第80話 勇者の過労と盗聴者のむずキュン
「ノッテ置いてってごめん。僕異種族の事よく知らなくて。君は大人の女性なのに、子供扱いしてごめん。僕はりおが好きだからノッテとは結婚できないけど、ノッテは仲間だから捨てたり絶対にしないよ。」
「ノッテ、私達仲間だし家族だよ。寂しくさせてごめんね。」
「わう。くぅー。」
「分かった。泣いてごめん。うう。ずっと仲間でいて。うう。」
『ノッテ、私達は仲間です。ノッテとカリクは従魔ですし、私と永遠はナビですが、種族が違っても仲間ですよ。』
『申し訳なかった。ノッテは仲間でござる。愛玩妖精と言ったことは撤回するでござる。』
『報酬 メンバー絆アップ メンバー好感度アップ 犬猫おやつペーストレシピ ペットトリミング技能』
それから皆で話し合いをした。
佐々木さんは東に鉱石ダンジョンがあって、夢中で採掘していたらしい。
「実は坂本さんから睡眠不足でイベントは危ないからすぐ助けに行ってって連絡来て、その直後にノッテイベント出た。」
坂本さんに、東へ行く事だけは伝えてあったとか。坂本さんは、佐々木さんの過労を心配し、私に警告を送ってきた。
「8回ループとか言うから、いつもの事でしょって言ったのに、回数管理してんのバレても良いから助けに行けって。」
「けど毎日メモリは渡してあったよ。生存は伝えられてるだろ。」
ちなみに愛陽曰く、パートナーが死んだ場合、パーティ画面で表示がグレーになる。意識が無いなど念話が通じない時、マップの範囲内なら場所は表示できるが、行った事が無い場所の場合は分からないそう。
表示がグレーなら蘇生魔法はあるのかと佐々木さんが聞いたら無いと言われた。蘇生アイテムやスキルはあるかと聞くと権限が無いと言われた。
「アオ…一人でダンジョンはダメだよ。場所分からなければ助けに行けないよ。モンスターは居た?」
「居た。でも転移ポイントがあったから大丈夫だと思ったんだ。心配かけてごめん。」
「私はノッテの事でいっぱいいっぱいだったから、心配したのは坂本さんじゃないかな。2時までは安地とかで仮眠できてたんだよね?坂本さんそう言ってたけど。」
「うん、…まあ。」
佐々木さんは目を伏せた。
「まさか全く寝てないの?そっか、三日までいけるが口癖で、一日10時間として7日経ったから連絡してきたのか。」
『最初の3回は寝たでござる。』
「くうん。」
カリクから仮眠している映像が思念で送られて来た。ダンジョン活動で思念伝達のスキルレベル?が上がった様だ。
ちなみに、永遠とカリクは自分まで夢中になっていた事を言い訳しているのだ。
「とりあえず今日は寝過ごしても良い様にここで寝なよ。」
「分かったよ。ごめん…。リュー割と過干渉だよな…グイグイ来る…」
『彼は好きな人には過干渉です。』
「え、僕個人的に好かれてるの?」
佐々木さんはキョトン顔である。寝てないのに病んでないのはダンジョンのお陰だろうか。
『好感度は上がりまくっているのに、アオはいつもこの調子なのでござる。時々低下するからそれが引っかかるらしいでござる。』
「好かれてるの気付いてない事にむしろ引くわ。好感度低下はアオもちょっと喧嘩しただけで普通にするからね?アオが異世界参入した時私に異様に感謝したでしょ?あれと同じだから。しかも勇者だよ?オタクホイホイだからね?」
「異様にってりお…。坂本さんはりおの事好きだし、地球組でこっちに来れないからさ。」
『勇者という付加価値はありますがそういう意味ではありません。自治会で会った時アオと莉緒が目配せしているのを見てにやけていました。彼は噂でアオと莉緒に最初から興味を持っていて既に執着されていたと思われます。』
「え、僕も執着されてたとか。」
佐々木さんはドン引きしている。彼は私達の淡い恋を見てむずキュンに悶え盗聴をやめられなくなったと後で教えてくれた。愛陽はその事を言っているのだ。
「いや、それより寝ないでダンジョンとかおかしいからね?普通は心配するから。デスクワークじゃないんだよ?前も徹夜明けで車乗ってたよね。」
「少しは寝たってば。それにあの人も同じ立場ならきっと同じ事するから。」
私は文句言ってる佐々木さんを部屋に押し込めた。
「私も今日はここでノッテと寝るよ。」
私はノッテと一緒にベッドに潜って抱き合って寝た。




