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【裏話41】夜闇の疑似恋愛サポート:ビビリが引き当てた正解

坂本隆二(リュー/香坂流星)

建国祭。

俺はアオと話し合い、シーフではなく闇魔導士として国民に紹介される事になった。大魔導士である莉緒の人気に乗っかる為だとアオは言うが、恐らく賢者としての権限を俺に持たせたくは無いのだ。

俺は転移の開発をしたし、そして識字率アップや教育を俺が担うなら、いずれ賢者になれるだろうが、莉緒が自立するまでとなると難しいな。


「闇魔導士で小説家のリューです。僕は物語を書く事を生業としている。よろしく。いずれはこの国の識字率を上げ、教育の機会を増やし、生活水準と社会の発展、向上に貢献したい。建国に立ち会った仲間として、共に手を携え国の発展に取り組んでいこう。」


小説という娯楽を与えてリューの支持率を上げつつ教育をして村人の知能の向上を図ろうと言ったのは、他ならぬ莉緒だ。彼女は俺が賢者になる事を望んでいる。言語に日本語を提案した理由も正しく理解した。

俺の小説の描写を、齟齬なく国民に伝える為だ。彼女は国民に小説を認知させる事で、スキルの開発能力を上げようとしている。


俺に権限を持たせようとしているのは、国の発展の為なのか俺に対する個人的な信頼や愛情なのかは分からない。だが彼女はイベント進捗や主人公との親密度により能力が上がる事を知っている様に思えた。


自分は大それた肩書はいらない、ただの料理人で良いなどと言う野心の無いみつき。

彼女との距離を急速に詰めて、何とかみつきに力を持たせようとしているのだ。莉緒は女友達に抱きつく様な距離感の子じゃない。むしろそれを冷ややかに見て輪に入れず孤立するタイプなのだ。それが今やみつきと抱き合うパフォーマンス。

俺との距離を必要以上に詰めるのもその一環かも知れない。

『リュー。客観的に見れてないよ。花見や大道芸の時の莉緒の顔思い出して。』


分かった、気を付けるよ。

だから夜闇も、俺にあまり感情移入しない様に気を付けてくれ。

『分かった。』



「あ、あそこ空いてそう。」

「よし、行こう。」

俺は莉緒の左手首を持って空席に向かう。

ノンアルビールで乾杯。

今日は全員禁酒だ。

「めっちゃ人材足りないよね莉緒。」

俺は莉緒にギリギリ聞こえるか聞こえないかの声で話す。国民には聞こえない。盗撮熟練度の低いアオにも聞き取れない。

「今日はその発掘も兼ねて村人と交流してね。文字は日本語を広めるかここの文字に翻訳するかだけどこれだけ識字率が低かったらやっぱり日本語広める方が良いと思うよ。字数多いのもちゃんと理解してるけどさ。」

対して莉緒は騒音に負けない声で話す。


「一般的に使われている文字が分かれば良いんだけどね。日本語は俺の労力よりも習得難易度が高いのが問題だ。」

俺はあえて眉を下げ、不服そうに言う。

「まあ、頑張れ。」

「丸投げwwwまあ教材作って子供の教育から始めるよ。」

俺はわざとらしく笑った。


「大変な役目だけど、頑張ってね。」

莉緒は労うフリで無理難題をさらりと押し付ける。長期イベントによる俺の能力向上を狙っているのか?


俺は呟くような声で言った。念話じゃなくて、俺の声で伝えたかったんだ。


「莉緒、異世界連れてきてくれてありがとう。お前のお陰。アオには内緒だけどな、実は俺お前の事ほんのちょっぴり好きだったんだよ。」


莉緒は盛大に吹き出し口に手を当てた。

口の動きを読まれない為?アオが盗撮している事にもう気付いている?

「それもう知ってるwww好感度上がりすぎなんだけどwwwでも女興味なかったよね?」


ん?愛情ではなく好感度?


俺の気配察知に、二つの大きな存在感。

なる程ね。

莉緒は気配察知持ってないのにこの雑踏の中俺より早く気付いたの何で?

『魔力感知だね。リューの気配察知より遥かに性能が良い。ループ最後の夜も二人が潜んでるのに気付いてた。』

なる程、結界張れる様にしてたのか。俺が信用できるか試す為に。

『多分そう。』

良かった。何もしなくて。


『今のとこ良い感じにリューのビビリが連続で正解を引き当ててるよね。アオのビビリは間違いを引き続けてるのにね。』

ちょ、あれと一緒にすんなよ。俺はビビリじゃなくて思慮深いんだ。

でもなる程、夜闇の言いたい事は伝わったよ。ここで必殺技使えってか?


「無いなあ。もうほんと面倒臭くてさ。莉緒とか特別面倒臭すぎて寒気するわ。絶対無理。一番嫌いなタイプ。俺泣く女とか無理なんだわ。何で好きなんだろ。異世界以外好きな要素無いんだけどwww教習所接待疲れたわあ。」


俺は心底うんざりした顔を莉緒に向けた。

くらえ!渾身の突き放し攻撃だ!!


「流石に言い方が酷いんですけどwww何で自分で告白してその流れで拒否ってくんの?意味分かんないww」


莉緒は俺の攻撃をものともせずわざとらしく爆笑する。そっちがその気なら追撃だ。

くらえ!範囲攻撃!


「いや、アオには毎度押し付けられてさ、ほんと困ってるのよ。いや特にあの海と教習所丸投げはさすがに無いわ。挙句自分のせいで無視されてんのを俺に八つ当たり。どんだけ不甲斐ないの?ほんと無理なんだけど。親友とか言ってがっつり頼りやがって。お前も彼氏に言われたからってのこのこ来んなっていうね?これからもお前ら喧嘩する度に面倒見させられると思うとほんと憂鬱。…まあこれからも兄貴ポジションでよろしくw」

「ハイハイ。よろしくね。」

莉緒は全く意に介さない。

くっそ!


「まあ頑張れ。今日だったら多分拒否られないから。いつもの悪女パワー全開でいけよ?思わせぶり攻撃でめっちゃ誘惑してやれww俺に言ったみたいにちゃんと本音も言ってやれよ?」

「ちょwやめてwww」

「次は逃すなよ?」

「もう!」

莉緒はガタンと立ち上がり、憤慨して去って行った。

アオには範囲攻撃通ったと思う?


『通っても多分あいつは改めないよ?だって親のカードで貢ぐ様なクズだし。でも最後のは強烈だったと思う。きっとマウント取られたと思って今頃めっちゃ悔しがってるよ!』


プププww切歯扼腕せっしやくわんするがいいww

俺は仕返しができてちょっとだけ溜飲が下がる。莉緒はここ最近ずっとアオに本音言えてないからな。言える訳ないわな。伝わらない上に関係悪化するなら労力の無駄だ。


夜闇、これからも俺のメンタル守ってくれよ。

『もちろん。取材も疑似恋愛もサポートするよ。クズだらけの世の中でリューだけが馬鹿正直に生きる必要無いしwwせいぜいこの立場楽しみましょw』

お前最高なんですけどww


『イベント 本音の語らい 盗聴機能アップ 恋愛アドバイザー2級 莉緒 絆アップ 好感度アップ 愛情アップ 親密度アップ 夜闇 絆大幅アップ』

きたきたw一箇所のみ一日合計2時間異世界間リアタイ盗聴可能。リアタイ盗聴より会わなくても好きな時にデータ回収できる能力の方が欲しいなあ。

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