【裏話12】サポートキャラの野望、もうひとつの理由
坂本隆二(リュー/香坂流星)
ほんとはスマートウォッチよりサイコン欲しかったけどな。
俺は絆が上がると良いものが貰える可能性に気付いた。
夜闇、本当にダブル主人公なのか?だったら俺も主人公って可能性無いか?
『権限がありません。リューは主人公じゃなくサポートキャラ』
アオもサポートキャラじゃね?
『権限がありません。現在その情報は秘匿されています。』
現在秘匿されている?てか権限ありませんは実質肯定だよな?
好感度でキャラクターごとイベント起こるんだから、絆でも分岐起こるよな?パートナー交代の可能性はある?
『…権限がありません。現在その情報は秘匿されています。』
おお!間で伝えてくるとかお前最高か!!
なら好感度ではなく絆を上げていく方が良いな!アオより絆の上がりやすい関屋さんを取り込むことに決定だ!
俺は闇魔法のドレインタッチを作る。そして、魔石から取り込んでMPを増やした。
翌日メモリを受け取って絆アップ、スキル盗聴の機能アップで魔力で触れた場所に盗聴器を仕掛けられる様になる。しかし相変わらず異世界間盗聴はできない。違う世界にいる時の記録は機器に触れないと回収できない。
昨日はスキルによるリアタイ盗聴器を自分の部屋に仕掛けていた。そして時間は止まっているのではなく二人がいなくても進んで戻っているのだと確信する。俺は佐々木道太、花さん、関屋豊、柏木みつきと会った時は積極的に話す様に決めた。
俺はマンションエントランスへ。
"アオ、ノルマ行ってくる。"
"ああ。リュー。あんまり調子乗っちゃダメだから。分かってる?"
"分かってるけど、今日なんでそんな怒ってんの?俺なんかやらかした?"
"いや、何でもない。距離感は適度にね!"
"分かってる。隠れ蓑だってバレる訳にいかないからな。適度に詰めるよ。"
"え、そっち?!"
俺はアオを揶揄いつつ外へ。
『イベント 痴話喧嘩 進行中』
ええ?!今から一気に距離詰めて今日中にやっちゃう予定だったのに今から喧嘩しろって?!
「あれ、ウエア買ったの?似合ってる。」
結構お洒落だ。俺はどこのメーカーかとサイクリングウエアを鑑定した。
すると製作者佐々木蒼太…それ着て来るとかひくわー。
「って…うわ。製作者。何その独占欲。俺もうそろそろアオの事怖いわ。」
「ナチュラルに鑑定してくるとか。」
「君もしてるだろ。俺の自転車の値段当てたし。」
「値段とか出ないわ。愛陽が当てたの。」
「やっぱりね!やっぱり君の洞察力の源はマナビたんだ!さすが!」
からのこれみよがしにマナビたん褒め。マナビたん、ああ。可愛いよマナビたん。俺はマナビたんへの全力リスペクトであえて彼女の好感度アップを狙う。コツは某小説のナビゲーションシステム、ラファエルさんを想像する事だ。だがラファエルさんは愛情が高まりすぎる!俺の愛は止まらないぜ!
『何なのそのテンションw二次元に恋するの怖いからやめて?てかナビゲーションシステムは人ですらないよね?!』
"他人のナビ褒めすぎで引くわ。夜闇に何も思わないの?ナビにも心あるんだよ?"
"いやそれ君にだけは言われたくないわ。サポートキャラにも心はあるんだよ。そんなの着てくるとかどういう神経してんの。"
適度に喧嘩して適度にあしらって仲直り。今日のお前めっちゃ普通の女。ちょっと萎えそうになるもあの飴食べた時の顔を想像して一応好感度は上げておく。
『そのうちあの顔では好感度上がらなくなるよ?』
大丈夫。今日中にいろんな顔仕入れるから。アオも見たことない様な顔めっちゃ見ちゃるww大人を揶揄ったらどうなるか徹底的に教えてやるからww
『彼女ガード固そうだからまだやめといた方が良いって。あの感じ何となく男に不信感ある。』
そう?めっちゃ俺の事好きそうなのに。
『好きとそれは違うってタイプ』
あー。なるほどね。俺のアドバンテージは一個減るけど、俺的に楽ではあるかな。
『先取り報酬 イベント痴話喧嘩 サイクリングウエア 莉緒絆アップ 好感度アップ 愛陽絆アップ』
お。魔道具だ。防御アップと疲れ軽減付いてる。夜闇言うに製作者はアオでは無いらしい。
関屋さんから隠密スキルをもらったから俺から隠蔽をお返し。さては彼女も束縛にストレス溜めているな?
"俺に貰ったって言わないでね。"
"あー。そういう?裏切り兆候?"
"違う。後で話す。"
サイクリングデートでも念話はできるが、彼女は初心者だから公園のベンチで少し休ませる。俺は彼女の左隣に腰掛けた。
"盗聴は警戒しなきゃだけど、無言だと不自然だろ?肩抱いて良い?"
"ええ…嫌だよ。"
この距離を縮めようとしない彼女の防御的な態度は、アオの執着の被害者である証拠だ。
"俺は別にこのままでも良いけど、適度に距離詰めないと隠れ蓑だってバレるぞ?"
すると黙って彼女は左手を出してきた。
しかも微妙に指を開いてる。
身を乗り出して顔を覗くとわざとらしく顔を逸らす。
少し開いた指の間に俺は自分の指を差し込んだ。フラグが立たない様に徹底してきた彼女がこれとか、よほどに疲れてんのか。マジでこの状況、寒気するわ。
"今朝はごめん。ちょっとストレス溜まってて。"
そう言って俺はアオの部下になるまでの一部始終を包み隠さず話した。彼女は案外情に脆い。
"君のマウンテンバイクにも盗聴器を仕掛けた。申し訳ない事をしたと思ってる。"
暫く俯いて黙る。
かーらーのー。アオの関屋さんへの執着と俺への嫉妬、監視を暴露だ。
"俺はそれでも異世界に関われて最初は嬉しかった。アオとも作品作りにかける価値観が似てて気が合うと思ってたんだ。けどアオはまだ俺を仲間だとは認めてない。"
"そう…なんだ。上に立って圧力かけられるのはつらいよね。"
"圧力とかじゃなくて、俺信じて欲しいんだ。俺はお前の安全を最優先に考えている。俺がこの秘密を共有したのは、お前をコントロールしたいからじゃない、信じているからだ。"
そして小説スキルを開示。よし、一気にいくぞ。




