第71話 アオ絶叫!二人の秘密を脅かす、テレポート先の出現とハナさんの影
私は戻ってすぐに坂本さんにメモリを送った。
『リュー好感度アップ』
はあ?!なんで?!今送ったとこでしょ?!
『静止画スキルで写真でも入れてたんじゃないですか?もしくは記憶を持ち越せる系スキル。』
私は坂本さんのパーティ情報を見るもスキルも魔法も増えてない。でも。
MPが増えてる。
昨日の報酬??それの感謝?
『かも知れませんね。』
増えたステータスは時間が巻き戻っても失われないのだ。
アトソーヌに戻り西にマップを広げていくと、大きな湖があった。鑑定すると湖と出たから湖なんだろう。名前は無い。
「魚居そうだよね。」
佐々木さんは湖を覗く。
「にゃー!さかなー!!」
「ノッテ!モンスター居ないとは限らないから泳ぐのは確かめてからにして!」
「あーい!」
ノッテとカリクは仲良く水面を走る。
泳がなければ良いと思ったのかー。具体的指示って難しいな。
私はノッテ達の様子を見ながら佐々木さんに聞く。
「道を整備したらここまで村人が来れるかな?」
「馬は居ないし、彼らは飛行魔法が使えないからね…。」
「食料問題がなあ。時々の猪と大豆だけじゃタンパク質足りなくない?」
カリクとノッテはどんどん離れていく。
「ちょっとノッテ!あまり遠くに行かないで!」
「なんかあるー!」
「わんっ!わんっ!!」
私達が湖の上を歩いていくと、なんと対岸に祠。
『イベント 祠にお供物をしましょう』
『イベント 祠横に管理棟を建てよう』
当然というか、お供物が私で管理棟が佐々木さんのイベントだ。
早速佐々木さんが祠横に管理棟を建てた。マンション管理棟じゃなくて、観光施設にあるみたいなやつが建った。
「自分でもびっくりする。僕はマンション管理棟を創造したつもりだったんだけどね。イベント補正かな?」
「やっぱりここに人を連れてくる感じか。」
佐々木さんが報酬の日本酒を出した。
「文左衛門wwwドリマナールの地元への忖度が若干嬉しいんですけど。」
「ふふふ。これ、10ケースも出たんだけど。君のビールといい、酒盛りしろって事?」
こいつは最近味が変わってスッキリ系になったらしい。佐々木さんは前の方が華やかで好きだったけど、今のニーズには合ってるのどうのと語り出した。
「もういいから、お供えしよ。はやく。」
「そうだね。とりあえず一本ずつ。」
私達はお供えして柏手を打った。
『行き先を選んでください アトソーヌ エーテーシー はじまりの部屋 ヴィラSASAKI806自室』
「「はあ?!?!」」
いや、アトソーヌとエーテーシーはともかく。
「ヴィラSASAKI管理棟自室って何?!」
「こっちは806なんですけど!」
「待って!!待ってこの情報、リューとハナには秘匿で!!!絶対に秘匿で!!!!」
佐々木さんはあり得ないほど取り乱す。
「な、なんで?」
「だめっ!あの二人が来るとか無理!!!お袋より口うるさいんだ!一緒に住んでるなんて知られたらやばい!!」
彼の取り乱し方は異常だった。
「特にハナは絶対に無理!!!」
「そ、それは父に告げ口される的な?でも信じないのでは?」
「違う!彼女は僕の自立を監視する役目を買って出てる。もしここが僕らの隠れ家だと知られたら、僕の生活が完全に彼女のコントロール下に入ってしまう!家を管理するとか言って僕らの生活に絶対に口出して来る!!のんびり寝て起きて仕事しての生活が壊される!りおりおも炭水化物がっつり食べさせられるよ!あの人無意味に口うるさいからね!」
佐々木さんは一息でまくし立てる様に言い切った。
その後、虚ろな目をして爪を噛みながらぶつぶつ言い始めた。
普段なら聞こえない様な小さい声。
微かな。微かな小さい声…。
「…ハナは、この二人の空間に、僕と彼女の別のイベントの痕跡を見つけるかもしれない…。個人的に僕が困る…。絶対に阻止しないと…」
愛陽、もしかして、私聴力上がってる?
『レベルも上がってますからね。どうします?ツッコミます?』
突っ込む?何を?
『ビビりですか?』
何言ってるのかよくわかんないけども。




