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【裏話18】愛情アップの弊害と、ナビの優先順位

坂本隆二(リュー/香坂流星)


柏木みつきはどうやら厨房で立ち聞きしていたらしい。俺は支払いをして、一人で彼女を送った。花さんが行くと全部言わされるから、付き添うと言った彼女を断った。


エレベーターの中、俺の背中に彼女の緊張が伝わってきた。


「莉緒、絶対なんもしないから。俺そゆの苦手なんだ。昔嫌な思いしてさ、実は女無理な訳。ちゃんと家に送り届ける。もう異世界のダシにとかしない。仲間だからな。分かった?俺の事は兄貴だと思え。俺を頼ってもなんもしない。俺を頼るのに対価とか要らないんだ。」

「ごめ。ごめ。」

「お前さ、もっと人を頼れ。花さんも、俺もお前の事分かってるし、柏木さんも多分友達になってくれる。アオも、圧力かけたい訳じゃない、あいつはお前に突き放されるのが怖いだけなんだ。な、強がらなくてもう大丈夫だから。」


『愛陽 絆アップ 莉緒 絆アップ 愛情アップ』



インターホンを鳴らすと関屋豊。

「莉緒!君、何があった?!」

「今日飲みに行って、たまたまブラック企業の話になったんです。俺の時間外労働の愚痴言ってたら彼女泣いてしまって。彼女も残業で病んだとかで。」

「そうか。よく話してくれた。莉緒を送ってくれてありがとう。」

「彼女、お父さんが過保護だから、ことを荒立てるのが嫌で相談できなかったと言っていました。どうか知らないふりしてやって貰えませんか?残業代はちゃんと出ていたから、彼女自身納得してるみたいなんです。」

「ああ。分かった。ありがとう。ありがとうな。これからも莉緒の話を聞いてやってくれ。」

『愛陽 絆アップ 莉緒 絆アップ 好感度アップ 愛情アップ』


俺は自室から莉緒とマナビたんに念話をした。

"なあ。起きてる?"

『莉緒は寝ました。莉緒の事ありがとうございます。誰にも言えずに心に溜めていたんです。』

"嫌な事話させて悪かったよ。なあ、俺マナビたんに聞きたい事あるんだわ。アオが主人公なのって嘘だよな?"


俺やアオの噂が流れ始めた時期からして、俺はどうしてもアオが主人公だと信じられなかった。恐らく長期イベントか、主人公補正なんだろうと予想した。それを知る為に愛陽たんに盗聴器仕掛けたのだと話して謝った。


異世界にいても自分の時間が流れているのに気付いた事、毎日関屋豊と話続けて外堀を埋めるつもりだった事、俺の予測やパートナー交代に関しても話した。


"俺パートナー交代狙ってたけどやめるわ。莉緒を傷付けたくないし、隠れ蓑やるっつって近付いた以上、落ち込んでるのにつけ込んだら莉緒多分余計人間不信になるわ。"

『愛陽 絆アップ』

"俺どうすれば強がらずにアオと莉緒が距離を詰められんのか考えるから、また莉緒が寝た後時々相談乗ってくれね?"

『分かりました。ところでリューの女性不信は本当ですか?そうは見えませんでしたが、莉緒はあなたは枯れてると言うのです。』


"枯れてはねーよ。俺だってたまには遊ぶわ。ただ面倒臭いんだ。女に執着されんのやなんだよ。俺は遊んでるから扱いに慣れてるだけ。莉緒とか地雷だから絶対に手出ししないって。"

『わかりました。また念話します。』


五回目

花さんは誘わなかった。


莉緒と会った時の距離感がおかしかったので、あまり距離が近すぎたら俺がアオに切り捨てられるから気を付ける様に話す。


出掛けに佐々木道太に会ったので軽く話す。

「今からのじまんち行くんですよ。良かったら管理人さんも一杯どうです?」

『佐々木道太 好感度アップ』

俺にひっついて手を繋いでいる莉緒がギョっとした。

「いやいや。息子の元カノと飲もうとは思いませんよ。」

佐々木道太はにこやかに去っていった。

「こら。露骨に顔に出すなよ。」

「だってー。」

こらシナを作るな!気持ち悪いぞ?!


「お前判断力落ちてるぞ?アオと決別した時アオもそんな状態だったんじゃね?」

「私あんな子供じゃないもん。」

『莉緒 愛情ダウン』


ちょ、愛情が数値になってるんじゃなくて、数値に態度が引っ張られてる可能性?!

『権限がありません。』

愛情アップお勧めしない理由ってこれ?!

『恋愛は拗れると怖いからね。』

怖っ!!全員こんななる訳?!俺が悪いのこれ?!

『愛情アップの弊害は性格によりけり。てかこの子がリューを落としにきたんだから。』

だよな?!相手にその意図は確実にあったよな?!

『リューも積極的に落としにいったけどね。両思いおめでとう??』


いや無理。

これ、アオとこいつの価値観めっちゃ合うんじゃね?!俺まじで無理。ありし日の記憶が鮮明に蘇るわあ。

『またまたそんな事言って。素直になれば?多分今ならマナビたんも許してくれるよ?』

無理無理。今日ループしなかったら俺泣くから。



ボックス席で左手を繋いで眠る莉緒を肩にもたれさせ、マナビたんと話す。


"なあ、俺転移スキルの小説書いたんだけど、マナビたんチェックしてくれね?"

『ではデータとして私に直接送ってください。』

マナビは秘匿しているデータ干渉スキルの存在を知っているらしい。


ナビ達には全てのキャラクターの基本設定情報は知られている。俺の適正をマナビたんが知っていたのが証拠だ。知っていてイベントや分岐に関わってはいけないルールがある。


関わる事が認められるのはどんな時だ?夜闇。

『現在緊急時である為秘匿情報を開示します。メンタルが壊れるか命の危険がある時。』


永遠やマナビが俺を推したのはその為か。


"なあ、夜闇、俺と莉緒が同時に壊れそうな時、俺のナビである夜闇はどちらを優先する?"


『リューだ。各キャラクターのメンタル管理の役割は全員が持つが、担当ナビに優先権がある。同時であれば自分の担当をケアする様に決められている。しかし担当ナビの手に余る場合その限りでは無い。』

だから永遠は莉緒を優先したのか。


『アオはメンタルが弱いのは確かだけど、莉緒の事になると暴走する。アオが莉緒に悪影響を与えるもしくは、お互いに足を引っ張ると永遠に判断された。』


今マナビが俺と直接話しイベント分岐に関わってくるのは俺又は莉緒のメンタルがやばいって事?

『どちらがやばいかは言うまでも無いでしょ。』

もちろん莉緒だよな。

『馬鹿なの?』

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