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【裏話13】有能女子とポンコツ、二面性の攻防

坂本隆二(リュー/香坂流星)

お前も束縛に疲れてるんだろ?キープとは言え俺に会うのにそんなウエア着て来たくなかったよな?


"君は、俺と居る時の全ての出来事を彼に把握されたいか?そうでなければ、黙っていてほしい。"

"どうして私に言うの?隠しておけば良かったのに"

"感謝と、誠意だ。盗聴の事は本当にすまなかった。"

"分かったよ。言わない。でもバレてもおかしくないよ?アオ動画作成やWEBデザインのスキルがある。坂本さんに小説スキルが無いのはおかしい。"


やはり彼女に警戒されていた理由はそれか。俺は闇魔法作成スキルの話をすると、俺のMP以下の魔法しか作れない事にあからさまにがっかりする関屋さん。


さあ、ここから俺の有能さをアピールしていくぜ。


"俺が一番最初に作ったスキルは、消費0だ。"

"ええ!すごい!!何のスキル?"

"ドレインタッチ。最大を超えてMPかHPを奪い、器を大きくできる。魔石から吸収する為の魔法。そして、魔石を充填する魔法は魔力譲渡。人に魔力を渡せるが、こちらはその人の最大MPまでしかできないと注釈が付いた。なんらかの負荷がかかるのだろうな。"

"そうなの?じゃあドレイン私に使う?"


...恐ろしいほどのリスクテイカーだ。自分のチート能力への自信か、あるいはこの状況そのものへの諦念か。彼女はアオの執着に疲れ、誰か別の支配者(俺)にすべてを委ねようとしているのだろうか。俺を草食系と見抜いている余裕さえある。何て悪女だ。

『何となく同類だと思っていそうだけど?』

ええ、そういう?

『リューは安全だと思ってんじゃない?』

何それwてかこんだけ思わせぶりしてやりたくないって何なの?自己中なの?そのうち襲われるぞ。


俺が一気に計画を話す。

そしたら彼女はマナビたんに意見を求めた。闇魔法が堪能な俺にわざと読心させたいのか?

『魔法の対価にMPが必要なのを見越して今は心されていないと踏んでる。』


『矛盾があります。パソコンが監視されているならメモリの中身は何だったのでしょう。恐らく彼は、データをパソコンやスマホを通さず取り込むスキルがあります。この際突っ込んでみては?彼を取り込みましょう。アオに任せたのは失敗でした。』

分かった。ちなみに今好感度上がった?

『上がりました。』


まじか?!ナビ好感度アップは告知なしじゃなかった?そしてマナビたんが乗り換えを勧めた?!


『今上がったかどうかの質問なら答えられる。マナビたんは別に乗り換えを勧めてはいない。アオに任せたのが失敗だと言っただけ。』

え!待って!俺がアオのパートナーと決まった訳ではなく、アオが関屋さんに頼まれただけって事?!なにそれ新事実!やばい落ち着け俺。


俺は口角を上げて表情を隠す。


『動揺を笑顔で隠そうとしています。その小説は恐らくお城の爆食いの小説ですね。それをパソコンを通さずメモリに入れた。』

マナビたん優秀すぎか!!てか見てないのびっくりだよ。アオの監視警戒してネカフェとかで見ると思ったのに!

『案外真面目なのか何にも考えてないか興味無いかだろ』

興味無いとか傷つくwww


俺はそこから一気の畳みかけを喰らう。

やばい。この二人息ピッタリ!最高のバディかよ!イベント中のサポートとかナビを頼って良い訳?!

『聞かれたら答えるけどイベント中は基本無言だね。』

なら俺もお前にちゃんと聞く事にするわ!お前の方がマナビたんより有能だからな!

『夜闇 絆アップ』


「あーもう。やられた。コンボかよ!そうだよな!優秀な愛陽たんは君のナビだ。」

"私に読心の耐性作ってくれるなら黙っててあげる。光とか言ってるけど実は闇でもできるでしょ。アオが精神系を動画にできないの見越して渡してきた。"

『リュー好感度アップ』

最高か!この子俺のパートナーにピッタリの優秀さじゃね?!


(この好感度告知システムは防げないんだね。

私が見抜く度に好感度が上がる。彼は知ってもらいたいと思っている?)

『有能な人材が好きすぎるんです。きっとアオへの好感度も上がりまくっているはずです。』


"有能女子が好きなのか。やばいな。ハナさん有能すぎてドンピシャなんだけど。"

"絶対に無いわ!俺自由と歳下が好きなんだ"

"ダブルで否定してきたww最近ハナさん若返ってきたけどな。"

何故か唐突な花さん推しにひたすら萎える。突き放しプレイほんとやめてくれ。


ちなみに耐性は微妙な性能のものを渡した。まだ熟練度が低いから作れないんだと言って、俺の読心も性能が低いんだと匂わせる。そんな訳無いがな。


ちょっとでも距離は詰めておきたい。よし。


"君はね、ポンコツさと優秀さ、儚さと強さのギャップに目を離せない。僕は君を好きになりたくない。せめてその二面性を何とかしてくれないか。"

俺は切ない顔で彼女を見つめる。

もう俺の愛は止まらないぜ!


もう我慢できないという演技で俺は彼女の頬に指先を当てた。そしてそっとキスしようとしたら彼女は不意に横を向いた。

"ええ。わざとではないよ。てか隠れ蓑なんだから弁えてよ。私全く気は無いからね。"

冷ややかな声。心の底からの拒絶。

この状況下でさえ、一切の感情を入れない彼女の強靭さに、腹が立つと同時に、新たな興味が湧く。萎えたふりをして、すぐに立ち上がった。


「そろそろ帰ろ。」

俺はあからさまに不機嫌を声に出し、立ち上がる。

「分かった。」

俺の腕を掴んで彼女はよいしょと立ち上がる。引っ張られ下がった俺の肩口から至近距離で悪戯っぽい笑みを向け、彼女は耳元で囁いた。

「柏木さんと仲良くなったら私にも紹介してね。」


だから不意打ちやめろwww


"ちょwwこれ以上俺を誘惑するなwくそっ!魅了の耐性作るのは急務だ!"

俺は腕を振り解き憤慨する。


彼女は得たばかりの精神攻撃耐性を共有してきた。ふっ。何だかんだ俺を繋ぎ止めときたい訳?


よし、本気で取り込んでいこう。


やばいwwハモッたwww

いやいや。この子内心でめっちゃお友達アピールしてくるんだけど。

読心も耐性も適正によって優劣ある事に気付いて俺に読ませてんの?

『うーん。どうだろうね?』


(魔法を使える佐々木さん、スキルを作れる坂本さん、どちらも私には必要な存在。むしろ地球組には、スキルの存在の方が必要だよね。)


ふふふ。言い訳しながら内心揺れてる。

めっちゃ俺に夢中でしょ。

悪女のフリして恋愛耐性なさすぎウブ子ちゃんか?!それとも今までろくな男に会って来なかったか?


俺に都合の良い男でいろって?

まあこっちもその方が楽だけどさ。


関屋さんは俺に紐なしけん玉を渡してきた。

"私がこれやるとアオが多分妬くから待ってて。"

"ふっ。自分で作った事にすれば良いのに。"

"あそっか。でも鑑定したらバレるから。"

"ありがとな。"


っふふふ。思い出の品渡してくるとか何なのこの女。ヤバすぎてゾクゾクするわ。こまでされて騙すのに俺何の躊躇もないわ。

『相手も多分同じ事思ってると思うよ?』


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