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第73話 先取報酬・痴話喧嘩の代償

私は佐々木さんに貰ったサイクリングウエアを身につけた。湖の周りを歩くだけでも距離がかなりあるので、自転車をレンタルしたいからウエアも売り出すとか。

でもそれは絶対に口実である。


爆食いデートを結構茶化していたけれど、おそらく気にしているのだ。佐々木さんの方が何倍も一緒に居るというのに。


『アオが爆食いさせられなかったのにリューが達成したからみたいですよ?』

なぜあの二人は私をそうも太らせたいのか。

『痩せすぎだからじゃないですか?』

理由が普通すぎるwww



「あれ、ウエア買ったの?似合ってる。って…うわ。製作者。何その独占欲。俺もうそろそろアオの事怖いわ。」

「ナチュラルに鑑定してくるとか。」

「君もしてるだろ。俺の自転車の値段当てたし。」

「値段とか出ないわ。愛陽が当てたの。」

「やっぱりね!やっぱり君の洞察力の源は愛陽たんだ!さすが!」

今日も安定のやさぐれ。坂本さんとの朝のサイクリングデートである。


"他人のナビ褒めすぎで引くわ。夜闇に何も思わないの?ナビにも心あるんだよ?"

"いやそれ君にだけは言われたくないわ。サポートキャラにも心はあるんだよ。そんなの着てくるとかどういう神経してんの。"

"朝から何で喧嘩腰なの?私もう帰ろかな。"

"ごめん。ごめんって。そのウエア見たらむかついちゃって。"

"いいよ別に。仲直りしよ。少し走って公園で話そ。"


『先取り報酬 イベント痴話喧嘩 スキル隠密 夜闇絆アップ』


夜闇がやっぱり傷付いてた件!

『とは限りませんが、いい傾向ですね。この調子でいきましょう。』

私はすぐにスキルを共有した。

すると彼から隠蔽のスキルが来た。

"俺に貰ったって言わないでね。"

"あー。そういう?裏切り兆候?"

"違う。後で話す。"


彼と念話で話しながら公園まで来た。

私は黙ってベンチに座り、坂本さんは私の左隣に腰掛けた。

盗聴を警戒して念話で話すが、無言でも不自然に思われない様にスキンシップを装って手を繋ぐ。


そこで私は驚くべき事を聞く。

なんと、佐々木さんが坂本さんを脅して監視しているというのだ。

坂本さんはブラック会社でパワハラを受けて人付き合いが億劫になり、自分が引きこもるためにマンションのカメラをハックして通路の死角に盗聴器を仕掛けて人の生活を覗いてネタを集めていたらしい。

だがそれは犯罪だ。やっぱり彼は犯罪者だったのだ。


"君のマウンテンバイクにも盗聴器を仕掛けた。申し訳ない事をしたと思ってる。"


佐々木さんは監視カメラから逆ハック、特定し、坂本さんのパソコンとスマホにメールをした。送られたのは捏造した動画データと、画像を鮮明にした監視カメラの映像。佐々木さんはその気になれば証拠も捏造できるし、どんな不鮮明な映像も鮮明にできるのだと言いたいのだ。つまり、私に近づく人間は全て、時間無双とハッキングスキルで、完全に監視下に置かれるということ。彼は私を誰にも渡す気はないんだ。


坂本さんが私のストーカーであると横井さんを使ってマンション中に言いふらすぞ、盗聴器を仕掛けた映像を警察に持っていかれたくなければ私の事を諦めて裏で私の安全を確保する部下になれと遠回しに脅したそうだ。

それ自体は自分が蒔いた種だから仕方がないし、その時はうまく佐々木さんに取り入れたと大歓喜したらしい。


"だけど、彼はいまだに一切俺を信用せずに監視し、パソコンの中身を全部把握してる。彼の頭の中では、君への執着と僕に負けるかもしれないという焦りが戦っているんだ。少しでも君と何かあれば圧力をかける。だけど俺は隠れ蓑という役割だろ?毎日会え、でも仲良くはするなって、理不尽じゃないか。それで最近病んでた"


坂本さんは、あの日記憶を小説に残せるスキルを得たという。挿絵として静止画を付けられる。だけどその事を知られたら、全ての記憶をよこせと絶対に言ってきて、今より縛りがきつくなるから、翌日の朝メモリを受け取った時に覚えた隠蔽で、小説というスキルを隠した。


"君は、俺と居る時の全ての出来事を彼に把握されたいか?そうでなければ、黙っていてほしい。"

"どうして私に言うの?隠しておけば良かったのに"

"感謝と、誠意だ。盗聴の事は本当にすまなかった。"

"分かったよ。言わない。でもバレてもおかしくないよ?アオ動画作成やWEBデザインのスキルがある。坂本さんに小説スキルが無いのはおかしい。"

"実はね、魔法創造(闇)を得た。俺のMPで実現できる闇魔法なら文章で作れる。これを固有スキルとしてアオに話す。"


"おお。でもMP150かあ…"

150ってちょっと少ないかも。


"俺が一番最初に作ったスキルは、消費0だ。"

"ええ!すごい!!何のスキル?"

"ドレインタッチ。最大を超えてMPかHPを奪い、器を大きくできる。魔石から吸収する為の魔法。そして、魔石を充填する魔法は魔力譲渡。人に魔力を渡せるが、こちらはその人の最大MPまでしかできなかった。なんらかの負荷がかかるのだろうな。"

"そうなの?じゃあドレイン私に使う?"

"はあ?!何言ってんの。そういう事ポンポン言うからアオは過剰に俺を警戒すんの!もし俺が魔力に干渉できる何らかの精神攻撃系のスキル持ってたらどうすんの?!エロい事だったらどうすんの?!自分が迂闊なの自覚して!俺が欲しいのは魔石への充填!"


『リュー好感度ダウン』


"ええ…怒んないでよ。坂本さんヘンな事とかしなさそうだもん。"

"えぇ?そういう認識?そうか、俺最初から舐められてたのか。だからホイホイついてきたんだな?"

"ていうか、今も保護者みたいに口うるさいし。"

"保護者とか…そうか。そういう感じか。"

『リュー好感度ダウン 愛情ダウン』

えぇ。なんで?

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