表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/62

8話 ストラップ

土曜日である。

昨日ゴミ出しを忘れたのだ。父親が出してくれていた。もう凹み切りである。世の中の主婦さんはお弁当も作ってゴミ出しもしているのか!!


しかもニートだから曜日感覚が無くてぶりの味噌煮せっかく作ったのにお弁当は要らなかったのだ!!今日食べるしかない!!


土日は三食作らなくちゃいけないとか、家事手伝いって地味に大変じゃね?!


「お父さんおはよう。」

「おう。おはよう。どした?元気無いな。」

「昨日ゴミ出し忘れてごめんなさい。主婦大変だなと思って。」

「良いよ良いよ。今日はゆっくりしろ。お父さん出かけるから、飯とか気にすんな。」

「無理して出かけなくて良いからね。ゆっくりしてて。」


私は父親の朝食にスクランブルエッグと食パン、りんごを出した。

私は昨日作ったグラノーラとプロテインである。とにかくやたらにお腹が空くのだ。異世界で走り回っているからもしかしてエネルギーが足りないのかもと砂糖と油をプラスしてみた。

これでエネルギーはバッチリだ。

『足りていませんよ?基礎代謝分は摂取して下さいね?』

必要になれば体が空腹のサインを出す。それが出ないという事は体が欲していないか、体調不良などで摂取すると害になるという事。

『ああいえばこういう。』


「お前な。ダイエットやめろって。」

「え?これオートミールデブ仕様で油砂糖入ってるんだよ?プロテインはもともとカロリー摂取用に買ったんだし。見てよここ。」

このプロテインは115Kcalもある。ちなみに乳酸菌飲料の味で気に入っている。


「はあ?!なんでこれ、街路ファイターの絵が描いてんだ!これ冬麗じゃね?なんなんだこのプロテイン」


このイラストはお父さん世代の人がめっちゃ食いつく格闘ゲームのやつ。今もあるけど私はやった事がない。赤いハチマキの柔道着の人が表面に書いてあり、裏面には青いチャイナ服の女の人。めっちゃチャイナ服なのにこれで捜査官?とかいうからびっくりだ。潜入捜査かな?年齢はアラフィフ、見た目は二十代後半だ。見た目めっちゃ若い!年齢を重ねても自分磨きを怠らない女子の鑑だ。素晴らしい!私は冬麗を心の底から尊敬する!

『冬麗 好感度アップ』

嘘だろ。

『嘘です。ごめんなさい。』


「私の一番好きなプロテインで、もう販売終了すると聞いて買い込んだの。めちゃくちゃ美味しいんだから!」

「へー。こんなのあるのか。プロテインに美味しいとかの概念があるとは知らなかったよ。」

「今はスーパーで紙パックのやつが買えるよ。忙しい時の栄養補給におすすめ。」

「ほうほう。じゃー今度飯食う暇ない時買ってみるわ。」


『報酬 イベント街路ファイタープロテイン 関屋豊好感度アップ プロテインマイスター資格』


私は格闘ゲームをやらないのだけど、この格闘ゲームの存在は私はハイスコア少女というアニメで知った。お父さん世代をターゲットにしたアニメなのだろう。


というか、今の私達よりも若い世代が見るアニメでも、その層をターゲットにした演出が割に多いのだ。かぐやたんの告らせバトルや村井恋愛とかのラブコメで、ドラマティックなシーンで流れた『チャカチャーン』っていうイントロはお父さん世代の超絶有名な曲のオマージュらしい。


ご年配なのにめちゃくちゃ素敵な声の人なのでその歌手の名前は一応私も知っている。そのチャカチャーンの曲より保険かなんかのCMで流れた声の方が私の好みではある。あんな声どこから出てるのだ。整数次倍音に分類され澄んだハリのある声で、奇跡の声と呼ばれているらしい。ご本人は持って生まれたものに感謝していると謙遜していたが絶対に嘘だ。持って生まれただけではああはならない。


『とりあえずその歌手が好きってことはわかりました。』

別に好きではないな。3曲しか知らない。ていうか私はあまり芸能には詳しくないのだ。



朝食が終わってから私は始まりの部屋に行き、ノッテにおはようの挨拶。


「りおりお!おはおー。」

りおりおゆーな!

「りおりおじゃなくて、莉緒ね。覚えて。」

「おはおー。りおねー。はらへり。」

いや、莉緒姉も嬉しいけどとりあえずは私の名前を正しく覚えて欲しい。


昨日あげたお魚は全部食べたみたいだ。

私は錬金術でドライフルーツを作れる様になったので、そのレシピを利用して、猪肉と鶏肉ジャーキー(ペット用)を作った。


魔法だと塩無しで作れるのだ。

インベントリにノッテの項目を作り、大量に作って保管した。ここから毎日決めた量のご飯がノッテのマジックバッグに送られる様に設定した。


そして土魔法でテーブルと座椅子を作り、そこでビーズアクセサリー作り。ラックビーズでストラップを作ってスマホに付けた。

『ありがとうございます!嬉しい!!』

ナビさんは可愛い人だな。

私はブレスレットにして自分につけた。

ノッテの首輪にも付けた。

『イベント スマホストラップを二個作ろう』

「はい。私は勘がいいので意図は分かりました。」

『デザインは変えてくださいね。パパとカレシが同じとか嫌なので。』

カレシじゃねーわ!!


とりあえずまあ、パパのから。

ビーズは色んな色があるので、父親は黒にしよう。錬金術レシピとスマホ見ながら…って!

ちょ!!!インターネット繋がってるんですけど!!この部屋ニート仕様なんですけどお?!

『部屋ではなく私の仕様です。パソコン持ち込みでテザリングできます。通信料0円』

「神か!!!」

『神ではなくナビです。』


父親は黒のストラップ、佐々木さんには黄緑色。金具とかちゃんと使ったやつ。っていうかね、手作りのプレゼントとか怖すぎないですかね。私だったら投げ捨てて逃げる。


『大丈夫ですよ?イベントなので絶対に受け取ってくれます。』

佐々木さんがイベントキャラクターな件。

『報酬は家に戻ると届きます。』

「まじか!」

私は即座に家に戻る。


ピンポーン

「はーい!」

「宅配でーす。」

うっそだろ?!

受け取って中身を見ると何だこれ!前に懸賞で何となく送ったやつじゃねーかよ!しかもいらねえ!何であの頃の私はこんなもの応募した?!


『内容も見ずに片っ端からインターネット鑑賞に応募したとデータにはありますね。』

データ?!私のデータがあるとかびっくりだわ!

『当選した人物の調査をするのは当然です。』


「小麦ファイバーとソイファイバーとオオバコとイヌリン粉末、低糖質甘味料のセットとか。」

てか小麦ファイバー100g7Kcalしかない訳よ。

「いらねえ。食物繊維とかまじでいらねえ。」

これ食べても栄養補給にならねえ!!食材としての意味を無さねぇ!


ピンポーン

「はーい!」

「宅配でーす!」

いやおかしいだろ!

届いたのはヨーグルトメーカーティアヨーグル。

なんと、ヨーグルトだけでなく甘酒や発芽玄米、寝かせ玄米ご飯ができるぞ?!

痩せるわ!玄米とか食べたらキレート効果で痩せすぎるわ!しかも寝かせ玄米とか作ってられるか!三日もかかるぞ!!


「あのーもしかしてー。パパ用ですか?」

『その通りです!』

パパン中肉中背だと思うんですけどね!

『隠れ肥満で脂肪肝です。市販のお惣菜と菓子パン、清涼飲料水を飲み過ぎなんです。莉緒さんが今までご飯作らなかったせいで糖尿病一歩手前です。』

何故パパンの健康状態をナビさんが知っている!


ピンポーン

「はーい!」

「宅配でーす。」

ちょまてよ!

『突然のムラタクに驚きを禁じ得ない』


「デデン!!」

私はウキウキしながらダンボールをテーブルに置く。

今度は何だろうね!

『正解は、越後米菓!!』

私が段ボールを開ける前にナビさんが即座に答えた。ナビさんのネタのチョイスがおかしいw

『おかしいですか?世代は合わせたはずなのですが。』

いや私のネタが古いのだというのは分かった。全て父親のせいだ。


「やっとまともなの来た!!コーヒーメーカー!!!」

箱を開けて大歓喜。嬉しすぎて早速設置した。


とりあえず買うものは玄米と、コーヒー豆と、新しい牛乳。

『イベント 農村アトソーヌに行こう!』

「あー。了解っす。」


サクサク猪を倒して農村に到着。

「こんちわー。猪屋さんでーす。」

『報酬 乳搾り体験』

まじかー。


農村で猪をあげる代わりに乳搾りをさせてもらえる事に。ちなみに魔石は返してもらった。

乳搾りを手伝った。なんとノッテがめちゃくちゃ上手かったのだ!!ミルク缶2つ貰いました。お礼に魔石渡したらミルク缶一つ追加されました。

『報酬 牛乳マイスター資格』

謎の資格www

錬金術レシピにミルク缶が追加されたけどもアルミもスチールも無いんだわ。

『缶瓶を集めましょうか!』

こないだ出したところだわ。


分かって来ました。仲間引き入れイベントだね?ストラップ渡すんですか?


……

無視である!即ち肯定。

まじかあ。

でもね。マンションのゴミが一気に無くなったらそれはそれでおかしくないですかね。

『全部ではありません!半分で十分です!』

やっぱり仲間引き入れイベントじゃねーかよ!


……

無視である!

とりあえずまあミルクは浄化して冷蔵庫にあった飲むヨーグルトとともにヨーグルトメーカーに1リットルセットした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ