第98話 管理人室。アオが告げる『莉緒の秘密』
私達が湖の祠に降り立つとイベントが発生した。
『建国祭を通じて国民と交流しよう。』
さて、ショーケースにはビールとノンアル、
湖の拠点にあるアイテムボックスには材料が入っている。食堂のアイテムボックスアトソーヌスペースはアトソーヌ側の食堂責任者しか使えない使用者制限を、エーテーシースペースにはエーテーシー側の食堂責任者しか使えない使用者制限を付けた。
ポップコーンメーカー、カステラ焼き機、たこ焼き機は貸し出した。両村の特産品もどんどん売り出す。
今日は建国祭なのだ。
「国王の莉緒です。今日ここに両村の民、全ての国民が集まり、無事建国祭を迎える事ができました。遠く離れた地に住むもの同士諍いを起こさず有意義な交流をしてほしい。住む所が違えば文化も違う、交流すれば意見を違える事はあると思う。だけど暴力は禁止です。もし破れば即座に村へ帰しここへの立ち入りは禁止とします。肝に銘じてください。」
私は集まった民に風魔法を使って伝えた。
言い終わるとアオが一歩前に出た。
「宰相の勇者アオだ。皆で手を取り力を合わせてこの建国祭を無事開催できた事嬉しく思う。ここに僕達の仲間を紹介しよう。彼らは別の地で陰ながら僕らの活動を手助けしてくれていた。転移魔法を開発した闇魔導士リューと、今回この祭の素晴らしい料理を作り、両村にレシピを与えたリアノッカ一の料理人のみつきだ。」
リアノッカで一番地位の高い料理人なのは確かだけど、本日の料理は彼女が考案した訳ではない。しかも転移スキルは作ったけど、村の祠を作った訳ではない彼を、アオはまるでこの祭の立役者の様に紹介した。策士か。
「闇魔導士で小説家のリューです。僕は物語を書く事を生業としている。よろしく。いずれはこの国の識字率を上げ、教育の機会を増やし、生活水準と社会の発展、向上に貢献したい。建国に立ち会った仲間として、共に手を携え国の発展に取り組んでいこう。」
小説という娯楽を与えてリューの支持率を上げつつ教育をして村人の知能の向上を図ろうと私達は話し合ったのだ。
リューの役職はまたそのうち決める。
「料理人のみつきです。この祭の料理番を務めさせていただきました。食べる事は命を育む事。そして、心を育む事です。アトソーヌとエーテーシー、遠く離れた地の違う食材を味わい、美味しいという喜びを通じて心を通わせてもらえたら嬉しいです。」
みつきはただ生きる為の食事ではなく、皆に食べる喜びを伝えていきたいという。
「では、建国祭を開始する。」
「とか言ったけどめっちゃ人材足りないよね莉緒。」
リューがこっそり愚痴を言って苦笑する。
「今日はその発掘も兼ねて村人と交流してね。文字は日本語を広めるかここの文字に翻訳するかだけどこれだけ識字率が低かったらやっぱり日本語広める方が良いと思うよ。字数多いのもちゃんと理解してるけどさ。」
私は騒音に負けない大きな声で話す。
「一般的に使われている文字が分かれば良いんだけどね。日本語は俺の労力よりも習得難易度が高いのが問題だ。」
「まあ、頑張れ。」
「丸投げwwwまあ教材作って子供の教育から始めるよ。」
「大変な役目だけど、頑張ってね。」
『リュー 好感度アップ』
「莉緒、異世界連れてきてくれてありがとう。お前のお陰。アオには内緒だけどね、実は俺お前の事ほんのちょっぴり好きだったんだよ。」
『リュー 愛情アップ』
彼はアオに信頼された事で盗聴器をもう外している。
「それもう知ってるwww好感度上がりすぎなんだけどwwwでも女興味なかったよね?」
リューは思いっきり嫌な顔をした。
「無いなあ。もうほんと面倒臭くてさ。莉緒とか特別面倒臭すぎて寒気するわ。絶対無理。一番嫌いなタイプ。俺泣く女とか無理なんだわ。何で好きなんだろ。異世界以外好きな要素無いんだけどwww教習所接待疲れたわあ。」
あまりの言いように私は思わず爆笑してしまう。
「流石に言い方が酷いんですけどwww何で自分で告白してその流れで拒否ってくんの?意味分かんないww」
「いや、アオには毎度押し付けられてさ、ほんと困ってるのよ。特にあの海と教習所丸投げはさすがに無いわ。あいつ自分のせいで会えないのを俺に八つ当たりしたりね。どんだけ不甲斐ないの?ほんと無理なんだけど。親友とか言ってがっつり頼りやがって。お前も彼氏に言われたからってのこのこ来んなっていうね?これからもお前ら喧嘩する度に面倒見させられると思うとほんと憂鬱。…まあこれからも兄貴ポジションでよろしくw」
「ハイハイ。よろしくね。」
私は手を振って離れた。
『イベント 本音の語り合い リュー 好感度アップ 愛情アップ 絆アップ 親密度アップ』
"ねえ何あれww新たなスタイルの告白なの?暴言やばすぎww"
"盗み聞きとかwwアオに言わないでよ?あの人拗らせたら面倒だから"
"むしろそれが狙いかもwww"
村人に声をかけているとアオがやって来る。
「莉緒。話そ。」
私達は管理人室へ。
「実はね。僕莉緒の秘密知ってるの。」
「ええ?何の秘密?」




