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第74話 束縛と監視の末の密約

坂本さんは私のインベントリに空の魔石を送ってきたので新しい魔石を渡した。

"精神攻撃の耐性スキルを考えたんだが、闇じゃなく光のイメージなんだよ。これ、アオに映像化してもらって。それまでは君と距離を置きたい。俺は住人イベントの方を進める。ターゲットはハナさんと、柏木みつきだ。得た情報はちゃんと君に送るよ"


"柏木さんとは接触するなって言われたよ?"

"そうか。それについてはアオと話してみるけど、接触しても引き入れ前ならリセットすれば良いだけだ。二人が敵か味方かの情報だけでも欲しい。それには執着されてるかも知れないアオや関屋さんより俺が適任だ。"


"分かった。"

愛陽、今の話信用できる?

『矛盾があります。パソコンが監視されているならメモリの中身は何だったのでしょう。恐らく彼は、データをパソコンやスマホを通さず取り込むスキルがあります。この際突っ込んでみては?彼を取り込みましょう。アオに任せたのは失敗でした。』

分かった。ちなみに今好感度上がった?

『上がりました。』


"この前のメモリの中身って、何だったの?"

"言っただろ?小説だよ。"

坂本さんは目が笑ってないけど口角を上げた。

『動揺を笑顔で隠そうとしています。その小説は恐らくお城の爆食いの小説ですね。それをパソコンを通さずメモリに入れた。』


"パソコンを監視されてるのにどうやってデータをメモリに入れたの?メモリを渡して即好感度上がったよね?写真とか入ってた?それをどうやって見たの?"

"愛陽たん…敵わないな。俺はメモリの中身を読む魔法を作ったよ。"


彼は口元を歪ませ、数秒間、私から目を逸らした。彼の動揺は隠せない。

"それで人の心も読める?"

私は一歩踏み込んで問い詰める。

"は?!読めるわけないだろ?それも愛陽たんが言ったの?ひっど。"

坂本さんは声を荒げ、思わず立ち上がりかけるが、すぐにベンチに座り直した。

『いいえ。言ってないのはあなたが一番わかってますよね?』

『リュー好感度アップ』

『確定ですね。』

「あーもう。やられた。コンボかよ!そうだよな!優秀な愛陽たんは君のナビだ。」

"私に読心の耐性作ってくれるなら黙っててあげる。光とか言ってるけど実は闇でもできるでしょ。アオが精神系を動画にできないの見越して渡してきた。"

『リュー好感度アップ』


"くそっ!分かったよ!"

坂本さんは闇魔法の読心耐性バフを送ってきた。私はそれと隠蔽に隠蔽をかけた。うーん。性能微妙だな。

"坂本さんは、闇魔法だけじゃなくて小説でスキルが作れる能力だね。MP150で常時読心できるとは思えない。そのスキルで魔法創造(闇)を作った。スキルの方の耐性もくれる?"

『リュー好感度アップ』

この好感度告知システムは防げないんだね。

私が見抜く度に好感度が上がる。

彼は知ってもらいたいと思っている?

『有能な人材が好きすぎるんです。きっとアオへの好感度も上がりまくっているはずです。』


"やめてくれよもう。勘弁してくれ。"

坂本さんはパッシブスキル読心耐性を送ってきた。が、こちらは更に性能が良く無い。MPという対価が無いからかも。


ていうか好感度上がるタイミング。愛陽の言ってる事が正しいとして、追い詰められて上がるとは割とドMだ。こういうやり取りが楽しいのかも。


"有能女子が好きなのか。やばいな。ハナさん有能すぎてドンピシャなんだけど。"

"絶対に無いわ!俺自由と歳下が好きなんだ"

"ダブルで否定してきたww最近ハナさん若返ってきたけどな。"

"どうせ美容チートだろ。俺が言ってんのは精神年齢の話。ハナたんが口うるさすぎるのは論外として、一貫して逞しすぎるんだよ。"

逞しすぎて何が悪いのか。

すると彼は私を真剣な顔で見つめた。

"君はね、ポンコツさと優秀さ、儚さと強さのギャップに目を離せない。僕は君を好きになりたくない。せめてその二面性を何とかしてくれないか。"

私は横を向く。

"ええ。わざとではないよ。"

『リュー 好感度ダウン 愛情ダウン』


「そろそろ帰ろ。」

坂本さんはどんどんボロが出るのが嫌で早く切り上げようと立ち上がる。

「分かった。」

私も続いて立ち上がる。

「柏木さんと仲良くなったら私にも紹介してね。」

『リュー好感度アップ』

"ちょwwこれ以上俺を誘惑するなwくそっ!魅了の耐性作るのは急務だ!"

いや誘惑してはないし魅了とか持ってへんわ!


『先取り報酬 イベント 密約 リュー絆アップ パッシブスキル精神攻撃耐性』

私はこの耐性をリューに共有して隠蔽をかけた。

『リュー 絆アップ』


よし、本気で取り込んでいこう。


私達は恋愛関係にならなくても協力し合える。異世界が一番大事という価値観だけは一致しているのだ。

彼にとっては自分の小説を動画にして宣伝する佐々木さんの事もまた重要。だから裏切るつもりは毛頭無い。

ただ不当に行動を縛られ能力を制限、搾取される現状から脱却したい…ん?


彼がよくネットカフェで仕事をする理由は、パソコンの中身を覗かれるから、なら常時監視は嘘ではないの?ネカフェに行けば、何故家で仕事しないのかと咎められるでしょ。


『彼は意図が分かりづらいですね。夜闇との意思疎通も困難ですし。例えば家には監視カメラと盗聴器があって、外では比較的自由なのかも知れませんね。だけど彼自身外に出る事があまり好きではないし、着替えの時から夜眠る時まで監視されるとなると心の休まる暇は無いですね。ストレスが溜まっているのは間違いないでしょう。』


なるほどね。

どちらにしても、彼も手放してはいけない人材だ。

魔法を使える佐々木さん、スキルを作れる坂本さん、どちらも私には必要な存在なのだ。むしろ地球組には、スキルの存在の方が必要だよね。

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