第52話「クソ野郎に託す」拗ねる佐々木を吹き飛ばした、ナビの暴露
私達ははじまりの部屋に来ていた。
「えぇ?坂本さんにバレた?」
佐々木さんがタブレットを置いて私を見た。
「そう。非常階段で何もない所からマウンテンバイク出したの見られたらしい。とりあえず誤魔化した。隠れ蓑になるから仲間入れてって。あと、横井さんは信頼できるって。」
って言ってもどうやって隠れ蓑になるつもりだろう。
「階段やめてってあれほど言ったのに。実は僕のとこにも坂本さんイベント出てさ。永遠が坂本さんはここに来られないって言うから仕方なく。」
実は私を見かけた時から出てたらしい。
「私のとこに送り込んだやつ?タイトル教えて。」
私は腕を組みあえて不機嫌を顔に出したまま尋ねた。
「やだ。」
『クソ野郎に託すでござるな。莉緒さんをお願いしますって言ったでござるよ。』
「クソ野郎に託すとかwwしかも自分で送り込んだ癖に好感度ダウンするとかちっさ!」
私は耐えられずに吹き出した。
「ちっさとか言うのやめてwww」
「子供ww」
「子供とか言うのもっとやめてww愛陽がそう言うのがおすすめだって言うからわざわざ言ったのに。」
『やはり間に受けてましたね。』
「あれね、イベントで会話の方向性間違えたから愛陽が修正の為に茶化したの。佐々木さんもイベント開示してくれたら手伝ったのに。」
「でも開示しなくても察してくれたし。」
佐々木さんはふふふーと嬉しそうに言う。
坂本さんは7階で見かけた時手ぶらで、一階非常階段から出てきた時にマウンテンバイクを持ってたと指摘された事を伝えた。
「待って。それで何も無いところからマウンテンバイク出したって表現にはならないでしょ。」
「あー。でもその時誰も居なかったよ?」
「カメラ仕掛けられてるね。管理人代理権限で文句言えるかな?けど、それが坂本さんのだとは断言できないか。とりあえず戻ったら即回収だ。関屋さんは階段禁止ね。」
「盗撮いつからなんだろう。私ね、初めて坂本さんと会ったのはカリクイベントの前なの。その時は好感度が足りなくて候補に出なかった。階段使い始めたのはその翌日から。会う機会が無くてイベント発生しなかったの。」
「うわあ。僕より坂本さんフラグの方が前とか!!カリクが逃げてくれて良かったよ。カリク偉い偉い!!」
「ばうわう。」
佐々木さんはカリクをわしゃわしゃする。
「ノッテも!ノッテも!!」
「ノッテかわいいねー。偉い偉ーい!」
ノッテが佐々木さんに懐きすぎである。
動物の扱いがうま過ぎるのだ。
「佐々木さんを激推ししたのは愛陽だけどね。二番手が横井さん。でも横井さんとお父さんは人材としての価値に対して戦闘能力が皆無で、連れてくると誘拐のリスクもあってかなり難易度が上がる。」
「成程。ここで待たせてクラーケンを君とノッテの二人で討伐しなくちゃいけなくなるのか。で、坂本さんは?」
「坂本さんだと多少の戦闘能力はあってもシーフ系だからなあ。ウルフ防衛はともかくクラーケンは難しいね。彼は地球での情報収集に適正があるらしいよ?」
「ふむ。君と僕は大魔導士と勇者だから王道パーティだね。」
「なんか、坂本さんいわく、けたたましい音が階段から聞こえてくるのを何度も聞いたって。だからだいたいの私の行動パターンを知って待ち伏せできたんだって言うけど本当かな?」
「ならカメラだけでなくて盗聴器もあるかも。でもな、あそこ電源無いんだよ。」
「電源いらない盗聴器とかある?」
うーんと二人で唸る。
「で、彼の適正は諜報能力、分析能力、罠の察知、解除、解錠と、演技とコミュニケーションとライティング、それから運転技能か。魔法は特に闇魔法適正が高いと。ライティングはともかく諜報と演技に解錠とか完全に窃盗団とか詐欺グループとかのそれじゃない?」
「マンションの監視カメラハッキングとかしてたらどうする?犯罪者なのかな?」
「うわあ犯罪者はやだなあ…。」
「闇魔法は気になるけどね。」
「闇魔法の定義が分からないよ。魔石が無ければ使えないみたいだし。」
「やっぱり僕が魔法作るんじゃない?だけど条件付けが難しいんだよ。ゲームやアニメのイメージがあれば作りやすいけど、設定を作るのがね、僕動画専門だからさ。闇は精神系のイメージだから動画にしづらいね。」
「創造魔法チートだわあ。」
「彼を引き入れたら魔法共有で闇魔法使える様になるけど危険な魔法を作れば僕らが闇魔法使われる可能性あるね。君は特に気を付けてよ?ほんとに人信用しすぎなんだから。」
「彼に負ける気はしないし、イベント出てたらそれに沿うしかないでしょ。」
「やだなあその発想。」
「佐々木さんだってそうしたし?なんなの莉緒さんをお願いしますって。ほんとやだわ。」
「あれれ?もしかして拗ねてる?」
まただ。佐々木さんのニヤリ顔。
「拗ねて無いよ。まあ今日のところはアトソーヌいこうか。イベントの方が大事だよ。」
「だね。いこ。」




