【裏話38】影転移の脅しと『勇者アオを手放さない』共同戦線
坂本隆二(リュー/香坂流星)
はじまりの部屋に帰る。
莉緒が直接自室に転移したので俺はリビングに。
「遅かったね。」
アオは苛立っていた。
「いや、散々だよ。莉緒が嬢の好感度上げすぎて女遊びバラされてたんだ。そのフォローで流星群見てきた。」
「ふうん。リュー、調子乗らないでね?異世界の為に莉緒を都合よく使わないで。」
「は?お前人の事言えんのかよ。」
俺はアオの胸ぐらを掴む。
「喧嘩売ってるの?僕に勝てるつもり?」
アオが俺の腕を持って捻る。俺は痛みに手を離したがアオは捻り続ける。
折る気だ。俺の腕を。
「離せ。」
俺は捕まれた腕に結界を張り、反対側の手でアオの腕を持ってアオから吸収した無尽蔵な魔力を闇に変換して手首を包み込む。
「ここだけ影転移したらどうなると思う?」
「チッ」
アオは舌打ちして即座に手を離した。
さすがに腕を切り飛ばされるのは嫌だったらしい。
俺はその魔力を全て自分に取り込む。
ラッキー。ありがとよ。
"俺が知らねえと思ってんの?まあ莉緒なら異世界の為の道具と割り切ってくれるかもな。せいぜい勇者の地位に胡座かいてろよ。"
アオは途端に青ざめる。
調子乗んな。お前の丸投げのお陰でこっちは今すぐにでも交代できんだぞ。
俺はみつきの方を向いた。
「みつき、リセット明日の朝でいい?」
「戻して良いの?進捗どうなの?」
「まあ明日クリア目指してみるわ。今日は戻す。嬢達暴露話と失言しまくったから無かった事にしてやらねーと、あれチクられて多分怒られてる。」
後ろの席の嬢がチラチラ見てたんだ。下手したら俺の担当外される。
「そっか。了解。頑張って。」
みつきは俺にわざとらしく治癒をかけた。
「びっくりしただろ。怖い思いさせてごめんな。」
「別に怖く無いよ。』
『みつき 絆アップ 好感度アップ』
俺は一切アオとは目を合わさずすぐ転移で自室に。
"り、リュー、さっきはごめん。その。"
クズが。
"言わねーよ。花さんの事、頼るなら頼る、外すなら外すでちゃんと考えてやれよ。無関係の俺に緊急開示されるとか異常だからな。"
"えっ!花さん、緊急なの?まさか。"
"花さんは常に気を張ってんだ。お前みたいなガキに弱みなんか見せねーよ。彼女がパートナー外されたら次はみつきを利用して潰すのか?誰も彼も俺みたいに強いとは限らねーよ。花さんがテオになるぞ。"
"ご、ごめん。建国祭終わったら決めるよ。"
『別に緊急開示じゃないけどね。』
こいつにはこのくらい言わなきゃ伝わらねえよ。
『アオが外されそうなのは否定しないけど。』
花さんじゃなくアオが外されんのかよ。勇者だぞ?建国祭に差し障る。
『異世界では外されないよ。』
ああ。地球で役に立たないと判断されたら地球イベント復帰不可になるのか。
『さあね。』
まあ、この更生プログラム終わってから個人的にアプローチすれば問題無いだろ。
いや無視かよ。




