第97話 現実逃避の引きこもりたちとナビの叱責
異世界に入り浸る事数日。
はじまりの部屋の我が家は私達二人の隠れ家だというのに、リューとみつきに一部屋ずつ貸している。だというのにもう一人の部屋の主、リューは部屋にはいない。
リューに識字率アップイベントをお願いしたら怒ってスネて地球に行ってしまった上、アオまで引っ張っていって何日も地球リセットを繰り返し始めたのだ。
「男ども何やってんの?こっちは超忙しいのにっ!」
みつきは荒れている。
建国祭までに料理と錬金術を村人たちに教えなくてはいけないのに、料理男子で指導上手なアオまで連れて行ってしまい、みつきに負担が集中しているのだ。
私は楽しんでるけどね。人に教えるのって楽しいし。
そこに噂の二人が帰ってきた。
「まさか1-4で来るとは思わないだろあれ。ほんと腹立つわ~。」
「いや、あそこで大量落車は僕も無いと思う。こんなのループ中初めてだし。」
どうやら競輪に行っていた様だ。
「ああ。俺らちょっとリセットしてくるわ。」
この言葉にみつきがキレた。
「なんで私達ばっかり仕事してんの?!リューとアオばっかり毎日遊びに行ってズルい!!!」
「わう!」
置いて行かれっぱなしのカリクも不満爆発だ。
アオが取り繕う様にみつきをなだめた。みつきがこうなると大変なのを知っているのかも?
「ご、ごめんよ。明日は休みにしよ。明後日から僕も参戦するから。リューも明後日から建国祭の方参戦して。」
「じゃあ明日は俺が異世界で留守番するわ。けど一旦リセットだけさせてくれ。今日の結果は納得できない。」
アオ、それは地雷発言だよ?
「地球行ったら私が仕事じゃん!!嫌だから!!」
みつきが再びキレてアオを畳みかける。連れて行ったリューではなくアオを狙ったのは多分…。
「今日莉緒とパジャマパーティーするから!スイーツとボードゲーム作ってよね!」
「わ、分かった。分かったからそんな怒らないでみつき。」
かくして私達はスイーツとボードゲームをせしめる事に成功した。
それからしばらく錬金術と料理を村人に教えたりしていたけど再びみつきがキレた…。仕方なくはじまりの部屋でなだめ、魔法の練習をするという事で決着がついた。
さてはキレると要望が通ると学習したな?
皆で結界を纏って外周を散歩をする事に。彼らの結界トレーニングなのだ。
「早くノッテとカリクみたいにプールの上を走りたい。」
みつきが言う。
「俺はもう空も歩けるけどな。」
リューが嬉しそうに言う。
「秋月凱さんの素性分かった?」
私はアオに聞いた。アオは私に優しく微笑む。
「ああ。りお。毎年来てくれてる消防署の職員さんだった。もうすぐ会えるね。当日は何回か戻して無双する?」
この話でどうしてこういう反応なのかは私にも意味が分からない。
「アオ普通の会話でなんでそんなベタ甘なの毎回wwやばくない?www」
私達の後ろを歩くみつきがウケまくりだ。
私は後ろを振り返る。
「リューが適任だよね。シーフだから潜入捜査とか得意だもんね。」
「ちょ、押し付けられたしwいいけど。頑張るけどな。有能だったら僕の部下に貰うぜ?」
「部下とかww調子に乗ってきたww」
みつきがシラフで何故こんなにテンション高いのか。
『それも大事でござるが、そろそろ現実逃避をやめるでござる。』
『いい加減に現実に帰ってきてください。』
永遠と愛陽が私達を嗜める。
「あー。準備なあ。もう連日料理と錬金術教えてて疲れちゃって。」
「まあ、頑張るしかないよねえ。」
私とアオはげんなりした。
「俺は錬金術習うの楽しいけどね!」
「私は料理教える方だから習えないんだから!リューだけずるいよ!!」
そうなのだ、大まかな作り方を知らないと作れない人も多いのだ。
『びっくりなのじゃ。イベントを途中で放り出すなど。』
『引きこもりが三人も集まればそうであろうよ。我からしたらみつきが同類で驚きだ。』
のじゃと厨二が呆れ返る。
夜闇のサービス精神は未だ健在。もうこのキャラでいく事に決めた様だ。
「だって仕事ばかりやだ。たまに休みたい!」
『明日こそは絶対に開催して下さいよ?!』
『でござる!』
「水難事故は怖いからしっかり練習しよ!」
アオが笑う。
「だね!」
「「りょうかーい」」
私達は笑いながらナビ達をスルーして歩いたり、着衣水泳をしたりしてリフレッシュした。




