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プロローグ
あの頃は──幸せだったな……。
ふっと数日前の出来事を思い出していた。
そして現実に戻る。
俺は今、処刑場に立たされていた。
「──死刑、だそうです」
氷の女王みたいな笑みを浮かべて告げたのは、”氷室ヒカリ”だった。
「……おはよう、って言う前にそれ?」
「当然でしょ。銀河軍法に基づく正式な処刑宣告よ」
こいつと初めて会ったのは、中学一年の入学式。
初めて会話したときから“性格最悪”の烙印を押した女だ。
まさか数年後──高校の教室じゃなく、宇宙戦争の司令室で再会するなんて思いもしなかったけど。
そして今、その女が俺を処刑しようとしている。
「……断っておくけど、俺はお前なんか絶対に好きにならないからな」
「ええ、わかってるわ。私もよ」
たぶん、どちらも嘘だ。
「どうしてこうなった…」
こうして──銀河の運命を賭けた戦争と、もっと面倒な恋のバトルが幕を開けた。
(表紙はAI生成イラストです)
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