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第十話 町でアルルクおすすめご飯食ってみた

「はぁ…………」


 簡潔に説明するはずが…………


「ほうほう。そういうことだったんですね!」


「わかった?ならいいんだけど」


 なんかアルルクからしたら超越した戦いらしく。説明するたびに頭の上に「?」が浮かんでいる気がした。


 まぁ確かにおかしいと思っているけどそこまでかな?貴族もスキルを持っているしやばすぎるとは思わないんだけど。


「もう昼だね」


 でも理解するまでに二時間かかるのは遅すぎやしませんか?


 でも、考えを整理しているアルルクも可愛かったなぁ。


「討伐依頼のゴブリンは異次元の異空間に保存してあるから大丈夫だよ」


 ふと思い出し一応言っておく。


「心配はしていないよ。だってアマリスを信じているからね!」


 ニコッと笑う。無邪気な笑顔が可愛い!なんて言えないけど。


 ぐうぅぅ…………


 腹の虫がなり少し恥ずかしい。


「ふふ、アマリス顔赤くなっているよ」


 動きすぎたかもしれない。さっさと食事をしたい。


「確か、そろそろ小さな町があるので食事をしませんか?」


 話を聞くと、この国はよく冒険者が旅に出るからところどころに宿町があるのだそうです。


「まぁ小さいのですけどね」


 少し歩いていたら話通りに小さな町があった。


「小さいのに結構栄えてるんだね」


 幸い町には検閲がなくすんなり入れた。いざ入ってみると結構ザワザワしている。


「最近できた町らしいですからね。近々ここにもギルド支部を設置するらしいですよ」


 ギルドかぁ。結構種類があった気がする。私が知っているのは冒険者ギルドと商業ギルドと奴隷商ギルドぐらいかな。うぅ…………奴隷商ギルドはなくなってほしいけど簡単じゃないのよね。


「ギルドってこの国だけじゃなくて世界中にあるよね?」


「そうです。この世界に必要不可欠と言ってもいいぐらいに重要で数も結構ありますよ」


 一応アルルクの言う町に着いたら私も何かのギルドに登録しておこう。奴隷時代のある主人がギルドカードをもって検閲を回避していたからね。今思えばあの人がいちばんやさしかった気がする。


「ふぅ~ん」


「アマリス。もしかしてあまり興味がないよね?あ、わかった!お腹空いてそれどころじゃないんでしょ」


 ぐふっ………それはそうだけど…………


「ああ!図星ですね!わかりました。この間行った美味しい店があるので行きましょう」


 手を引っ張られながら走る。よほど美味しい店なんだろう。


 バンッ!


 路地裏に入ったかと思えばすぐ目の前にあったドアを思いっきり開ける。


「店長!いますかぁ!」


 今までで(まだ二日目だけど)一番大きな声で誰かを呼んだ。


「おおアル!また来たか!どうだったんだ依頼は」


 裏から出てきたのはとてもうるさそうな悪人顔の人間。だけど今まで見た悪人みたいなオーラは感じない。


「ちゃ~んと達成しましたよ!まぁ全部アマリスのお陰なんですけどね!」


 アルルク、さっきから思っていたけど何か性格変わっていない?聞くだけ野暮かな。


「そうかそうか、ありがとうな嬢ちゃん。俺は少し心配だったんだ。アルは駆け出し冒険者に関わらず討伐依頼をしていたからなぁ」


 すこししか整えられていない髭を触りながらそう言っている。


「もぉ~。店長そんなこと言わないでくださいよ」


 そういえばアルって何?


「ねぇアルルク。店長が言うアルって何?」


 アルルクにだけ聞こえる声で言う。


「冒険者名ですよ。冒険者っていうのは偽名を使うのが暗黙のルールなんですよ」


 へぇ~そうなんだ。


「おっと名乗り遅れたな。アルには店長と呼ばれているが俺の名前はドゥークって言うんだ。よろしくな!」


「それはどうでもいいんでアマリスさんに早くおすすめ料理を出してください」


 シュンとするドゥーク。少し可哀そうだよね。


「はは!わかった。そこに座って待ってろ」


 指を指された席に座って待つ。少ししたら暗い部屋とは正反対のオムライスとパフェが出てきた。


「何度も思うけど。本当に出す料理を変えたらどう?肉とかにした方がいいんじゃない?」


「いいんだよ。ぎゃっぷ?ってやつを大事にしているんだよ」


 ギャップかぁ~。確か奴隷時代に行った図書館にあった『倭国冒険録』って本に載っていた気がする。


「では一口…………んん~!」


 オムライスを一口食べる。口の中で卵が溶けるようで美味しい。しかもこのごはん、トマトをつぶして味付けされたソースを一緒に炒めてできるトマトソースライスじゃないですか!


 パフェの方は牛の乳をふわふわにしたものとこの地ではあまり手に入らない黄色く細長いバナナを使っていますね。んん~甘い。初めてここまで甘いのを食べたかもしれない。どこで砂糖を手に入れたのでしょうか。


 まって、おむらいす?ぱふぇ?なんですかこの記憶。初めて見たはずなのにどうして私は名前を知っているんでしょう。まぁいいか!パクッ………美味しい~。


 横を見るとアルルクも美味しそうにバクバクと食べている。私はもう食べ終わった。


「ねぇアルルク。私、お金持ってないんだけど」


「それは大丈夫です!私の懐は厚いですよ」


「でもそれって薬代じゃ――」


「何か言いましたか?」


「あ、ナンデモアリマセン」


 ありがたくお言葉に甘えよう。


「はい、店長。これお金」


「はいちょうど。じゃ、またこれたら来いよ」


 アルルクと一緒に手を振りながら店を出る。こんなにおいしいのに路地裏にあるなんて、まぁ店長はギャップを大事にしてるからいいかな。


「ねぇアルルク。あとどのくらいで町に着くの?」


「確か、あと二日ぐらい歩けば着きますよ」


「ここって宿町だよね?もしよかったら休んでいかない?」


 アルルクのお金だけどね。


「いいですよ!いいところがあるので行きましょう」


 頷くと手を引っ張られ連れていかれる。


 この後、同じベットで寝ようアルルクに誘われて結局寝れなかったのはまた別の話。


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