなかった。メリアージュが知れば「情けないのう」と言って笑うに違いない。
「まあ、そんなわけでラキアは練気法を覚えるためにヴェミスから来たんだ。それで明日にでも道場のほうに連れて行こうと思うんだけど、クルルがいるなら一緒に紹介しようと思ってな」
「なるほどねぇ。それじゃあ僕も明日は道場に顔を出そうかな」
数少ない門下生の一人として、とロイはおどけるようにして言った。彼の言うとおりレイシン流道場の門下生は少ない。ラキアを入れても五人に届かない、零細道場なのだ。
「なんなら、先に行って簡単でいいから事情を説明しておいてもらえると助かる」
「まあべつに構わないけど、どうせもう一度同じ説明をするんだろうから二度手間じゃない?」
「それもそうだけど……。まあ一言二言でいいから」
秘密にしておかなければならないようなことではない。なのに、知っているのに何も話さないのも変であろう。そう思ったのか、ロイは軽い調子で頷いた。
その後、二人は閑散とした寮の食堂で雑談に興じる。そうしていると、ようやく学生に戻ったような気がするルクトであった。
▽▲▽▲▽▲▽
ヴェミスからカーラルヒスに帰ってきた次の日。ルクトは食堂でロイと一緒に朝食を食べると、そのまま二人で寮を出た。ロイのほうはまっすぐ道場に向かうが、ルクトはラキアを宿まで迎えに行ってからだ。
「遅いぞ、ルクト!」
ラキアすでに準備万端に用意を整え宿の前でルクトを待っていた。ウキウキとした表情をしていて、これからレイシン流の道場に行くのが楽しみで仕方がないといった感じだ。
苦笑しながらルクトが形だけ謝ると、ラキアは「そんなことより早くレイシン流の道場に連れて行け」と彼をせっついた。もう一秒も待てない、といった感じのラキアにルクトはもう一度苦笑すると、「こっちだ」と言って歩き始めた。
「ここ、か……?」
「そ。ここがレイシン流の道場」
レイシン流の道場があるのは郊外だ。周りには畑が広がり、農家の家がポツポツと建っている。農牧的で静かな環境、といえば聞こえはいいが、ようは何もない都市の外れである。そしてそこに建つ道場は、ラキアの実家であるカストレイア流道場の半分以下の大きさしかない。
ヴェミスと同じくカーラルヒスにおいても、武門の規模や格というのは道場の立地と大きさからある程度推測することが出来る。そしてレイシン流道場の立地と大きさから導き出される答えは一つしかない。
「小さな武門、なのか……」
「ああ、零細だ」
そうか、と呟くラキアの声には少しだけ落胆の色が混じっていた。教わる中身は変わらないとはいえ、せっかくカーラルヒスまで武芸修行に来たのだから、大きな道場でたくさんの門下生たちと切磋琢磨したかったのかもしれない。
「門下生の数も少ないからな。付きっ切りで教えてもらえるぞ」
「なるほど。そういう考え方もあるか」
ルクトの言葉にラキアは少しだけ笑って応じた。それにこの道場にはルクトも不定期ながら通っている。門下生が少なければ二人で立ち合いをする機会も増えるはずで、それはラキアにとっても望ましいことのはずだった。もちろん道場側にしてみれば、門下生は多いほうがいいに決まっているのだけれど。
道場の中に入ると、そこにはすでにロイとクルルが待っていた。すでにロイが簡単な説明をしていてくれたらしく、ラキアの姿を見てもクルルは驚いた様子はなかった。
「ようこそ、レイシン流道場へ」
ふわりと柔らかく微笑んでクルルはラキアに一礼する。それに対してラキアもぎこちないながらも一礼を返す。
「クルーネベル・ラトージュ、といいます」
よろしくお願いしますね、と言ってクルルは自己紹介した。そして「ここの道場主の娘さんだ」とルクトが付け足す。
「ラキア・カストレイアです」
クルルに続いて、少し緊張した面持ちでラキアが自己紹介をした。そして「ルクトと同郷の出身です」と付け足す。クルルと同じで道場の娘だよ、とルクトが教えるとクルルは「まあ」と言って嬉しそうに微笑んだ。
「ロイニクス・ハーバン。僕もここの門下生だからちょくちょく顔を合わせるかもね」
そう言って最後にロイが自己紹介をする。ちなみにルクトは自己紹介をしない。三人ともすでに知っているからだ。ノリでやっても滑稽なだけだろう。
「それでラキアさんは練気法を習いに来た、ということでいいのでしょうか?」
自己紹介が一通り終わると、おもむろにクルルは本題に入った。ロイからすでに簡単な事情は聞いているのだろう。彼女の口調は質問と言うより確認だ。
「そのためにカーラルヒスに来ました」
強い決意を込めてラキアはそう答えた。その答えを聞くと、クルルは穏やかに微笑んで「ようこそレイシン流へ。歓迎します」と言った。
本来ならここで月謝などについて話をしておくべきなのだろう。しかし目を輝かせ前のめりになって身を乗り出すラキアは、「早く練気法を教えてくれ」と全身でアピールしている。それを見たクルルはちょっとだけ困ったようにして微笑みルクトのほうに視線を向けた。ただ、視線を向けられてもルクトだって肩をすくめるしかない。
「ではまず、練気法について一通り説明して、それから鍛錬に入りましょう」
「お願いします!」
一つ頷いてからクルルが説明を始める。その内容は、かつてルクトが聞いたのとほぼ同じだ。つまり男二人にとってはすでに知っている内容で、そのせいかわざわざ付き合って聞こうという気にはならなかった。
「どうだいルクト、久しぶりに立ち合いでも」
床の上に座るラキアとクルルから少し離れたところに立って、ロイはルクトにそう提案した。その提案にルクトも頷く。そもそもレイシン流は練気法しか教えていないので、道場で門下生同士が顔を合わせると自然と立ち合い稽古、という流れになるのだ。
うるさくすると邪魔になるので、二人は道場の外に出た。道場の外は鍛錬場として整備されているわけではないが、しかし立ち合いをするための広さは十分にある。
言うまでもなく闘術は習得しただけでは意味がない。実戦で使えるようになって初めて意味があるのだ。そしてそれは練気法も同じである。
練気法の習得は困難だし、そして実戦で使えるようにするのはさらに難しい。ではどうすればいいのかといえば、ひたすら鍛錬あるのみだ。時間をかけた分しか使えるようにはならない。闘術は全般にそうだが、練気法はその傾向がより顕著だった。
「じゃあ、いくよ」
「おう。まずはゆっくりな」
それぞれ木刀を正面に構えたルクトとロイが、一つ一つの動作を確認するようにゆっくりと動きながら立ち合いを始める。動きはゆっくりだが、二人とも練気法を使いながらの立ち合いだ。そのため彼らの立ち合いは見た以上に集中力と技量を要するもので、また一撃一撃が重い。気を抜いて油断すれば大怪我をしかねないほどだ。
カンカンカン、と一定のリズムを刻みながら二人は木刀を打ち合わせる。夏の盛りは過ぎたとはいえ、降り注ぐ日差しはまだまだ強い。加えて高い集中力を維持していることもあってか、二人はすぐに滝のような汗を流し始める。そんな二人の立ち合いはお昼近くまで続くのだった。
▽▲▽▲▽▲▽
「よければお昼を食べて行きませんか?」
午前中いっぱい立ち合い稽古を続け、大量の汗を流しながら戻ってきたルクトとロイにクルルはそう声をかけた。彼女自身はあまり汗をかいていないが、その隣に立つラキアはルクトたちと同じくらい汗を流していた。どうやら烈を動かす、練気法の鍛錬に入ったらしい。
クルルの申し出を断る理由もなく、三人はお昼をご馳走になることにした。それぞれ汗を流してから四人でお昼ご飯を準備する。ちなみにクルルの父であるウォロジスは、所属ギルドの遠征に行っており今は家にいない。
「そういえば、ラキアさんはもう住む場所は決めたんですか?」
「いや、まだだ。探してもいない」
クルルの問い掛けにラキアは肩をすくめながらそう答えた。なにしろ彼女がカーラルヒスに来たのは昨日の夕方。昨日はすぐに宿に泊まったし、今日は道場に来て今に至る。下宿先を探す時間的な余裕などあるはずもない。
「でしたらウチに下宿しませんか?」
ちょうど部屋もありますし、とクルルは提案した。それを聞くとラキアは目を輝かせて身を乗り出す。たしかにそうできれば、練気法を習う上でこれ以上ない環境だろう。
「本当か!? そうできたら有難い!」
「はい。ただ、もちろん父と相談してからになりますし、月々の部屋代も頂くことになりますが……」
「大丈夫だ、問題ない!」
これは後で聞いた話だが、ラキアは無事クルルの家に下宿できることになった。月々支払うお金は、部屋代や道場の月謝、食費など諸々含めて10万シク。ラキアは二年間留学する予定なので、全額の240万シクを一括で支払ったそうだ。滅多に見ない大金でびっくりした、と後でクルルが話していた。
これで修行に専念できる、と喜ぶラキアにクルルは少しだけ申し訳なさそうな顔をした。なんでも、彼女は遠征の予定が詰まっていて道場にいないこともあるのだという。ウォロジスのほうも同様で、つまり日によってはラキアに稽古を付けられる人物が居ないことになる。
「夏休みも遠征しているのか?」
ルクトはロイにそう尋ねる。クルルが入っているパーティーのリーダーをしているのが彼なのだ。
「まあね。あと二年だし、そろそろ本腰を入れて十階層を目指さないと」
迷宮の十階層で安定して狩りができるようになれば、ハンターとして一人前といわれている。そしてノートルベル学園の武術科では、「十階層以下でドロップする魔石を一人五個以上集めること」が実技の卒業要件になっていた。ルクトとロイは夏休みが終われば五年生になる。すでに達成しているルクトはともかくとして、ロイはあと二年以内にこの要件を達成できなければ留年することになる。
「テミスとソルは?」
ロイとクルルのパーティーメンバーであるテミストクレス・バレンシアとソルジェート・リージンはルクトと同じく留学生だ。彼らは毎年の夏休みに里帰りしていたはずである。
「今年で夏休みは最後だからね」
留年しないためにも遠征を優先するってさ、とロイが答えると「そうか」と言ってルクトは納得した表情を見せた。里帰りするより、留年しないで卒業証書を持ち帰ったほうがいいと思ったのだろう。なにしろ留学生たちはその紙切れ一枚を得るために、わざわざ他所の都市からやって来るのだから。
ルクトとロイが話をしている間に、クルルとラキアの話もひとまず終わったらしい。その後は四人で他愛もない雑談に興じた。ラキアも初対面の二人と随分馴染んだようで、その点ルクトは少しだけ安心する。もっとも、クルルとの会話で敬語を使っていなかったから、そもそもあまり心配はしていなかったが。
雑談を楽しみ腹がこなれてきたところで、四人は午後の鍛錬を行うために立ち上がった。ちなみに昼食の後片付けはすでに済ませてある。そして四人が日が傾くまで道場で鍛錬に明け暮れるのだった。
今年最後の投稿です(笑)
来年もよろしくおねがいします。




