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第65話 悠久のエアリアルと裏切りのトリガー

私だけ異世界に行っても佐々木さんの時間は進む。佐々木さんが途中で参戦して私が佐々木さんの時間に戻れば坂本さんの時間も進む。

佐々木さんが私の時間に戻れば坂本さんの時間も戻る。


ある時坂本さんは佐々木さんに言った。

「アオ、俺の時間を進めて欲しい。小説のデータを渡すから、関屋さんの時間に戻してこのデータを朝の僕に渡して欲しい。」

そんな恐ろしい事よく試す気になるな。

「だって、同じ事だろ?俺がデータ渡しても渡さなくても莉緒さんが時間を何日も進めて巻き戻すんだから。便乗した方が得だ。」


地球版ナビは、異世界の情報にロックがかかっている。だから横井さんにも坂本さんにも言う必要は無かったのだ。

それなのに佐々木さんは時間無限を地球で使う方法はないかと真っ先に坂本さんに相談してしまった。

どうしてそんなことを伝えてしまったのか。私だったら地球組には絶対に伝えない。

「彼への一番の対価だと思った。僕達の様な職業の人間が一番欲しい能力だから。」


佐々木さんは彼の作品のファンなのだ。


坂本さんは、自分が作ったのかもよく分からない知らないデータをパソコンに取り込んで、そこからまた続きを書く。

坂本さん曰く、この異世界転移の最大のチートである時間無限を使う事ができる様になったというが、そのデータを読めば自分が書いたものだと断言できるのが謎だ。

声や動画では無いのに。


彼はちょっとした思い付きでも保存し自分のマジックバッグから佐々木さんのインベントリに送るのが癖になった。渡されたデータに佐々木さんにとって都合の良い様な物が入っていたらどうするというのか。自分の作品を改変される可能性に気付いていないのか。


「彼はそんな事しないよ。俺の作品をリスペクトしてくれてる。」


なんなのその信頼は?!ファンだからこそ危ないって事があるでしょうよ!

ちなみに、部屋から異世界に行く時私がどうなっているのか知りたいと言うのだが、時間が止まるのだから観測できないだろう。

どのみに私は彼をまだ部屋に上げる気にはなれない。彼の部屋に行く気もしない。ちなみに異世界から地球に帰るときは存在が消える。


佐々木さんは元カレという立場上今カレの坂本さんと表立っては仲良くはできない。そうすると普段は横井さんを頼るしかないのだが、横井さんは普通の感性をしているかも知れないので、時間無限は伝えてはいない。

嫌悪感を抱くかも知れないからだ。


坂本さんは今書いているものとは別に新しい作品を書き始めた。

悠久のエアリアル

空想ファンタジーに思いを馳せる少年と、彼を現実リアルに繋ぎ止めたい少女の物語〜


主人公は大野空おおのそら、あだ名はエア。ヒロインは蓮実瑠莉愛はすみるりあ、あだ名はリア。二人合わせてエアリアルだ。

突如転移した先は白くてだだっ広い部屋。空想と現実の狭間の部屋。


彼らは地球と空想世界を往復し、魔法を開発したり空想世界のイベントをクリアしながら、エアが空想世界に飛び出していってしまわない様にリアが必死に狭間に繋ぎ止め、エアをうまく誘導して狭間の部屋、二人の隠れ家を充実させていくのだ。

彼は私たちの物語だというが、現実世界の事は全くの創作でいくらしい。誰かが読んでバレるといけないからだ。


ゆるーく淡く二人の距離は近付いていく。エンディングは二人が異世界で永遠に暮らすか、地球で一緒になるかなの?と聞くと、長編にするつもりで私達の関係が終わらない限り続けるつもりだと言われた。打ち切りエンドになる場合のストーリーはもう既に決まっているらしい。


「もしも俺を信じられなくなったとして一旦離脱する事があっても、俺はいつまでも待つのでまた声をかけて欲しい。」


彼はそう言った。

続編に繋げられる様な終わり方を考えていて、私達の気が変わるのを待つと言うのだ。

彼は自分がいつ切り捨てられても大丈夫な準備をしている。だが作品をエタらせるのだけは絶対に許せないのだという。


佐々木さんは作品に出てくるキャラクターのキャラデザをしはじめた。


キャラクターが魔法を使う動画を作っていくつもりなのだ。私がホームページを作り、そこから動画サイトに誘導。私達は魔法を作りながら坂本さんの作品を動画にして宣伝する。

同時に佐々木さんの動画作成の技術も見せつけて知名度を上げて仕事を増やしていく。


魔法も量産できて一石三鳥。坂本さんは毎日更新のために書き溜めを始める。私達の持っている魔法を彼と共有し、必要な魔法を考えてもらう。


佐々木さんの今一番欲しい魔法は、坂本さんのMP問題を解決する為の魔石取り込み魔法と、白い部屋で空の魔石の再充填をする魔法だ。

これにより変声魔法が使えれば一日中一緒に居られるという。


だけど、管理人室でWEBデザインや動画を作成をしていた佐々木さんがいきなり小説を書き始めたら怪しまれると思うのだが。それに、マンション業務を関わりのない他人に任せるなど、犯罪が心配ではないのか?私は佐々木さんの人を信じすぎる所が心配になる。坂本さんは元々非常階段を盗撮する様な倫理観に欠ける人なのだ。


「彼は僕を裏切らないよ。異世界を絶対に諦められない。」


坂本さんはいつまでも待つなんて言ってるけど、一旦与えられたものを理由無く取り上げられるのは不満になるのだ。

愛陽いわく、不当に疎外されたり、騙される事、私を本気で好きになってしまう事が坂本さんが裏切るきっかけになるという。

坂本さんと佐々木さんの好感度親密度が私より高くなれば裏切りの可能性は減るかな?

『可能性は高いですが、パーティ絆アップの方がより効果的です。』


これは私の胸にしまっておくか。


闇魔法を動画にするアイディアは全く思い付かないので坂本さんにお願いしてある。

ちなみに私の欲しい魔法は転移魔法だが、こちらはまだ難しそうだ。他の作品にもあるのに、何が原因で習得できないのだろう。

『禁則事項です♪』

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