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403 シングル・ルーム  作者: 新月 乙夜
第三話 それは禁じ手にあらず
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それは禁じ手にあらず7

 ルクト・オクスがソロ、つまり一人で迷宮(ダンジョン)攻略行っている理由。それはひとえに学園側からパーティーを組むことを禁止されたから、である。


 ではなぜ学園側は、ルクトがパーティーを組むことを禁止したのか。それは完全に学園側の都合である。


 ノートルベル学園武術科は武芸者の育成を目的としており、そしてここを卒業した学生のほとんどはハンターとして活躍している。つまり武術科はハンターを育成していると言っても過言ではない。


 さて、ハンターの仕事は「迷宮(ダンジョン)攻略を行い、そこからドロップアイテムという形で資源を得ること」である。そしてより良い資源をより多く得るためには、より深く迷宮(ダンジョン)に潜って攻略を行わなければならない。つまり遠征を行う必要があるのだ。


 ルクトは自分の個人能力(パーソナル・アビリティ)である〈プライベート・ルーム〉について、非常に遠征向きの能力だと思っている。つまり遠征が行いやすく、そして楽になる能力だと思っているのだ。


 実際、その偉力は折り紙つきである。


 二年でまだパーティーを組むことを禁止されていなかったころ、ルクトと彼の仲間たちは怒涛の勢いで迷宮(ダンジョン)攻略を進めていった。そして彼らはたった六ヶ月と少しでなんと八階層まで到達したのである。


 その異例の事態に学園側は大いに困惑した。仮に学園に入る前に経験をつんでいたにせよ彼らはまだ十六、七の子供である。そんな彼らがパーティーを組んでから半年とちょっとで八階層まで到達するなど、普通ではありえない。「ズルをしているのではないか」という意見も出たが、十階層ならばともかく八階層に到達したと見せかけることにメリットはない。


 ついに武術科の教師陣はルクトらのパーティーを呼び出して事情を聞いた。そしてそこで明らかになったのが、ルクトが持つ個人能力(パーソナル・アビリティ)、〈プライベート・ルーム〉だったのである。


 彼の個人能力(パーソナル・アビリティ)について知ったとき、教師陣はまた別の意味で頭を悩ませることになる。いっそ彼らが“ズル”をしていれば話は簡単であった。その点を追求し、相応のペナルティーを科せばそれで済むのだから。


 しかし、こういう言い方も変だが、ルクトたちは何一つ不正なことはしていなかった。パーティーメンバーの個人能力(パーソナル・アビリティ)を最大限に活用して攻略を進めていただけだ。それは何かのペナルティーを科すべきであるようなことではまったくない。


 しかし武芸者を、そして特にハンターを育成している武術科としては、事態をこのままにしておくことは好ましくなかった。


 確かにルクト・オクスの個人能力(パーソナル・アビリティ)〈プライベート・ルーム〉は遠征に向いている。いや向きすぎている、と言っていい。この能力さえあれば、どのようなパーティーであっても簡単に深い階層への遠征を行うことができてしまう。


 それ自体は、いい。問題は「その能力がただ一人の人間に依存している」という点である。


 能力者本人であるルクトはよい。彼にとってルクト・オクスとは常にいる存在であり、離れることなど考えられないのだから。


 しかし他の者にとっては違う。他の者たちにとってルクト・オクスとは常にいる存在ではない。まして彼は外からの留学生。卒業後にカーラルヒスに残るという保証はない。仮に残ったとしても彼が何らかのことで死んでしまえば、その瞬間に〈プライベート・ルーム〉は失われるのだ。そして彼の死は少なくとも“寿命”という形で必ず訪れる。


 過程はどうあれルクトがいなくなれば、その瞬間〈プライベート・ルーム〉は使えなくなる。そしてそのときそれを使う遠征に慣れていた者たちは、すぐに以前のような遠征をこなせるだろうか。


 答えは明確に“否”である。


 そう言い切ってしまえるほどに、〈プライベート・ルーム〉を用いた遠征は楽だし、楽だと予想できてしまうのである。


 これが一般のギルド内部の話であれば、教師陣は頭を悩ませずに済んだであろう。しかしここはノートルベル学園の武術科。武芸者を育成する教育機関である。まして武術科の卒業生は即戦力を期待されており、学園側もそれに応えるべく「十階層以下で取れる魔石を一人につき五個以上集めること」という厳しい卒業要件を設けているのだ。


 それなのに〈プライベート・ルーム〉を使わなければ満足な遠征ができないような、そんな半端者を卒業させたらどうなるか。武術科の評判は暴落するであろうし、またその卒業生本人も大いに苦労することであろう。いやそれどころか迷宮(ダンジョン)攻略の最中に命を落とすかもしれない。そのような事態を看過することは、武術科の設立理念に大いにもとることであった。


 一週間ほどの熟考の末、武術科長はついに決断を下した。そしてそれこそが「ルクト・オクスがパーティーを組むことを禁ずる」という措置だったのである。


 この決定には武術科の教師たちからも異論が出た。「厳しすぎる」という意見がほとんどだったが、武術科長がこう言うと消極的にではあるがほとんどが賛成に回った。


 曰く「事は一つのパーティーだけの問題ではない。ルクト君が卒業するまでの間の、武術科学生すべてにかかわる問題なのだ」


 ルクト・オクスを連れて行けば確実に実技の卒業要件を達成できる。なにも手を打たなければ、そんな風潮が武術科に広がるであろう。彼を利用しようとする者は後を絶たないだろうし、そうなれば様々な問題が起こることも予想される。強引な勧誘や買収まがいの取引、あるいは脅迫行為に及ぶ者まで出てくるかもしれない。


 そうでなくとも〈プライベート・ルーム〉を使って卒業要件を達成する学生が続出すれば、それは卒業生の質の低下と学園の信用問題に直結する。それを防ぐためにも、予防線を張ることはどうしても必要であったのだ。


 かくしてルクトらは再び呼び出された。そして武術科長から直々に事情を説明された上でルクトはパーティーから抜けることになり、そして今日までソロで活動してきたのである。


 つまり学園側がルクトに対しパーティーを組むことを禁止したその意図は、彼自身よりもむしろ彼以外の学生たちに向いているのである。「ルクトがパーティーを組むこと」を禁止したいのではなく、「ルクトをメンバーに加えること」を禁止したいのだ。


 であるならば。アーカインたちの「ルクトをパーティー外メンバーに加えたい」という申し出は、その意図に真っ向から反するのではないか。ルクトはそう思ったのだ。


「…………君が禁止されているのは『パーティーを組むこと』であって、『パーティー外メンバーになること』は禁止されていないのだろう?」


 ならば問題はないはずだ、とアーカインは言った。確かにその通りであると言えなくもないが、それにしたって屁理屈であろう。それを自覚しているのか、言葉とは裏腹にアーカインの表情には苦さが見え隠れする。


(「禁止していない」と言うより、「禁止できない」って言ったほうが正しいんだろうな……)


 例えば、ルクトに対し「迷宮(ダンジョン)内でいずれかのパーティーと行動を共にする」ことを禁止するのは、有効かどうかは別として可能ではあるだろう。校則か何かに罰則条項を定めればよいのだから。


 しかしながら現実的かと言われれば否だ。それどころか愚かしいとすら言えるだろう。なにしろ迷宮(ダンジョン)という人知の及ばぬ魔境で、学生の行動に制限をかけようというのだから。加えてただでさえルクトは、学園側の都合によってソロで攻略するよう求められている。この上さらに制限を設ければ、彼の命が危うくなりかねない。


 だからこそルクトが禁止されているのは「パーティーを組むこと」だけなのだ。しかしながらこの措置にはいろいろと抜け道があることも確かである。そして姑息にもそういう抜け道を突いているのだと、五年生パーティーの面々は、少なくともアーカインは自覚しているはずだ。


(まあ、この手の依頼はそのうち来るだろうと思ってはいたけどな……)


 そういう目的を果たすために様々な手段を講じる姿勢は、決して嫌いではない。だがその一方で、これが変な前例になって同じような申し出が殺到しても困る。少なくとも学園側はいい顔をしないだろう。もっとも初めてである今回も、知ればいい顔などするはずがないのだが。


「……報酬は一週間につき300万シク」


 ルクトはそう条件を提示する。


「この条件を飲んでくれるのならお引き受けします」


 顔をこわばらせるアーカインらに、少々冷たい声でルクトはそう告げた。



▽▲▽▲▽▲▽



『報酬は一週間につき300万シク』


 ふっかけた、と言うべきだろう。ルクトが提示したこの300万シクという額は、プロのハンターで構成された一つのパーティーが、一ヶ月で得る平均的な純利益(収入から支出を差し引いたもの)とほぼ同額である。


「ふざけてるのか!?おかしいだろ、その額は!!」


 今まで黙って話を聞いていたパーティーの一人が声を荒げて叫んだ。たしかフロイト・パスカルという名前だったはずだ。彼の言葉を皮切りに、他のメンバーたちも次々に声を上げる。その額はおかしい。不適正だ。次々にあがる声を、ルクトは涼しい顔をして聞き流した。


「……つまり君は、『自分は一週間で300万シク稼げる』と、そう言っているのか?」


 声を荒げる仲間たちを制して、アーカインはルクトにそう尋ねた。ただ、彼の声もまた硬くなっていたことは否定できない。


「稼げません。だから提示しました」


 ルクトは正直に即答した。それはつまり「稼げるなら自分で稼ぐ」ということだ。その答えにアーカインは眉間にしわを寄せてうなった。


 今回の件に限らず、ハンターを雇うとはそういうことなのだ。ハンターは基本的に高給取り。そんな彼らを雇うのであれば、常に稼いでいる以上の額を提示しなければならない。無論、報酬額は仕事の内容にもよるが、わざわざハンターを雇うような仕事というのは基本的に荒事だ。迷宮(ダンジョン)攻略と同質である以上、やはりハンターたちは報酬額に応じてその仕事を請けるかどうかを決める。


 さらに今回は、その依頼された仕事それ自体も迷宮(ダンジョン)攻略(正確にはその手伝い)である。ならば自分で稼げる額以上の報酬を要求するのは当然と言えた。


「……それにしても300万は高いだろう」


 唸るようにしてアーカインはそう言った。しかしルクトに報酬を値引きするつもりはない。代わりにこう言った。


「確かに遠征の手伝いと考えれば300万は法外でしょう」


 ですが、とルクトは続ける。


「先輩たちの目的は実技卒業要件の達成ですよね?それの手伝いと考えれば、そう高いわけではないと思いますよ」


 そう言われアーカインはついに沈黙した。その沈黙には、〈エリート〉になることを諦められないという胸のうちを、後輩に見透かされたことへの気まずさも混じっているに違いない。他のメンバーたちも同様のようで、皆少しバツの悪そうな顔をしている。


 そうなのだ。ルクトは直接指摘することはしなかったが、アーカインたちが目指しているのはただ実技の卒業要件を達成することではない。五年のこの時期に達成することでエリートコースに乗ること、それが彼らの目的なのである。そのためなら300万シクは決して高くないだろう、とルクトはそう言っているのだ。


(さてどうする?)


 悩むアーカインらに少々冷ややかな目を向けながら、ルクトは内心でそう呟いた。彼にしてみればアーカインたちが提示した条件を飲もうが飲むまいがわりとどちらでもいい。飲んでくれるのであれば、楽をして300万シクという大金を稼ぐことができる。逆に飲まなかったとしてもそれで損失が生まれるわけではない。300万シクは惜しいが、つい最近メリアージュから「急くな」といわれたばかりでもある。金は自分で地道に稼げばいいだろう。


 なによりこれは禁じ手すれすれの手段。アーカインらの手伝いをすることで起こるかもしれない問題を考えれば、むしろ300万シクでは安いかもしれない。


「……分かった。300万出そう」


「アーカイン!!」


「パーティーの積立金を吐き出せば300万くらいは何とかなる」


 アーカインの重々しい声に圧されてほかのメンバーたちは押し黙った。数瞬の静寂の後、彼は「ただし」と言葉を続けて視線をルクトのほうに向ける。


「ドロップしたアイテムはすべてこちらのもので、期間は卒業要件を達成するまでにしてもらいたい」


 いくらなんでも一週間という時間は短すぎる、と思ったのだろう。一週間では遠征は一回しかできない。アーカインたちが卒業要件を達成するには、十階層で魔石を三十個集める必要がある。実際に〈プライベート・ルーム〉を使って遠征をしたことがない以上、それを一回の遠征で達成できるかは未知数、と考えたに違いない。


 アーカインが提示した条件を聞いてルクトは少し考え込んだ。ドロップアイテムをすべて渡すことに特に異議はない。そのために報酬をもらうようなものなのだから。ただ、期間が明確に区切られていないのは気になる。


「……前金で100万、期間は最大一ヶ月。ただし卒業要件を達成したら依頼は完了。これでどうですか?」


 これ以上は譲歩できませんよ、と言ってルクトは肩をすくめた。一ヶ月あれば余裕を見ても三回、頑張れば四回は遠征が可能だ。なにより今は十二月の半ば。〈エリートコース〉に乗りたいのであれば、一ヶ月以内の卒業要件達成は必須だ。


「前金は必要なのか?」


「必要です。ともすれば一ヶ月、自分では何も稼げないんですから」


 臆することなく言い切った後輩にアーカインは少しだけ苦笑し、それから「分かった」と言って了承を告げる。他のパーティーメンバーを見渡しても反対意見は出てこない。期間を最大で一ヶ月にしたのが良かったのだろう。


「それで、具体的な遠征の仕方だが……」


 君との合流は迷宮(ダンジョン)の中でしたい、とアーカインは言った。それを聞いたとき、ルクトは彼らの心のうちにあるうしろめたさを垣間見た気がした。


 ルクトがパーティーを組むことを禁止されたその意図について、アーカインたちとて承知しているのだ。承知しつつも、〈エリート〉になるためにそのことはあえて無視して表面的な字面だけを眺め、「パーティー外メンバーになることは禁止されていない」と強弁しているに過ぎないのである。


 しかしながら、うしろめたさを感じていると言うことは、言い換えれば良心の呵責を覚えていると言うことである。つまり禁じ手を使っている自覚があると言うことだ。少なくともバレれば問題になると思っているはずだ。


(開き直ってしまえばいいのにな……)


 ルクトとしてはそう思う。自分に落ち度があるかのような態度をとっていれば、周りの人間はそのことを追及してくる。少なくとも追求しやすくなる。逆に堂々として、「当たり前」とでも言わんばかりの態度をとっていれば、周りもそういう目で見る。そういうものである。


 特に今回は屁理屈と言えど理屈が通っているのだ。もちろん最終的に学園側がどういう判断を下すかは分からない。だが、やると決めたのだ。そう卑下しても仕方がないだろうに、とルクトは思う。


 が、思うだけで言いはしない。むしろ「なんで部外者のオレがそんな面倒くさいことを指摘してやらねばならんのか」という心境である。


 なのでさっさと話を進めることにする。


迷宮(ダンジョン)の中で合流するとなると、四階層のベースキャンプが一番現実的だと思いますけど」


 迷宮(ダンジョン)の中にあるのは基本的に白い通路と巨大なシャフトだけ。目印になるものがあり、待ち合わせ場所として適している場所などそうそうないのである。例えば五階層の地底湖などでもいいのだが、基本的に地底湖というのはハンターたちが進む標準的な“コース”から外れていることが多い。だからそこに行くまでに時間的なロスが発生するし、またそもそも場所を知らないというハンターも多い。


 その点、四階層のベースキャンプならばほとんどすべてのハンターが立ち寄ったことがあり、どこのことを指しているかも明白である。ここを待ち合わせ場所にしておけば、合流できずに迷宮(ダンジョン)の中を探し回るなどという、間抜けかつ面倒な話は避けることができるだろう。


 ただ正直な話、それでも随分面倒くさいとルクトは思う。最初から一緒に迷宮(ダンジョン)に入って攻略を行うのが一番簡単で効率的だ。〈プライベート・ルーム〉という個人能力(パーソナル・アビリティ)を持つルクトが一緒にいる場合、ベースキャンプに立ち寄ることすらも無意味な寄り道でしかない。ならばその分、より深い階層を目指したほうがいいと思うのだ。


 それはアーカインたちも分かっているはずだ。しかしそこで例のうしろめたさが頭をもたげるのであろう。なにせ一緒に迷宮(ダンジョン)に入れば多くの人に目撃されることになる。仮にほかにハンターが誰もいなかったとしても、受付係はまず間違いなくいるし記録にも残る。


迷宮(ダンジョン)の中で合流したいということは、つまり人目を避けて合流したいということだ。常に人目のあるところで一緒にいるところを見られたくない。アーカインたちはそう思っているのだろう。


「四階層のベースキャンプか…………」


 ルクトの提案を聞いてアーカインは少し渋い顔をした。人目を避けたいと言うのであれば、常に人がいる四階層のベースキャンプでの合流も避けたいに違いない。


「他にいい場所があるなら、そちらでもいいですけど」


 少し突き放したようにルクトはそう言った。そもそも人目を避けて合流しただけでは不十分だ。ルクトをパーティー外メンバーにしたことを知られたくないのであれば、遠征中は誰の目にも触れないことが必要になる。


 しかしながら、迷宮(ダンジョン)内で他のパーティーとすれ違うことはそれほど多くもないが珍しくもない。そうなれば確実にアーカインたちがルクトと一緒にいて、しかも一緒に遠征をしていると知れてしまうだろう。なにしろ「荷物をもたないパーティーが迷宮(ダンジョン)攻略をしている」となれば、カーラルヒスのハンターはまず間違いなくルクトの存在を思い浮かべる。それくらい彼と彼の個人能力(パーソナル・アビリティ)は知れ渡っているのだから。


 だからそんなことをしたところで無意味だとルクトは思うのだが、それでもアーカインたちは迷宮(ダンジョン)内で合流にこだわった。


「……分かった。ベースキャンプで待ち合わせよう」


 アーカインの言葉にルクトは無言でうなずいた。正直無意味だと思うが、クライアントがそれを望むのならその希望に最大限あわせるのがパーティー外メンバーの仕事だろう。


「それじゃあ、具体的な遠征の打ち合わせを始めよう」


 昼休みはそろそろ終わってしまうけど大丈夫かな、とアーカインはルクトにたずねる。今日はアシスタントの仕事もないので午後は完全にフリーだ。大丈夫だ、とルクトが答えるとアーカインは一つ頷いてから打ち合わせを開始した。


「まず遠征にかかる費用だけど…………」


 アーカインたちにしてもパーティー外メンバーを加えるのは初めてのはずで、そのせいか一つ一つ丁寧に確認をしていく。


 すべての打ち合わせが終わったのは、およそ二時間後のことだった。



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