第4話 20歳の引きこもりと異世界卵で人生初のTKG。動かなかった私が今、米を炊く理由
この白い部屋のデータを教えてと念じる。
部屋の名前ははじまりの部屋。安全地帯らしい。プールを越えた先に扉が。扉を鑑定するとミニゲームの部屋と書かれていた。
今日のクエストは身体強化を使ってコッコの卵を3つ集めること。
報酬はマジックバッグ極小。卵3個集めるのに身体強化っていうところに嫌な予感しかしないんだけど。私はスーパーの袋と卵ケースをボディーバッグにしまうと扉を開けた。
目の前にでかい木。コッコの巣は木の上。
「はぁ?コッコって鶏よね?卵はどこなの?」
『木の上です』
見上げると高いところに巣の様なものが見える気がする。あの鳥の巣を鑑定。
「あれかー。コッコの巣」
私はめっちゃジャンプしてあの枝に飛び乗る。
「一発かよ。あたまおかしいだろうが」
枝に跨って卵を鑑定すると、無精卵が三個と有精卵が二個。無精卵だけを卵パックに入れた。
『報酬 木登り技能 マジックバッグ極小 ボディバッグに収納されました。』
ボディバッグを見るとマジックバッグが入っていた。
試しに「風空術」と唱えると、ふわりふわりとゆっくり降りていけた。
素晴らしい。アニメの技が使い放題である。
とりあえず卵をクリーンして冷蔵庫に入れた。
そして戻る。鳥の巣に鑑定を発動。コッコの巣卵5個。
やっぱりか!ゲーム仕様だこれ!
隣の部屋との往復では復活せず地球との往復で復活するみたい。
とりあえず21個集めた。
たまご…卵といえばあれしか思いつかないよ!
私は逡巡する。米。炭水化物。私はちょっとだけ鏡の前に立ってみる。
いや、いやいや。だがっ!だがしかし…!
この初異世界食材を、シンプルに味わうには、どうしても「あれ」が必要だ。
やはり初異世界食材、素材をシンプルに味わうにはあれしかあり得ない!
よし!久々に米、米を炊くぞ!!
米を炊いてお茶碗に入れた。
卵にクリーンして鑑定を発動。生食できますか?!
『できます!』
いやもっとこう、生食可とか出ると思ったやん。
『生食可』
いやいや、ええんやで。話しかけてくれた方が嬉しいんよ。こんごともよろしく。
いつもは頭の中に浮かぶ声が、スマホ画面に文字で出た。
『コンゴトモヨロシク』
ちょ!何でそれなの!ナビさんのチョイスよ!
私は卵かけご飯は直接割らない派だ。別のお椀に卵を割って、しょうゆとうまみ調味料を入れてまーぜまーぜー。
そしてご飯にかける!
混ぜて混ぜていよいよ食べるぞー!
ご飯は少なめでとろりとしてるのが好きなのだ。麺つゆや味醂を入れない派。
「おいしー。うまーい。なにこれー」
語彙力。
ぺろりである。
やばうますぎ。
私は冷めたご飯を冷凍ストックした。
次は出汁巻だ!
あっ!巻けない!なんで!うわ!!最悪!
私は諦めてオムレツ仕様にして端にかため、お箸じゃ無理だったのでシリコンスパチュラでひっくり返し四角い形にしてラップに取り出した。くるくる巻いて何とか形になる。
「20歳にもなってだし巻き一つ作れないとは」
冷まして切り分けて端っこ食べたら美味しい。
お皿に盛ってラップして、冷蔵庫に書き置きをマグネットで貼る。
「冷蔵庫にだし巻きあります。食べてね〜っと。ふはっ。小学生か!幼稚すぎる私まじ終わってる」
私は今までこんな事すらして来なかったのだ。
私はお父さんにメッセージを送った。
「町内会は何日の何時ですか?」
『イベント卵焼き 先取り報酬 アイテムボックス』
「まじかー!アイテムボックスきたよ!!」
『はじまりの部屋へ移動しますか?』
「しますします!」
来たら、大きな箱があった。
ええ…アイテムボックスってそういう感じかー。
しかも移動不可かあ。
え、容量無限、時間停止機能付き。
やばい。これすごくね?はわー。入れたものがリスト化するわあ。
その後卵を集めるため地球と往復した。地味に時間食った。パパンの部屋に入ってベッドと部屋にクリーンをかけた。トイレも掃除。
何これもう日常がゲームなんだけど。普通にゲームとかやってらんないわー。




